‘10 03月号 #56 正義と邪悪B |
「何…『ルーシー』は動かされている…」「列車の外に…あいつは」 「連れ出してやってくれ…」荒い息の元に哀願するスティール氏。 ジョニィが動いていることを確認するジャイロ。そしてヴァルキリーを疾駆させるッ!!! 走り去るジャイロを睨む大統領。スティール氏の顎を掴み、吊り上げる。 「うう…う…」 「ま…まただッ!『黄金長方形』だ!」「ジャイロの鉄球は半分成功している!!これは馬の力を利用した『黄金の回転』だッ!!」 |
今月のめい言 「何かがッ!!」 |
○何が起きているのか!?冒頭においてD4Cの秘密の一端が明かされています。「鐙回術(馬のパワー+回転術)」が何故『スキ間』に潜む大統領に影響を与えるのか? ○全ては「重力」が鍵である!次元を越えるD4C/大統領を維持する「重力」という力。逆に言えば「重力」は次元を越えて作用する力ということであります。「鐙回術」はいかなる理論であるのかは不詳ですが、重力を強く発する攻撃が可能になるということです。『スキ間』という亜空間に入り攻撃を遮断する大統領に対して、次元/空間を越えた攻撃を当てられるようになります。最初は毛髪数本、今回は耳たぶを千切り引きずり出しました。このまま行けばもっと大事な部分や器官、それこそ『遺体の心臓』さえも引きずり出せるかもしれません。 ○スティール氏とルーシーの物語はSBR16巻に詳しく載っています。父親の借金のカタにマフィアに売られるところを、スティール氏の機転でルーシーは暗黒街に落ちるところを救われました。形だけの夫婦となったわけで、スティール氏曰く「君はいつか誰かに恋をして、家を出たい時にいつでも出て行けばいい」。ルーシーに対する無償の愛を誓い、それを実行するスティール氏。その本気度はこの最終決戦のさ中でも変わりません。生命を落としかけているルーシーを大統領から引き離すことで好転することに気付くと、自身の危険を顧みない救出を行います。 ○「おまえなんかの薄っぺらな志などどうでもいい事だ」。例え、大統領にとっても薄っぺらでもその根本となる感情/思考は我々の胸を打つものです。薄っぺらでも何枚も重ねれば剛くなる。ましてそれが薄くても本物ならば…!事実、事態は大統領の思惑通りには全く進んでいない。 ○ジョニィの人生において「白いネズミ」というのは良い感情を持てるものではないでしょう。兄の死の象徴であり、ゲティスバーグではトラウマをあおられている。しかし今回は、(ジョニィは気付いていないようですが)ジョニィの生命を間一髪で救うのに関与した一つの原因として、大統領が白いネズミに気をとられたということがあります。もちろんダニー(ジョニィが飼っていたネズミ)ではないでしょうが、やはり一概に良し悪しとは言い切れない縁や因果があるようです。これを呪縛と言うべきか?それとも人生の不可思議なのか? ○縮地の効果で「大西洋」も迫ってきている。大統領曰く「すでに追いつめられている」「大西洋がとり囲んで来ている」。サンディエゴの太平洋海岸からスタートしたレースだが、ついに大西洋に到着しつつある。西の果てから始まり、東の果てで決着をつける。大統領はジャイロを海岸線に追いつめたと思っているようだが、ジョニィを仕留め損ねたことにより逆に追いかけられる形になり、問題なのはそれに気づいていないことでもある。つまりジャイロとジョニィによって大統領を挟撃することになる。ましてアキレスの如く自分は無敵であると思いこんでいる大統領が、その踵を鐙回術という矢で貫かれるのは目に見えるようである。…が、追いつめられてからの大統領が手強いのはDioとの戦闘を例にとれば理解できることである。勝負の天秤はどちらに傾くのか?刮目せよッ!! |