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鮮やかな呉須の発色にインパクトがある。 ただし、濃の埋め方が伊万里を見慣れた目には雑に映る。 絵柄を含めて考えるにこの皿は民生用の上というところであろうか。日本からの注文品のような丁寧さはないようである。 しかしながら、意匠的には大変興味深いものであることがわかった。 縁周りの雷文や花唐草は勿論のこと、華文は初期伊万里への影響を覗わせる。 ところが更に、見込みの大きな華文、「宝相華文」というそうであるが、これは中国的というよりはペルシャ文明の影響らしい。 シルクロードの仏教遺跡の壁画天井絵に、唐草で囲まれた宝相華文が数多くあり、ペルシャの意匠であると解説されている。 まあなんと、遠大なロマンであることか。 中国、シルクロード、ペルシャに到る文化の交流、古代陶磁器の歴史が見えてくるのである。 2004/12/15 (2005/10/16 改訂) |