古染付の酒盃で目覚めた、染付磁器への興味。
中国「元」「明」時代に確立された染付磁器 「青華」。
その流れをくむ朝鮮の技術集団が海を渡り我国に磁器を伝う。
先人達の情熱と弛まぬ研鑚によって到達し得た至高の美、盛期「古伊万里」。
17世紀末から西欧の王侯貴族にも愛でられ、ジャポニズム文化の一翼をも担った。
やがて「器」としての本質のため大衆化量産の道をたどり、
至高の技の継承はできなかったが、伝統は現在に至る。
しかしながら、いつの時代にあってもひたむきに「美」を追い求める人間はいて、
それこそが人間の人間たる所以なのであろうが、
時代の状況によって技術的な成熟の差こそあれ、
真摯な魂の情熱や執念を伝える作品はどの時代にも見いだせる。
「美しきもの」への限りなき憧れと、染付の歴史をたどることを夢見て、
遥かなる探求の道をさまよう。
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