**TOP**

ネタバレ感想

半落ち

ネタバレで書いていますので未読の方はご注意ください。
*
*
*
*
*
*
*
*
*
マイナス評です。好きな方は読まない方が・・・

-----------------------------------------------------------------

No.93

投稿者---kigi(2003/01/20 16:11:23)

これは結局、妻の介護から逃避して自殺しようと思ったけど、
死に切れなくてドナー登録をいいわけに生き延びたダメ男の話なの?
妻が壊れていくと言ったって病気なんだから仕方ないじゃないですか。
脳意外のところが病気になっても、壊れたと言って殺すの?

行った場所が、歌舞伎町だろうとどこだろうといいじゃないか〜
奥さんのことをもっと考えてあげて欲しい。
やっぱり組織を守る方が大切なのかな?

結局これが夫の限界なのかも。
妻なら女性なら、夫や親がアルツハイマーでも殺そうとは思わないでしょう。
アルツハイマーの介護が本人にとっても家族にとっても
想像以上の苦しさだということ、
時として、相手を殺して自分も死んだら楽だろうという気持ちに
なってしまうこと、それは想像に堅くないです。
でもこういう解決を美化しないで欲しい。

妻の立場から言うと、ボケて迷惑かけるなら殺してくれという気持ちはわかるのですが、
小説だからこそ、あまり簡単に割り切ってもらいたくなかったですね。

今の日本が直面している難しい問題なので、これ以上想像で書くことは出来ませんが、
それだからこそ、もう少し丁寧に扱って欲しかったです。



----------------------------------------------------------------

No.97

投稿者---かなめ(2003/02/06 23:23:26)

こんばんわ。かなめです。

>これは結局、妻の介護から逃避して自殺しようと思ったけど、
>死に切れなくてドナー登録をいいわけに生き延びたダメ男の話なの?

うーん、確かにそういう話な気がしました(苦笑)
この本、ほかの方の書評を読むと
圧倒的に『感動した』という感想が多い気がしました。

私はというと、正直結末は『へっ?』って感じでしたね。
自分の妻も救えない男が
他人を救いたいなんて、ちょっと違うなぁと思ってしまった。

人間誰でも、つらいときは
『死にたい』なんて口走ったりしますよね。
それを真に受けて殺してしまっていいのか
『妻は殺されても仕方なかった』という空気が
流れていたのも、ちょっと嫌でしたね。


---------------------------------------------------------------

No.98

投稿者---kigi(2003/02/07 17:52:13)

かなめさんの感想も見てきましたよ。
やっぱり「空白の2日間」の謎には期待してしまうよね。
あそこまで秘密にするには何があるのかと思ったんだけど、
急に善人になってしまうのが、逆に救われないと思ってしまったのよね。

私は、まさかあれだけの理由で妻を殺したとは思わなかったので、
夫婦の過去、あるいは妻の過去、息子に関するなにか深い問題が
あるんだろうと思ってしまったんですよ。
それを解決するための2日間だったのかなと期待してしまったんですね。

>『妻は殺されても仕方なかった』という空気が
> 流れていたのも、ちょっと嫌でしたね。

そうでしょう。
ああいう解決法を選びたくなる気持ちはあるのかもしれないけど、
それならそれで、もっとそこを掘り下げて欲しかったんですよね。
妻の問題は簡単に片付けられてる気がして残念でした。
介護問題は友達が苦労しているのを知ってるしね。
そのお宅はアルツハイマーじゃないんだけど、
やっぱり年取ってから病気になると、いろいろ麻痺が出たりして大変なんですよね。

私も母親と暮してるから敏感になってるのかもしれない。
でも、みなさん苦しい思いをして頑張ってるんだから、
それを突き放すような内容は納得できなかったですね。

最終的には、介護問題、子供の死、ドナー問題、
短い中にあまりに思い問題を詰め込み過ぎた感じがしました。

それにしても、そこまで組織に迷惑かけるのが心配なら
ちゃんとアリバイを作っておけばよかったのにと思いませんか?
刑事なんだから〜

-----------------------------------------------------------------

No.99

投稿者---かなめ(2003/02/08 16:06:08)

kigiさん、こんにちは。

>あそこまで秘密にするには何があるのかと思ったんだけど、
>急に善人になってしまうのが、逆に救われないと思ってしまったのよね。

そうですよね。急に善人のように扱われて
妻を殺したことをみんな忘れてないかい?って感じ(苦笑)

>私は、まさかあれだけの理由で妻を殺したとは思わなかったので、
>夫婦の過去、あるいは妻の過去、息子に関するなにか深い問題が
>あるんだろうと思ってしまったんですよ。
>それを解決するための2日間だったのかなと期待してしまったんですね。

途中に出てきた『隠し子に会うために歌舞伎町に行ったのでは』
という説のほうが、人間臭くてリアリティがありますよね。
私も、どうしても2日間のうちにやっておかなければ
いけないからこそ、妻の遺体を置いていったものかと・・・。

>最終的には、介護問題、子供の死、ドナー問題、
>短い中にあまりに思い問題を詰め込み過ぎた感じがしました。
>それにしても、そこまで組織に迷惑かけるのが心配なら
>ちゃんとアリバイを作っておけばよかったのにと思いませんか?
>刑事なんだから〜

そうですね。詰め込みすぎ感は否めないですよね。
kigiさんが掲示板で
『これで(直木賞)受賞は無理じゃないのかな』と
書かれていた理由が、読んでみてわかりましたよ。
妻の扱いが酷いですね。

-------------------------------------------------------------

No.100

投稿者---kigi(2003/02/10 17:56:31)

◆かなめさん

>途中に出てきた『隠し子に会うために歌舞伎町に行ったのでは』
>という説のほうが、人間臭くてリアリティがありますよね。

そうそう。それだったらまだ心情としてわかるよね。
ラストがきれい過ぎる気がしてしまうんですよね。
移植を受けた人間が、もし頑張ってる好青年じゃなかったらどうなるんだろう?
とか考えてしまって。
そこまで描くのは、移植を受ける人を区別する思想にもつながるんじゃないかなという心配もしてしまったしね。
とにかく全体に「浅い」という感じなんですよね。

>そうですね。詰め込みすぎ感は否めないですよね。
>kigiさんが掲示板で
>『これで(直木賞)受賞は無理じゃないのかな』と
>書かれていた理由が、読んでみてわかりましたよ。
>妻の扱いが酷いですね。

そうでしょ。
妻を殺してしまうという設定は、小説の中での問題提起としてはありうると思うんですけど、
それを提起しておきながら、解決は別の問題になってるところが納得いかないんですよね。

人間に必要なのはやさしさより強さだと、しみじみ思います。
両方あれば最高だけど、やさしいだけの人は問題を複雑にするだけかもしれないですね。

-------------------------------------------------------------

No.103

投稿者---トラキチ(2003/04/05 19:17:44)
http://homepage2.nifty.com/toshihirokun/


確かに最後が綺麗過ぎるような気もしました。
もちろん、歌舞伎町という地名をあえて使って読者の想像力を掻き立ててるのもわかりますよね。

妻に対して多少なりとも“みずくさい”男性として写っても仕方ないかなあとも思います(笑)
でも、小説のアイデアとしては“人生50年”の使い方なんか結構上手く使って作ってるように思います。

多少賛否両論あると思いますが、個人的には読みやすい小説(普段あんまり本を読まない人でも入っていける・・・)だなあと思います。
出版不況の時世の中、売れてる事には頷けるような気がしました。
続けて『第三の時効』も読みましたが『半落ち』以上に面白かったです。


-----------------------------------------------------------

No.105

投稿者---kigi(2003/04/07 15:50:25)


“ミステリー”“謎解き”という宣伝文句に
期待し過ぎてしまった感じがあるんですよね。
“警察小説”として読めばよかったんでしょうけど(^^;)
私のまわりでも男性陣は絶賛してますよ〜

> 多少賛否両論あると思いますが、個人的には読みやすい小説(普段あんまり本を読まない人でも入っていける・・・)だなあと思います。

あ、そうですね。
恋愛話や、風変わりな建築家の作った屋敷などに興味のない人にも、
共感して読める内容かもしれません。
本を読む時に、現実を求める人と現実逃避を求める人がいると思うのですが、
私は現実逃避派なので、現実の重い問題を突き付けられる逃げたくなるんですよ(笑)
『第三の時効』も、評判いいみたいですね。
図書館で見つけたら読んでみたいとは思うのですが、
いつになることやら・・・(^^;)