宇宙船の作り方(太陽系内構造物移動原理)

 

太陽光のエネルギーは感じても(暖かい、暑い)圧力は感じない(本当は押されているのだがあまりに微弱な力であるため押されている気がしない)

光はエネルギーと共に運動量を持っており運動質量をm=E/c^2とすれば運動量は速度を掛けたm c =E/c

E=hνのエネルギーを持つ光子の運動量Pは P= h/λ= h/( c/ν) =hν/c= E/c

光を完全に吸収する場合の1kw/m^2の光の圧力は1000/(3×10^8)=3.33×10^-6 N/m^2=3.26×10^-7  kgf/m^2

光が来た方向に完全反射すれば6.66×10^-6 N/m^2

このように光の圧力はきわめて微弱なものであるが離れた物体にエネルギーと運動量を送る方法としては光しかない。

感覚をつかむため光でなく密度ρの物質が1kw/m^2で流れている場合を考えてみよう。 (1/2)ρv^3=1000からv^3=2000/ρ

= (2000/ρ)^ (1/3)

ρ=1.2 kg/m^3の空気の場合 1kw/m^2に相当する気流の速度は11.86 m/s 

平板等で気流を完全に遮ると気流の中心部での圧力は気流の動圧で(1/2)ρv^2=1.2×11.86^2/2=84.4 N/m^2

気流が平板に当たることで気流が広がり圧力の加わる部分の面積が広がり平板にかかる力を気流の元の断面積で割った圧力は

動圧の2倍となり84.4×2=169  N/m^2  気流の圧力を感じることが出来る。

なお11.86 m/sは42.7 km/hであるから時速42.7 kmでバイクで走っても良い。

ρ=1000 kg/m^3の水の場合 1kw /m^2に相当する水流の速度は1.26 m/s 水流の動圧は (1/2) ρv^2=1000×1.26^2/2=794  N/m^2

平板にかかる力を水流の元の断面積で割った圧力は794×2=1590  N/m^2 よろめくかも知れない。

なお1.26 m/sは4.54 km/hであるからプールの中を時速4.54 kmで歩いても体感できる。

太陽系内の構造物には角運動量保存則があるので例えば小惑星を足場にしてカタパルトで構造物を太陽系の順回転方向に打ち出すと

構造物は速度が上がって上の軌道に上がって行くが小惑星は速度が落ちて下の軌道に落ちて行く。

逆の場合には構造物が下がって小惑星は上がって行く。

ロケットが宇宙空間で太陽系の逆回転方向にガスを噴出し太陽系の順回転方向に速度を増して高位軌道に上がると

噴出されたガスは速度が落ちて低位軌道に落ちる(通常噴出されるガスの速度はロケットの公転速度に比べると低いので)。

逆の場合にはロケットが下がって噴出ガスが上がって行く。

この点太陽から出てくる光は太陽系の外に捨てられる廃棄物なので構造物に付けた鏡で反射された光がどこへ行くかというような事に

気を使う必要がない。力は弱いが継続時間は無限と言ってもよいほどあるので長い間には大きな角運動量変化をもたらす事が出来る。

 

テキスト版トップへ