染付 白抜太湖石文輪花皿
18C後半 径21.0cm*高2.9cm

白抜きの太湖石文様の皿を探していた。
太湖石といえば、柿右衛門の花鳥図の皿でお馴染みであるが、これは残念ながら当零細コレクターには無縁の代物である。

私が白抜きの太湖石にこだわったのは、染付の古伊万里に興味を持ち始めた頃に展示会で、江戸中期末の白抜きの太湖石を
描いた皿を目にしてからである。「なんじゃー? この一つ目のおばけみたいなものは」 鮮烈な印象であった。
これが太湖石であることが分かったのは後のこと。柿右衛門の太湖石とはかなり趣が違う。この時期特有の形状をしている。
この皿は古伊万里中期末の新様式、清朝風意匠の皿であるから、清朝期の太湖石の表現法なのであろうと思っている。

作品としてはかなり丁寧な仕事がなされており、この時代としては上手の作である。縁周りも私の好きな「紗綾形」の文様で
埋められておりこれも嬉しい。裏は無地、この時期あたりから多く見られるようになる。

2005/9/1


 [解説文] 無断借用 : あっちこっち

<太湖石>
江蘇省太湖産の石。
太湖の湖中の石が何万年もの間波に打たれて、穴やくぼみができ、趣きある形に変わったもの。中国の庭園や築山に重用される。
太湖から産出される太湖石は、玉(ギョク)のように明るく透き通った色調で、いくつもの穴があいている奇石。 中国の庭園や築山に
不可欠とされ、隋の煬帝はこの石を運ぶために大運河を掘らせたと言われている。 北京の「頤和園」や上海の「豫園」にも太湖石が
ふんだんに使われている。

<太湖>
太湖は無錫市の南郊外に位置し、江蘇省と浙江省にまたがる大きな湖で、約2,428平方kmの面積は中国第3位の広さを誇る。
 東西に55km、南北に68km広がり、琵琶湖の3.6倍の大きさ。 湖中には72の島が点在し、島々を回る遊覧船が運行されている。
 太湖には銀魚、ウナギ、草魚、エビなどの無錫料理に欠かすことのできない魚が生息している。