‘10 08月号 #61 LESSON5 A |
「ジャイロはこのために…」 愛馬スローダンサーに蹴られて宙に浮いたジョニィがタスクを構える。 ボオワオオン 衝撃が次元の壁を貫通して大統領とD4Cの顔に幾筋もの切り傷が刻まれる。 「チュ…」「チュ…チュミミィイイン」 「『爪(タスク)・ACT4』だ」 上半身をこじいれるクルース。 「ガボォッ ガボッ」「こ…ここはッ!!」 この世界でも大統領はジョニィと闘っていた。 ズバ ズバ カシャ カシャ ズバ カシャン グルウウウー―ッ D4Cの身体が次々と輪切りになっていく。まるでゆで卵スライサーに掛けられたかのようである。そして180度回転する。 「かっ!!」「くあああっ」 別の平行世界に跳ぶ大統領。さっそくD4Cを禅譲する。 「これはジャイロの不完全な楕円球のとは違うッ!!」「これはどこまで?」 |
今週のめい言 「ありがとう… それしか言う言葉がみつからない」 |
○感謝…!友に、親に、仲間に…やがて逆境にも、そして自分を襲う敵にも。LESSON6のテーマは感謝であろうか?例え敗北すれども、後に闘うジョニィの勝率をあげるために果敢に挑んだジャイロ。ありがとう…そしてさようなら。 ○「馬のパワー+回転術」=「鐙回術」は単に馬を走らせて馬上から鉄球を投げるというものではない。馬の走行姿勢(フォーム)を黄金長方形としたそのパワーを鐙(あぶみ)を通して自らの黄金回転の鉄球投擲に加えるというものです。その結果、生み出される鉄球は重騎兵を相手には強固な盾と重厚な甲冑を砕く。そして断絶された空間の壁にも有効に作用します。その能力の名は「ボール・ブレイカー」。 ○対してLESSON5を元に行われたジョニィの鐙回術はどうか?黄金長方形の姿勢どころか首を切られて倒れた死に体の姿勢で蹴飛ばされてもそれは黄金回転にはつながらない。これは鉄球の回転によって馬体が動いたところがミソなのでしょう。回転術によって蹴り出されたパワーは、そのままジョニィに「黄金回転のパワー」を伝えます。そのパワーをさらに爪を黄金回転させることに利用して「タスク Act.4」を完成させたと推測されます。 ○つまり、ジャイロとジョニィの鐙回術は「黄金回転に黄金回転を相乗させる」ことと「馬のパワーを利用する」ことにおいて共通しているが、実は微妙な差異があります。LESSON5の真意とはこの差異を教えることだったのでしょう。 ○「小さい頃はあんなに可愛かったのに…」という両親の気持ちがボンヤリとわかります……あんなにゴリゴリとしたクルースを見ると。『遺体の左腕』の聖霊として登場したが、ジョニィと旅を続けるうちに『遺体の左腕』にではなくジョニィ自身につくようになる。そしてタスクの成長と共に可愛くなくなってくると……。ついには接近パワー型タイプとなりクルース自身の拳でD4Cをゴッツンゴッツン殴っています。小さい頃はあんなに可愛かったのに〜〜。 ○クリーン・ヒットはD4Cの顔面への一発だけのように見えますが、D4Cへの効果は次元を越えて作用し続けます。距離という概念を越えて能力射程は無限大です。 ○「生け贄」の話をしている時にジョニィに土を掛けていたことの因果応報のように、地面に空いた穴の中で生き埋めにされ続ける大統領。鐙回術タスクによりD4Cには「穴に落ちて生き埋めになり続ける」という行動を繰り返すように能力を刻み込まれてしまいました。大統領がD4Cを他の平行世界のヴァレンタインに禅譲してもその効果は終わらず、次から次へとヴァレンタインを生き埋めにし続けます。 ○行動を操られる瞬間、ゆで卵スライサーに掛けられたように輪切りになったかと思えばクルクルと回転して穴の中に落ちていく。D4Cのヴィジョンが変わったのは、この輪切りを描きやすくするためなのではないだろうか…とも思えるデザインです。ホルマリン漬けになったソルベもビックリです。 ○この能力を終わらせるのは実に簡単です。大統領がD4Cを禅譲するのを止めればいい。「ナプキンをとってこの世のルールを作る」という野望を諦めれば……安らかに眠れます。それでも無限の地獄を続けるか…? ○ところで、馬の交換が禁止されているSBRレースにおいて馬を失うことは失格を意味します。ジョニィの愛馬スローダンサーの首の傷が浅いことを祈るのみであります。まさか代わりの馬を平行世界から連れてくるわけにもいかないだろうし…。大統領との闘いも気になるが、SBRレースの先行きも大いに気になります。 |