卵の作り方 (雑談)

 

ようこそここへおいでくださいました。さしあたり雑談的な事しか書いてないのは当然の事ですが。卵を作る話の前に卵の核は精子の核の代用品としてすぐ使えるだろうと昔から想像していたのですが04年の上半期にネズミで実験に成功したと言う報道が有りました。

哺乳類の卵の場合は精子の核らしさを持った核と卵子の核らしさを持った核が揃わないと発生を始めないという話です。

精子の核らしさとは何か、どうやって卵の核に精子の核らしさを持たせるのかについて多少書いた雑誌があったのですが後で読もうと思ってほったらかしていたところ見失ってしまいました。何かで見ることが出来たらここに記す事にします。

早く走る為に細胞質を捨ててしまった精子から卵を作る事はもはや不可能であろうがひょっとしたら精子の核を卵の核に改造出来るかも知れない。

精子の核は減数分裂で一倍体になっているのでその点は都合が良い。精子の種になる細胞は卵子の種になる細胞にもなれる始原生殖細胞が変化した物であるからわずかな操作で卵子の種になる細胞に変える事が出来るかもしれない。

 

06年夏 皮膚から万能細胞を作る事に成功

京都大学再生医科学研究所はマウスの尾から採取した繊維芽細胞にレトロウイルスを使って4個の遺伝子(Oct3/4,Sox2,c-Myc,Klf4)を核内に組み込むとES細胞に似た性質を持つ細胞になる事を見出し、

出来た細胞にiPS細胞(induced Pluripotent  Stem Cell 細胞誘導多能性幹細胞)と名づけた。

研究所ではES細胞の中で特に活発に活動している遺伝子の中から24個の遺伝子に注目し24個全部を組み込んで見たところiPS細胞になったので絞込みを行って4個の遺伝子が必須であることがわかったのだそうです。

もちろんこの4個の遺伝子は繊維芽細胞にもともと存在しているものなのだが封印されて活動できない状態にある。それに対して追加した遺伝子は活動出来るのであろう

レトロウイルスというのは本体がRNAのウイルスで細胞の中に入り込むとRNAを直接複写してRNA作って増えるのではなく持っている逆転写酵素でウイルスのRNAに相補的なDNAを作り、出来たDNAを宿主の核内に送りこむと

組み込まれたDNAが通常のルートでウイルスのRNAと蛋白質を作り出来た生成物が合体してウイルスになり細胞外に出て行って次の細胞の中に入り込むというやり方で増えるウイルスです。

レトロというのは通常使われる昔風のという意味ではなくて逆のという意味でRNAからDNAを作る逆転写を行うウイルスだということです。

ウイルスの増殖力を無くしてウイルスに目的の遺伝子を付加しておけば遺伝子を細胞核に送り込む道具として使える。

ただ逆転写で作られたDNAは染色体のどこにでも入って行くものなのだろうか。積極的にDNAを切ってつなぎ込むのだろうか。素人にはよくわかりませんよね。

初期の胚から取り出した細胞がなんの細胞にでもなれると言う全分化能を持っているという事は当たり前の事で何故ことさらES細胞(Embryonic Stem Cell)と呼んで注目を集めたのかといいますと

繊維芽細胞などをフィーダー細胞としてその上にES細胞乗せて培養条件等を調整して培養すれば全分化能を保った状態のまま増やす事が出来る事がわかって

欲しい人にはいくらでも分けてあげる事が出来るようになった事が画期的であったためです。

繊維芽細胞がiPS細胞になる歩留まりは1000個に1個程度と低いがシャーレの中に繊維芽細胞を100万個程度に増やしておいて組み込んだレトロウイルスをふりかければ1000個のiPS細胞が得られる計算になる。

 

奈留子の里へ