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あらすじ

砂の器 (松本清張)

ネタバレで書いていますので未読の方はご注意ください。
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5月12日午前3時過ぎ蒲田駅構内で男の他殺体が発見された。
被害者は前夜、駅近くのバーで30歳前後の若い男と連れ立って飲んでいるところを目撃されていた。
バーの従業員や客の証言で被害者が東北弁を話していたこと、
連れの男と「カメダ」について話していたことが判明。
東北と「カメダ」に関する情報収集を中心に捜査は始まった。

捜査本部の今西栄太郎は秋田県に羽後亀田という地名を発見。
調査の結果、羽後亀田に謎の男が現れていたことがわかる。
調査結果を受けて秋田に出張した今西だが、これといった収穫も無く帰京しようとしたところ、
若手芸術家集団ヌーボーグループと行き違う。

一方、捜査本部は返り血を浴びた衣服の処理を考え、現場近くに犯人の住居かアジトがあると推理するが、手掛かりは見つからない。

今西が遭遇したヌーボーグループの評論家関川には、隠れた愛人、三浦恵美子がいた。彼女は銀座のクラブで働いているのだが、彼女のアパートを訪れた関川は同じアパートの住人に顔を見られたことから、恵美子を引っ越しさせる。

今西が縁日の帰りに交通事故を目撃。事故の被害者はヌーボーグループの前衛音楽作曲家・和賀英良。
蒲田の被害者の身元が遺族の通報でが判明。岡山出身の元巡査・三木謙一であった。しかし被害者と東北の接点が見出せず捜査は難航。

今西の妹の経営するアパートに関川の愛人三浦恵美子が越してくる。
中央線で紙吹雪をまく女が目撃される。
今西の近所のアパートに女優が越してきたと評判になるが、実は前衛劇団の事務員成瀬エリ子。
今西が成瀬エリ子のアパートの外で合図を送る宮田邦郎を目撃。

今西、突然のひらめきで方言の専門家に会い、その指摘で東北弁に似た言葉が出雲地方の一部で使われていることがわかる。
今西が鳥取の地図から亀嵩を発見。早速現地へ向うが三木の過去からは事件につながるような事実は見つからない。

今西、雑誌の随筆から中央線で紙吹雪をまいた女の事を知る。沿線を捜索し、女がまいた布地を発見。その布地から被害者と同じ血液型の血痕が見つかる。

成瀬エリ子が自殺。動機は失恋。
以前、成瀬のアパートの外で見かけた宮田邦郎に事情を聞こうとするが、証言をする前に宮田は心臓麻痺で死亡してしまう。
羽後亀田に現われた男が宮田と判明。
宮田がエリ子に好意を寄せていたこともわかるが、失恋の相手ではなかった。

今西が、妹のアパートに越してきた住人が関川の愛人であると気付く。
今西と恵美子が会う。それを知った関川が恵美子を再度転居させる。

和賀、有力政治家の娘である田所佐和子と婚約披露。
関川が恵美子の妊娠を知る。
今西が恵美子の転居先を探し始める。
恵美子、不自然な早産で死亡。

今西が関川の評論の論調の変化から関川と和賀の関係に疑問を持つ。
今西、突然ひらめき、和賀の過去を調べ始める。
一方、三木の生前の善行についても照会、本浦千代吉親子の世話をしていたことをつきとめる。

今西、殺された三木の足取りを辿って伊勢へ。三木が映画館で何かを発見したことを知る。
本浦千代吉が慈光園にて療養後死亡したことが判明、その息子の行方を追う。

田園調布で押し売りに入った男が気分が悪くなるという事件が起こる。その家の住人こそ和賀英良。

伊勢の映画館の支配人が和賀の婚約者、田所の一族であることがわかり、田所つながりに気付いた今西が再度伊勢へ向い、映画館で和賀の写真を見つける。

エリ子の自殺の原因を作った男が和賀であると推定し、和賀の返り血を浴びた衣服を始末したのがエリ子であると推理。
エリ子の劇団で5月12日にコートが紛失していたことがわかる。これによって和賀が、返り血を浴びた衣服の上に、エリ子に持ち出させたコートを着て逃走したことがわかる。
芝居の中で、そのコートを着ていたのが宮田。
和賀、成瀬エリ子、劇団の俳優宮田邦郎がつながる。

恵美子の不自然な死と、宮田のタイミングのいい心臓麻痺が人為的なものではないかという疑いが浮上。

今西、防犯協会の話から、超音波を使った押し売り撃退トリックに気付く。

和賀の戸籍が戦災の混乱の中で本人によって作られたものであることがわかり、その正体が本浦秀夫であると知れる。

和賀の自宅から超音波発生装置が見つかる。



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