染付 唐花文小壺 元禄期:径16.7cm 高8.5cm
大層優雅で凛々しい小壷であるが、骨董の世界では「唾壺」と称されることが多い。しかしこれは定説ではない。
推測するに、これは「こぼし」として多用途に使用されたものではないかと思う。
いずれにしても、上手の品で工芸品としても一級品である。
 

説@
やんごとなきお姫様が寝所でお目覚めになると、侍女が3人ほどやってきて、身支度のお世話をする。一人がお姫様に水をふくませると、もう一人の侍女がこの小壷を捧げさしだす。
お姫様、お口をお漱ぎあそばされて「べーッ」とする。
(失敬!だんじてベーではありませんべーでは)
おこぼしあそばされるのです。
  

説A
下戸の殿様、酒宴でダウンしないように、膳の下にこれをおいて、杯に口をつけてはこれにこぼして、調整をした。

どちらかのHPで、昔結婚式が自宅で行われたころ、婿殿がつぶれないように、こぼしを用意していたことが書かれてありました。遠い昔、子供の頃の私の記憶にもそんな光景があります。