お気に入り歴史小説


「隠された十字架」 梅原猛
「風の群像」 杉本苑子
「壇林皇后私譜」 杉本苑子
「御宿かわせみ」 平岩弓枝
「枕草子」
「反逆」 遠藤周作
「野望・全4巻」 井沢元彦
「覇者・全3巻」 井沢元彦
「北の王国」 童門冬二
「名君の碑」 中村彰彦
「保科肥後守お袖帳」 中村彰彦
「偽史日本伝」 清水義範

隠された十字架」 梅原猛

日本史ファンになったきっかけの1冊です。
聖徳太子と法隆寺に関する謎解きをしながら、従来の定説とは全く違った太子像を導き出しています。「歴史ってこんな楽しみ方していいのか」と目からウロコの本でした。それまで歴史の勉強は受身のものだと思っていたので、能動的に楽しんで良いと判って一気にのめり込みました。


風の群像」 杉本苑子

主人公は足利尊氏、直義兄弟。直義がひたすら兄を支える弟として描かれています。
かなり美化されている気もしますが、面白ければ良いのです(^o^)
兄を支え通す弟はやっぱりカッコイイです(*^_^*)(武田信繁、豊臣秀長も良いですね〜)この時代は天皇が2人いるなどというおかしな事態が続いた為か、日本的思考パターンに当てはまらない人物が多くて面白いです。


壇林皇后私譜 杉本苑子

壇林皇后橘嘉智子の生涯を背景となる事件と共に描いています。時代的には平安遷都の直後、桓武天皇から文徳天皇まで。回想シーンまで含めると、橘奈良麿の乱、恵美押勝の乱、道鏡事件、藤原種継暗殺、薬子の変、承和の変と、日本史上もっとも訳のわからない事件が続発した時期にあたります。

この時代の事件が陰湿なのは、この時代に初めて怨霊が正史に登場したという,怨霊大活躍の時代だからなんですね。
では何故この時期に怨霊が集中したのか? 
そこには1人の天才政治家の意思が働いていたから…ということらしいです。

いやあ、陰謀と天才〜まさに好みで良かったです


御宿かわせみ」 平岩弓枝

江戸の情緒がいいですね。登場人物も味わいがあって、いつでもどこからでも安心して読めます。短編集なので気軽に読めるところもいいのです。疲れた時にはいつも読んでいます。
「かわせみ」の情緒に浸っていると頭も心も安らぎます。


「枕草子」

古典と言うよりエッセイとして読んでいます。もし無人島に一冊だけ本を持っていくとしたら迷わず「枕草子」を選びます^^
詩のような美しい描写から、ドタバタの日常劇、ダジャレ合戦に辛口エッセイとなんでもありですから、一冊で何度でも楽しめます。


反逆 遠藤周作

松永久秀、荒木村重、明智光秀、信長に叛した3人を中心に描いた作品。
心情、内面を主に描かれています。武将としての生き方と人としての生き方、その狭間で揺れ動いた精神の葛藤が重いです。


[野望・全4巻」「覇者・全3巻 井沢元彦

武田を中心に、上杉・北条から家康までを描いた小説。文章も読みやすくキャラクターもカッコ良くて、関東戦国ファンにはたまらない内容です。時代小説風の描写やチャンバラシーンが苦手な女性にもお薦め。


北の王国 童門冬二

上杉ファンには絶対的にお薦めだけど、それ以外の方には面白くないかもしれない。徹底的に上杉サイドの視点で描かれた内容です。

ここでは兼続と石田三成が密約してますが、私としては本多正信との密約の方がありそうな気がします。


名君の碑 中村彰彦

会津藩祖保科正之の生涯を描いた作品。正之は三代将軍家光の異母弟です。秀忠の死後、家光によって世に出て家光とその子四代将軍家綱を補佐しました。

発想の転換によるユニークな政策を次々と実行したことで有名な方。
カッコイイです。


保科肥後守お袖帳」 中村彰彦

保科正之の活躍を描く連作集。

「家光の生母、お江与の方の刺客からいかにして逃れたか」「明歴の大火後の危機管理の手際」、さらには殺人事件の謎解きまで。何から何までカッコイイ! 正之ファン必読の1冊です。


偽史日本伝 清水義範

日本史上の事件、エピソードを様々にアレンジしたパロディ本。

なかでも「人殺し将軍」は、八代将軍吉宗が将軍位に登り詰めるまでにその周りで起きた不可解な死を扱った,日本史ファンには「さすが」と思わせる着眼点の一編です。(吉宗のまわりで起こった、彼にとってひたすら都合のよい連続死については江戸時代からいろいろな噂があったらしいですが)

お薦めは「大騒ぎの日」。蘇我入鹿暗殺当日の刻々と移り変わる状況を、ニュースやワイドショーのパロディで中継して行く内容なのですが、歴史の面白さが凝縮されてるような一編です。

歴史を楽しめるかどうかという時に、事件のひとつひとつの経過をその時その時の視点で見ることが出来るかどうかという事は大きいと思います。既に結果のわかっている話と思ってしまうと、つまらなくなってしまうんですよね。


 

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