古染付 樹下双鹿文皿
明末: 径20.2cm*高3.2cm


季節物を外れて、古染付の続きを再開いたします。

樹下鹿文のモチーフは、古伊万里でも藍九谷などでしばしば見かける。当コレクションでは手が届かず所蔵品はないのだが、それらは日本人的感性で見事に洗練された図柄であって秀品が多い。

しかしながら、藍九谷の樹下鹿文の図柄は同時期の花鳥図の作風と比較するとやや異質で中国的雰囲気
を強く感ずる。

中国のこの時期、民生用器としてこの手の樹下鹿文がこれまた数多く見られる。それらは今回の皿と同様藍九谷に作品と比べるとかなり手が落ちるものである。

この時期以前に藍九谷と同様の洗練された作品があったものかどうかは、浅学の私には定かではないが、明らかに同根の絵柄であると思っている。

2005/5/1