お正月は志田窯の「鶴亀」を特別展示としました。
志田焼のお皿は古伊万里としてはあまり重要視されておりませんが、江戸後期には庶民の宴会料理に盛んに使わ
れておりました。宴会といえば料理屋での宴会とか町屋の結婚式など「ハレ」の席が主ですから図柄は「縁起」もの
がほとんどでした。
私は志田窯も日本陶磁史の重要な作品群であると認識しておりますので、小コーナーを作るつもりで代表的な縁起
物「鶴亀」 「龍虎」 「登竜門」だけは揃えようと考えておりました。この中で一番苦労したのが鶴図でした。イメージ的
には「松と鶴」でしたが待てど暮らせど出てこない。「龍虎」の展示から何年経ったでしょう、最近になってやっとこの
「竹鶴」が出てきて、「正月飾り」にできました。
ここまでに辛抱たまらず「波間に飛翔鶴」のお皿も手に入れましたが、どうしてもイメージに合わず披露を見送ってき
ました。
この「竹鶴」は裏の写真で見られるように少し大ぶりで深皿になっております。志田焼の特徴である化粧土の流れた
跡も見られて興味深いものがあります。
2016/1/1
元旦
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