ネットオークション言わずもがな
2001/2/25



ネットオークションにハマって走り過ぎて、ついにダウン。
落札も大台越えた。オバカだ。

世の中にはものすごい人がいる、そのまた一桁上の大台遥かに超えている。
評価をくれない人もいるから、実数はもっとあるだろう。
落札品の顔ぶれを見るとジャンルが多彩なので、コレクターではなくてプロの方か、骨董屋さん志望の方でしょうか、もしそうでないとすると余ほどの好事家ですね。

ともあれ、見るだけしか出来なくなった今、狂気のオークション生活を振り返ってみると、いろんなことがあった。大正解もあったし、失敗もあった。
お友達になった出品者もいれば、ネーム見ただけで「これはあかん」という出品者もある。


ネットオークションをこれから始める方もいらっしゃると思うので、そんなこんなを纏めてみました。


どの本だったかに有名古美術店さんの対談があリました。
その方は2代目でご活躍していらっしゃるのですが、若い時に先代に教えられたことを
お話していました。

『骨董は安いと思って買ってはいけない、その品物が美しいと思ったら買いなさい。』

と教えられたそうです。

このことは、今の私には実感として解かります。
専門家と私では、レベルについては雲泥の差があるのは当然ですが、それでもこの言葉は、骨董を趣味とするすべての人間にとっての「金言」です。
最も根源的な大原則です、肝に銘じておきましょう。



ネットオークションは、写真と、短いコメントだけで品物を見極め購入の判断をしなければならないという、購入者にとって非常にリスキーな流通手段です。
したがって、出品者には出品者の、入札者には入札者の「ルール」というか「モラル」というべきものがあります。

《出品者は、写真とコメントに嘘がない事》
《入札者は、自分の判断に責任を持つ事》

当たり前の事ですが、ネットオークションはこれで成立しているんです。


「嘘」には直接的な嘘と、間接的な嘘があります。
さすがに直接的な嘘は、即クレームとなるから無いとは思いますが。
間接的な嘘はいろいろあります。


1、ピンボケ写真

器の輪郭までボケているから、写真が下手クソなだけで実物はボケてないだろう。

・・・・・甘い!、実物も呉須が流れていた。
正統派の出品者は、コメントにちゃんとそのことを書いてあります。
大原則で云うところの「安い」に惑わされて、良い方に勝手に解釈した結果。
いずれにしても、ボケ写真を平然と掲示すると言うことは、ネットオークションという流通手段に対する姿勢が不誠実ということでありますから、相手にしないのが懸命です。
私などはどんなに美味しいタイトルでも、写真が悪ければその時点で NG です。
(写真が実物より良すぎるのも、問題出品者ですけどね)


2、コメント「私は・・・・だと思っています。」

写真もしっかりしているし、特徴もそなえている。ほんとにそうだったらお買い得!!。

・・・・・甘い!、現物を手にしてみれば一目でわかるダメ物も、写真では分からない。
微妙な調子・発色、品物の雰囲気などは見えない。
現物と写真を良く見比べるとダメ具合が写っていないわけではない、原則を忘れた欲目で見るから見えないのである。お陰で写真の読み方は上手になった。
出品者はプロ、素人でもわかるのにプロが分からんはずないじゃろ!


3、素人風コメント 「専門的なことは分かりませんが、・・・・だと聞きました。」
(これはすべての方ではありません。)

落札者に判断を委ねる、責任逃れの手法。
・・・本当のド素人だったら、こんな言葉知らないだろう!

正統派の方は、専門家の方に鑑定してもらって出品なさってる方もいます。
素晴らしいものばかりでした。

等々、失敗も沢山ありました。


すべての原因は大原則の心が無かったからです。
世の中、そんな甘いもんやおまへん。

「安い」には安いなりの理由が必ずあります。

「お買い得」なんて物はありません。

惚れて追いかけて、競り落としたものは大概予算オーバーになってますが、勝負して良かったと思うものばかりです。

正統派の出品者は、写真もシッカリしていますし、コメントも堂々として、品物に対する自信と、知識判断が明確、状態の説明にも潔さがあります。

オークション見ていると前述のような出品者もちらほら見えて、そのいじましさに嫌悪感すら覚えますが、それに乗っかった自分の卑しさにも反省しきりです。

私はネットオークションが非常に有益な流通手段であることを実感しております。
ですから、これが健全で確実なものとなるように、また我々好き者にとって価値ある流通媒体として育つように、邪道出品者を淘汰しなければなりません。
正統派の出品者以外は相手にしない事にしましょう。

以上




後日記 (2004/02/26)

最近のヤフオクには、江戸中期風のダメ物を大量に堂々と出品している輩が見える。
花唐草や絵柄に日本的でない違和感を覚えるので、海外ダメ ルートがあるようだなー。