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ババ踏んじゃった〜! 贋作発見―同定作業 |
この皿は当HPの図録で「藍九谷 墨弾環状文字に花文皿」として掲載していたものであります。 ヤフオクで手に入れたものですが、正直 購入当初から一抹の違和感がありました.。 「成形、目跡は完璧でありますが磁胎が綺麗すぎる。」 「墨弾きの花文が不鮮明である。」 しかしながら、以前にも書きましたが素人コレクターのイジマしさで、器形は手持ちの同類の藍九谷の皿と同じで、薄造り、三角高台、目跡も本物、「この時代でもこれくらい上がりの良いものもあったんだろう。」 と納得してしまうんだから情けない。その上、「絵柄の悪さには これくらいの出来不出来のバラつきもあるだろう。」 と都合よく解釈する。 アホ以外の何者でもない。 最近、ヤフオクに私が信頼する出品者の一人である業者さんが傷物ではありましたが、このお皿の本歌を出品されました。 私は落札できませんでしたが、同定作業の資料として写真を使用させていただきました出品者様、落札者様、主旨に免じてお許しください。、 |
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花文が何だか分からない 花文の下に文字環状の線が見える 本歌はきちっと描き分けている 丁寧さが違う |
まさに花文である |
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一応 三角高台ではあるが本歌の厳しさがない 風合いからも明らかに新物だ |
これが藍九谷の裏 |
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今の贋作はちゃんとハリを使って焼くから、目跡も 真贋の基準にならない |
本物 |
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こうして 並べて比較すれば何の問題もなく贋作であることが分かるのに、欲とは目を曇らせるものである。 この皿はもう10年程前に手に入れたが、そう言えばこの出品者は「茨城」の出品者で、当時評判がよろしくない業者だった。 入札も少なく安価で手に入りました。諸先輩方の眼力は確かなものであったようです。 取得後何年かは掲載するかどうか迷ってましたが、贋作との確証もないもんだから図録に掲載してしまいました。良い恥さらしをしたもんである。 黙って静かに引っ込めようかとも思ったが、まあ失敗談も、同定作業も何かの参考になればと考えなおした次第であります。 趣味で骨董の世界に遊ぼうとする者は、展示会、美術館等で多くの本物 名品を鑑賞し感性を磨かねければならない。 判断の確かさはいかに沢山の本物を見てきたかで決まる。またその判断には常に潔さがなければならない。 一番安全なのは実績のある信頼できる骨董屋さんとお付き合いすること。 特にヤフオクの場合は気になる商品があったときには「その他の出品」を見ること 一つでもおかしな物があったら、その出品者は悪徳業者です。 今の時代「掘り出し物」などと大化けするようなものはありません。 分かってはいるんですけどね〜・・・・・ |