‘09 09月号 #50 弱点の証明 |
ガッシュ ガッシュ ガッシュ…… 客車のドアの取っ手に手を掛けるDio。 ゴゴゴゴゴゴ そして戦闘は突然にッ!! ドヒャア ドヒャアアアアア Dioの手刀と貫手が雨霰のように降り注ぐ! スパァ ついにDioの手刀が喉笛を切り裂くッ!!
ガァァン!! タンスの引き出しが突如飛び出しH・Pを壁に向かって弾く。 『連れて来た……(3対2)だ)』 「『4人』だ。『そうだよな…Dio』!?これがDioの見つけた『D4C』の能力の『弱点』!」 グワシャァアアン 大統領が列車の窓をブチ破り外に飛び出す。Dioも追いかけて外に飛び出す。 |
今月のめい言 「WRYYYYYYYY」 |
○H・P―自分が助かるために弟を犠牲にしたという罪に囚われ、それを償うためにヴァチカンに仕える。自分の罪の苦しみからヴァチカンの走狗となり『遺体』探しに奔走する彼女には、キリスト教の暗黒面である「罪悪感を煽って信仰を強化させる」が濃厚に見てとれる。彼女が『遺体』奪取に成功しても、彼女の背後にいる聖なる方々が彼女に報いることはないだろう。キリスト教と男装の麗人、ジャンヌ・ダルクを思い出します。ジャンヌの最期も聖なる方々の裏切りによってである。 ○Dio―幼いころに理不尽な仕打ちが原因で母親が夭逝したことによりこの世界全てを憎む。馬術の才能でのし上がってもその思いは変わらない。世界を制する力を手に入れて、森羅万象を支配しても彼は満足しないだろう。Dioの心の根底にあるのは人間/世界への「怒り」と「憎しみ」であり、彼は支配しても叩き潰さずにはいられない。Dioが『遺体』の力を手に入れた時、それは世界が暗黒に塗りつぶされる時である。 ○Dioが察していたD4Cの能力の弱点とは「必ずこの基本世界に戻って来る」と「大統領たちの思考リンクのスキマをつく」というもの。前者に関しては、私は隣の世界から帰還する時になんらかの兆候があり、Dioがそれを見つけていて帰還の瞬間を狙い撃ちにするのではないかと予想していたのですがそこまで有利な展開にはならなかったです。後者はこの闘いに限らず、多勢で襲ってくる敵には有効な戦術です。ここまで成功したのは、同じ顔が並んでいたのとH・Pのスタンド能力のおかげでもあります。 ○隣りの世界の自分―文字通り同胞を殺され、自分自身も浅からぬ負傷をした最後の大統領が列車外へガラスを突き破って飛び出す。それを追ったDioが「ガラスの破片と大地に挟まれる」行為を阻止するために躍動、大統領の喉笛に手刀を突き立てる。 ○しかし待ってほしい…!本当に大統領は「3人」だけなのでしょうか?実はDioをおびきよせるためだとしたら。トドメを刺したがっているDioがつられて外に飛び出すのは容易に予想できます。このことにより、Dioを『遺体』から引き離すことも出来るし、大統領打倒の立役者であるH・Pを孤立させ始末することもできる。そう…次号はH・Pの安否が非常に気に掛かる。4人目、5人目それ以上の大統領がH・Pを襲う可能性は大であろう。 ○そういえば、3人の大統領は皆スタンドを持っているようである。持っているだけ?次元を越えられるのは基本世界の1人のみということだから、隣りの世界のD4Cは接近戦も弱小なうえに隣の世界に逃げることも出来ないという悲しい感じのスタンド能力になっています。 ○「「ブッ殺す」と思った時にはすでに行動は終わっている」。かのプロシュート兄貴が言ったジョジョ界屈指の名言である。思わず行動が終わっていないのに「ブッ殺す」と言ってしまったDioはまだまだ未熟というところか。少年漫画の中では列車で闘う、特に屋根の上に登って疾駆する中で闘うというシチュエーションは垂涎ものであるらしい。列車での戦闘が時を経てこの7部でも再び展開されていますが、果たして屋根の上の決闘は行われるかどうかも密かな楽しみです。ではまた来月ッ!! |