染付 献上手鳳凰丸文十角皿
元禄年:径21.7cm*高3.8cm




まず第一に感ずるのは、良質の呉須をふんだんに使っていて、発色が大変美しいということである。

口縁を端反にした型物の十角皿。見込みに雲文と鳳凰丸文、内側は青海波と四方襷の丸文、
口縁を小花を配した波文で飾り、盛りだくさんではあるがメリハリが効いていて、意外にすっきりした印象である。
コントラストの妙味ということか。さすが盛期の作である。

裏は打抜きと呼ばれる同柄で、高台周りは如意頭をめぐらせている。高台内は二重巻線に「大明嘉靖年製」の銘。
献上手の要件すべて備えた見本のようなお皿である。

戸栗美術館に同じデザイン構成の色絵の八角鉢が所蔵されている。図録から参考画像を拝借する。
 


参考画像



戸栗美術館発行 「古伊万里」蔵品選集 より