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この皿の見込み絵は「漁夫の利」といわれる故事を描いたものらしいが、写真を撮っていて気が付いた。 「これは夏の皿だ!」 それまでは雪輪というだけで単純に冬のイメージで、冬用として昨年の秋の終わりに撮影をしていたのだった。 雪輪の縁に見込みは「貝と海草」「鴎」を組み合わせて、すっきりとまとめている。 見込み絵の貝や海草、鴎などは「海」の象徴であり、「海中」「海」は「水」をイメージする。 さらに縁周りは「雪」である。冷ややかさを喚起させる視覚効果と観念の効果を組み合わせた、心憎い趣向なのだ。 間違いなく涼やかさを意図したデザインである。 「今ごろ気付いたか」と先輩諸兄には笑われるかもしれないが、またしても古のデザイナーのセンスに感服させられた。 ー2005/7/1ー |