螺旋が生み出すイメージは、生命の躍動感である。中心から外へ向かって、果てしなく拡大してゆく姿は「発展」や「成長」といった言葉に結びつく。 桜井進「雪月花の数学」より抜粋 |
‘06 12月号 #20 黄金の回転へ! |
「これはッ!」「この回転は………!!」 ドゴオォ ジョニィが弾爪を発射する。音が違う!弾爪は川面に命中! ドゴオォ 第二弾を発射。土手に命中しコーン畑を切り崩してしまう。そして隠れていたサンドマンの姿を晒させる。 ドゴオオー――ン ヒュン!ヒュン! 『ううっ、はじかれたッ……!!?『黄金の回転』を』
『ついに『宿命』が追いついて来た。兄さんの『借りを返せ』…と。今、追いつかれたんだ…』 ドムッ 「グッ…」 ドッバアァムッ ライナーの一匹が破裂する。それにつれてジョニィを包囲していた文字の一部が霧散する。 ズンムッ 続いてサンドマンにも異変が…。サンドマンの右足の甲を何かが移動している。 「こ……これはッ……!!」 ドゴオーーン ライナーに向けて再び新型・弾爪を発射するジョニィ。 ドバ ドバ ドバ ドバ ドバ 続け様に5発発射するジョニィ。縦横無尽の穴がライナーを破壊する。これで文字の危機も去ったはずだ。 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド そしてついにその姿を顕わすサンドマンのスタンド……。右手がチラリと見えたのが約3年前。ついにその全貌を顕わしたスタンド。 「『LESSON 4』……敬意を払え」ジョニィが呟く。「サンドマン……」 「あと『2発』……『爪弾』は他の指にはもうない。あと2発しか出ない……」 ドゴォ ズバァ 最後の一発をジョニィが撃つやいなや、短刀を振りその切り裂き音を実体化し盾とする。がッ!! グオオオオ 穴が背中から前面に移動してくる。蛇がのたうつように胸に迫る。 シルシルシルシルシルシル… 「ジャイロのベルトの『バックル』だ…さっきすでに、ぼくの指に『爪』のあるうちに…この『バックル』を削って鉄球を作った…おまえのその残った方の手の指を少しでも動かしたら発射する…。この間合いだ。必ず致命傷になる」 ………。………。………。 ドシュアァア ドゴオン サイレント・ウェイの左拳がジョニィを砕く前に、ジョニィが放った鉄球がサウンドマンの喉を砕く。 「う…う、ジャイロ…う…ジャイロ……」 立ち去ろうとするホット・パンツが、ジョニィの足が微かに動くの目撃する。 「は!」 |
今月のめい言 「幸せになってほしい… オレの祈りは…それだけだ」 |
○黄金の回転を得てパワーアップしたタスク=弾爪。爪が「指を軸にドリルみたいに回って」おり威力はもちろんアップ。しかもファースト・タスクのように物質を削って加工することも可能。特筆すべきは弾爪が開けた弾痕の『穴』も能力であること。『穴』自体が誘導弾になっており7〜8秒の間は標的を追いかける。そして時間切れになると爆ぜるように辺りを破壊する。弾数が両手の指の数である10発限定となってしまったようであるが、足の爪はどうなるのか気になるところである。またどれ位の時間で爪が復活するのかも今後の戦術に影響するだろう。 ○対してサンドマンのスタンド「イン・ア・サイレント・ウェイ」(以後、サイレント・ウェイ)は音を擬音の文字として実体化させることが能力。その文字に触れたものは、擬音文字が表す効果を身に受けることになる。久しぶりに登場した人型のスタンド(オエコモバ以来…このスタンドとて人型のメリットはなかったが)、このヴィジョンはメキシコの骸骨祭りを思い出させる。 ○惜しくも今月号でその命を散らしたサンドマン。SBR第一話では主人公級の活躍をし、レースそのものでは各STAGEの上位に食い込み、現在の段階で総合1位でありました。彼が消えることでレースが大荒れになることは間違いないでしょう。「敵を知り己を知れば百戦百勝」の格言のように、部族の奪われた土地を「白人のやり方で白人から取り戻そう」としました。恐るべき知能の高さと精神の柔軟さを我々に見せつけ、カリスマを発揮した彼…。白人のやり方=「金」を得るために大統領側についたとしても―我々は多分なショックを受けたとはいえ―彼をどうして責められるでしょうか。生きるためには苦い豆をかじらなければならない、何とも複雑な感情を持たずにはいられません。 ○そして今月のめい言。泣く…私は泣く…。「金、名声…しかし最後に残るのは家族である」とはどこかの国の俳優が言った言葉であったが、自分の目的のために道を歩んだ…いや走ったサンドマン、そのことの是非などは関係なく後悔はしていないが、唯唯、姉が心配であり幸せを祈っているというのは泣かされます。サンドマンに合掌…。 ○1つ謎が解ければまた顕れる謎。なんとジャイロの故国―ネアポリス王国とつながっていたホット・パンツ。ジョニィから『脊髄』を奪ってしまい『王国の紋章』がついた袋に納めてしまいました。しかしJ&Jと敵対しているというワケでもなく、『左腕』は奪わずJ&Jの傷を治してしまいました。しかも、単なる仕事ということでもなく、何やら複雑な背景がある模様…。 ○ここで非常に怪しくなってくるネアポリス王国。ヴァチカン公国(正確には教皇領)の警備を源流とした国である。ということはヴァチカンと深い繋がりがあると思われる。率直に言うと、SBRレースに『聖人の遺体』が絡んできたところから、第三勢力としてヴァチカン…イコールとしてネアポリス王国が陰謀を持って参戦してきたのでは…と邪推してしまうのはどうでしょうか? ○絶対の正義はない!キリスト教(正確にはカトリック)の総本山だからってヴァチカンが清く正しいと思っている人は大間違いです。十字軍の侵攻、ホロコーストの黙認、プロテスタントの圧殺、ムッソリーニとの取引…。そして、この正義のブツカリアイこそが人間の原罪であり、悲しさである。しかし同時に読み物としては大変に面白いものであり、そこに矛盾を感じたりするのですが…。 ○何を書いているのか解らなくなってきたので今月はこれまで!ではでは。 |