‘05 10月号
#6 ディエゴ・ブランドーB


そこはイギリスの―――


とても貧しい土地の――とても貧しい生活と人々――
その農村に生まれたばかりの男の子の両親は――
あまりの貧しい生活に疲れ果て――
ある日の夜中、山へ行くと地面にひとつの穴を掘り―――
その眠っている赤ん坊を白い布でくるみ穴の中に入れた
―――そしてこの世のどこにも生まれては来なかった事にした
だがしばらくすると雨が降り――
河の水かさが増してあふれ出した

 イギリスの田舎。1組の夫婦が夜の闇にまぎれて間引きを行なった。
どうしようもない貧しさの中、こんなことは特別ではない……特別ではない。
やがて豪雨が夫婦を打つ。その時、妻の方が何かに気付く。

「あああ!!ディエゴッ!!」
「おまえ、赤んぼに名前なんか付けていたのかッ!!行くなッ!あれはとっくに死んでいるッ!」
「生活に余裕さえできれば赤んぼなんていくらでも作れるッ!いつかまた作ろう!赤んぼは事故で死んだんだ。川で流されて死んだ事にするんだ」
 先ほど埋めたはずの白い布がなんと川を流れている。間違いない…白い布から小さな腕がのぞいている。
「あたしたち間違っていた!お金なんていらないッ!あなたがお酒さえやめれば!」
「なんだと!てめえッ!女のくせに亭主の事をさげすむのかッ!」
 そして妻を殴りつける。ひどい夫、ひどい男。
「ディエゴッ!!ディオッ―――!」
 妻は水かさが増した川に飛び込み赤子のDioを掬い上げる。
ク…クハ!ガボ!
 小さな呻き声と共に水を吐き出すDio。
「ああ〜〜〜〜っ、い…生きているわ……!なんて命の力の強い子!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!もう二度と!……決してしない!ありがとう神さま!!ありがとう」

雨がやみ、川のはるか下流で母と子が気を失って倒れているところを
農場に勤める男に偶然救われると
女は姓を「ブランドー」と変えた
そしてその農場で雑用の仕事についた

 祝福はなかったが愛はあった。Dioの誕生直後のエピソードである。

ディエゴ・ブランドーは5歳になり
そしてその時すでに馬を世話する仕事についていた
だが貧しさはどこまでも変わらなかった

「ディオ?おまえやせた?ほら!母さんの分もお食べ」
「おなかいっぱいさぁーーーーっ」「背が伸びただけ…やせてなんかいないよ」
 5歳に成長したDio。利発そうな子どもであり、前髪の丸まり具合がジョルノを感じさせる。

「や……やめてください。や…やめて!」
  いきなり濡場ッ!でもDio母は男を拒絶する。
「妻子あるあなたと付き合うなんてもし息子が知ったら子供ながらどう思うか」
 アッサリと引き上げるDio母子の恩人。意外と良いヤツなのか…と思いきや……。
「ぼ!ぼくの食器に穴が開いている……か…母さんのもだ…なぜ?誰が?」
 もちろんあの男しか考えらず、しかも御丁寧に食事係である。
配給されるシチューをどうやってもDioにあげようとしない。もちろん、この裏の思惑にはDio母の身体を要求しているのである。
「母さん、ぼくぜんぜんおなか空いていないから」「でもいい事思いついたぞ」
「クツがあるよ、この中へ…このクツの中にシチューをそそいでもらおうよ!スゲー考えだ!」
バシィ
 Dioの頬をはたく母。そしてスッと再びシチュー鍋の方に行き…合わせた両手を出す。
「どうぞ…シチューをいただけますか?かまいません…この手の中へ…」
「そそいでいただけますか?ディオの分を…」
 気圧されながらも、もはや後にひけない男もDio母の手にシチューをそそぐ。

やめろォー―――ッ

「母さん手を離して!!早く離してッ!ぼくはおなかなんて空いていないッ!」
 熱々のシチューを受けた両手は火傷を起こしている。
「どんなに貧しくても気高さだけは忘れてはいけない」
「明日はどうするの?あさっては?次の日は?これを食べて大きくなりなさい……そして強くなって……もっと大きくなって……そうなって……お母さんのことを守ってね………」
「来月になったら食器を買いましょう。それまでは…さあ…これを食べなさい」
ううっ!!うううううー――――――ッ
 号泣しながら母親の手のシチューを貪るディオ。しかし本当の悲劇はこれからであった。

ディエゴ・ブランドーの母親はその後、働いて働いて
そして1年後、破傷風という病気でたった23歳の生涯を終えた
Dioは母の手のヤケドの傷から入った菌が悪い病気を
運んできたと信じ、あの『男』が母親を殺した原因と直感的に理解した
そしてDioは成長すると共にこう自分に誓いを立てた
「あの『男』は必ず探し出して復讐してやる」と!
「そして父親のわからない子供を生んだからといってただ傍観していただけの
無関心な農場のヤツら!お前らはただ母親を見捨てた」
「母と自分を捨て去ったどこかにいる父親も!農場の領主も!決して許さないッ」
「どいつもこいつも!有罪だ!」

「くそ田舎者どもッ!オレは必ず社会の頂点に立ってみせる!」
「そしてオレを邪魔するヤツらは靴の中にシチューをもらうことより
もっと屈辱的に『誇り』を切り裂いて地面の上をはいつくばらしてやるぜッ!」
ディオの母は息を引き取る前に我が子にこう言い残した
「悲しまないで全ては私の罪。あなたが悪いんじゃあない。
でもディエゴ…この農場のどんなあばれ馬でさえおまえが近づくと
言う事を聞いておまえの手から餌をもらって食べている。
もう少し大きくなったら馬の背中に乗ってみるといい……
それがお前の才能だよ………」

 Dioの過去…貧窮ゆえの悲劇。しかし我々はDioのことを「可哀想」だと言ってはいけない。
心の中で思っても口にだしてはいけない。なぜなら我々もDioを蹴飛ばした世界の一員であるから。
そしてどんな悲劇が根底にあるとしても、犯した罪は罪。罰が巡るのを見守らなければならない。
 そんな真理を知ってか知らずか、Dioはその才能でのしあがることを決意する。

「スティール・ボール・レン・レースでの栄光ッ!それはイギリス王室さえも動かす権力ッ!」
それを掴むためにはいかなる手段も厭わないッ!

ギャアアアアー――――ス
 満月を背にディオナソーが再び雄叫びをあげる。Dioの引き裂かれた心のように、夜を引き裂く咆哮が轟くッ!!
「GOッ!ジョニィGOッ!Dioが戻って来た!!奥へ行けッ!」
「排水溝で向こう側へまわるんだッ!」
 鉄球術により身体をグニョグニョにして鉄柵の向こうの排水溝へと進むジャイロ&ジョニィ。
ディオナソーは鉄柵に阻まれて侵入はできない。
「なんなんだ!?Dioの能力ッ!ヤツが喰い殺した熊ッ!熊まで恐竜化したッ!!」
 驚き続けるジョニィ。
「あの北斗七星の『岩山』はそこの谷を渡った真向かいの崖だ!!おそらく『遺体』はあの頂上の窪みにあるッ!登るまでたったの200か300メートルだろう!!このまま外に出たら崖を下って闇にまぎれて谷を越えるぞ!!」
 ジャイロが解いた「movere crus」の謎。
「ああ!…あの山から先に『遺体』を手に入れてここをおさらばだッ!」「だけどジャイロ!ぼくたちの馬はどうする!?」
「…馬はッ!Dioに喰われてしまうッ!」
 さすがにレース中だけあって愛馬の心配をするジョニィ。
「いや!ヤツはそんな事はしねーな!Dioの目的はおまえさんの『左腕』と…オレらの命だ」
「しかも騎手としてのし上がって来たヤツが馬に対し殺すなんて事はしない!」
「朝になったら『ヴァルキリー』の方がここを出てオレらを見つける」
 何気ない言葉であるがこの物語の聖域を表しています。この物語において乗馬が傷つくことはないということでしょう。
ただし!もし馬を傷つける者がいた場合、そいつは死ぬ以上の苦痛を受ける…例えば5ページに渡って殴り続けられるとかね。

カサカサ
 その時、後ろから何かが来るッ!
「おい、なんだあああッ!!『小さい』ヤツが入って来たぞォーーーッ!」
「恐竜だッ!小さくても恐竜だッ!Dioのヤツが送り込んで来やがったッ!」
 小さな恐竜が3匹せまる。
ドバ ドバドバ ドバドバ
「こいつらも動体視力ッ!!全然『爪弾(タスク)』が命中しないッ!」
 足から発した弾(たま)だが俊敏な動作でよけられる。
「うおおッ!小便をかけられた!」
 そして喰いつかれるジャイロ&ジョニィ。奥に目をやればさらに追加の小恐竜が数匹見える!!
「ま…また来るぞッ!臭いだッ!自分らの小便の臭いを追ってくるッ!」
 しかしここでジャイロが鉄球を発動。狭い排水溝内部を螺旋の形で走らせ小恐竜を撃退する!
「鼠だッ!」ジャイロ。「おっ死んだらよォ!元に戻った!この『小っこい』ものはドブ鼠が恐竜にされたものだ」
 熊だけではなく鼠まで!元の動物の大きさに比例している恐竜化。
この時、またも奥からガサガサという音が聞えてきた。
「ジョニィ早く出ろッ!排水溝から出ろッ!次のが来るッ!次の鼠をDioのやつに送り込まれるぞッ!」
「崖の岩陰にへばりつき絶対に動くなッ!ここは必ずやりすごしてからこの谷を降りなくてはならないッ!」
 しかし逡巡するジョニィ……。
「何してる!早く岩の下を降りろ!!」
「だ…だめだジャイロ」「い…行けな……い」
「崖の下へ……ぼくらはこの谷を越えてあの岩山へ行くことなんか出来ない…」
 目を疑うような光景…。ディオナソーと同じ大きさの恐竜が崖を登ってくる…しかも複数ッ!少なくはない数ッ!!
「か…囲まれているッ!あれは村人だ…村人たちも全員すでに恐竜にさせられていた」
「やすやすと崖を登ってくる…右からも左からも…」
「このDioの『能力』は…この村にいる者を人間も動物もみんな恐竜化して『支配下』におく事だったんだッ!」
 あの悲劇の村「ウィンド・ナイツ・ロッド」の再現…いやそれ以上か?人間だけではなく全ての動物がDioの下僕になるのだ!
波のように押し寄せる恐竜に加えさらなる魔手がジャイロ&ジョニィを襲うッ!!


「上からDioが来たぞー――ッ!」
 回りこんで来たディオナソーも崖の上から見下ろす。
「あわてんな…数がどんなに増えようとも…動かなければあいつらにはオレらが見えてねえことには変わりがねえッ!」
 もちろんこの声はヒソヒソ声である。
「だがジャイロ…Dioの目的が……村中全員を仲間にして…このぼくの『左腕』を……奪う事なら」
「おそらくDioの足で傷つけられると『恐竜化』が感染する……それはたとえカスリ傷でも感染する…」
 というジョニィだが何故に足なんだろう?恐竜化した熊は「噛み」殺されていたのだから唾液感染と考えるのが妥当なのでは…と思っていたら……。
ピシピシ…ジョニィの肌がひび割れて落ちる。この症状は!そして何とジャイロにも!!
「なにイィィーーーお…おれも」
 ジャイロの身体にも異変。肌がひび割れ、手(恐らく足も)の爪が変形する、そして口が大きく裂け始める。
「さっき小屋の台所でDioの足で首と腕をおさえつけられ、カスリ傷だが傷をつけられた!!君もぼくもだ!」
「すでに感染に入っているッ!まもなくぼくら恐竜化するッ!」
 村人恐竜が跋扈(ばっこ)する中…自らも恐竜化する恐怖。
「あとどのくらいもつと思う!?オレらが恐竜化する時間だッ!」
「もうだめだ!きっと3分ももたないッ!さっきの台所でのやりとりがDioにやられた『熊』の状況を見るとそうだッ!時間なんてもうないッ!」
 意外と冷静に状況を分析しているジョニィ。
「じゃあどうする?この状況?」
「おまえさんのその『左腕』を切り落として差し出し……命だけは救ってくださいとDioに許しを請うか?それともすぐにDioを倒せるか?つまり3分以内に『本体』のヤツをッ!」
 北斗七星のベータ星が丘の頂きにかかる。先ほどと位置が変わっていないのでまだ時間が経っていないことがわかる。
「Dioがまたあの『鼠』を放って来たぞォォォー――ッ」
 ヒュンヒュンと小恐竜がやってくる。
「動くな!ジョニィ、絶対動くな!」「ここはあんなの無視してろッ!!」
 そういうジャイロに不安いっぱいのジョニィ…何か絵をみるとジャイロに殴りかかっているように見えるんですけど(笑)。
「なに言っているんだッ!あいつらに『小便』をかけられたッ!それを追跡しているんだッ!『固定(ロック・オン)』されてるッ!」
「Dioはあの『小さいの』でぼくらの位置を見つけるつもりだ!」

 迫る小恐竜!
「ここは闘わないとやられるッ!すぐにヤツらをッ!」
「いや違うジョニィ。やる事はもうひとつある」
「オレらが3分以内にやる事は…あの崖の向こうの…『聖なる遺体』を手に入れる事だ!!」
「おまえのキズの進行がなんか遅くなっている…その左腕のウロコなんか消え失せているぞ。恐竜化が進んでいるのはオレだけだ。きっとおまえはその左腕の中に『遺体』を持っているからだ!」
「『遺体』の『聖なる力』が感染をくい止めているんだ!!」
「あの岩山の『次の遺体』を手に入れればッ!オレの方の恐竜化も無力化できるはずだ!!」
 その瞬間に小恐竜がジャイロ&ジョニィを見つけ噛み付く。そしてディオナソーと村人恐竜も!
「行くぞ!飛び降りるぞジョニィ!!」
 恐竜の群に動きが置き崖への道が開くッ!死の崖へつっぱしれッ!!だがジョセフの時と違い雪もツララもないぞ。
「走れッ!GO!ジョニィGO!」「GO!」「GO!」
 ジョニィを小脇に抱え崖へ飛び込む。飛びたい女・徐倫もビックリのスーサイド・ダイヴッ!
大丈夫なのかジャイロ?胸いっぱいの不安を抱えてジョニィも叫ぶ!
「なにやってんだぁあああああああ!飛び移れっこないッ!遠すぎるぅぅぅぅッー――――」
 思わず一緒に飛んでしまった恐竜も同じ考えであろう…「気持はわかるよ」とジョニィの肩をポンと叩く(←超ウソ)。
その時、ジャイロが鉄球を投げる。しかも右腕で同時に2つの鉄球を投げているという特殊な投げ方である。ミスタの2発同時発射に似ている。
鉄球は向こうの崖に生えている杉にぶち当たり、あっという間にロープの形状に変形させてしまう。
「そのとおりだ。跳び移れっこねえ!ただしヤツらにはな………。もっともDioが翼のある恐竜だってなら別だが…」
「そんなのはここにはいねえぜ!鉄球で削ったその『木の皮』につかまれ!」
 ビシイィィ と木の皮につかまる。
「Dioのヤツ、まだ追わせて来るぞッ!ヤツら崖を下って谷底から越えてくるつもりだッ!」
「恐竜とはいえここまで登るのに数分はかかるぜ!それよりも…」
 
たどりついたジョニィの左腕が示す場所。
「どうやらオレたちは間違ってなかったようだ。この場所で…!!」「正しかった」

サラサラサラ……ゴゴゴゴ

「地…地面の砂が動いている……下から…どういう原理なんだ?下から上へ」
 地面が水のように動く、水だとしても重力に逆らっているのは自然の摂理に反している。
「おまえさんの『左腕』に反応してるからじゃあねーのか…つーかよォー『遺体』が『遺体』に反応してるんだ!」
「おめーが近づいたから呼び合っている!2nd.STAGEん時と同じっつーなら!場所はスゲー近いぞッ!」
 遺体のパーツと遺体のパーツは引き付けあう…いや、1つになりたがっているということか。
「こ…ここの『岩々の並び』…まるで『手のひら』だ。『悪魔の手のひら』だ!ど…どこだ!?どこに次の遺体は埋まっている!」
 『遺体』と『悪魔の手のひら』の関係はよく解からないが、やはり何らかの縁はあるようである。
「登って来い!ジョニィッ!オレの体の方もヤバくなって来たッ!とっとと探してこんな山から早いとこ立ち去るんだッ!」
 顔面がもはやトカゲと化しているジャイロ。まじにヤバイ。
しかしジャイロの後方で異変が!流れる砂の中から彫像の様な物が顕れる。
「ジャイロ見ろ…上だ………君の上だ…!!なんだ…?それは…!?」
「…いや『石像』かと思ったが…あれは石像じゃあない……砂の下は『空洞』…」
「『空洞の形』に砂がかぶって汚れているだけ……」
「あれは『エネルギーの形』だ…。ス…『スタンド』『スタンドの形』!!」
 両手を胸の前で交差させているロボットのようなヴィジョン。
「『手の形』のところに何かあるぞッ!手に何か持っているッ!あったぞッ!中に何かあるッ!」
 新たな存在に首っ丈のジョニィだがジャイロの状態も一刻も許されない。
「ヤ…ヤバイ…い…意識が支配されそうだ……」
「あれは遺体だッ!」「遺体の一部ッ!次の遺体は『眼球』だッ!」
「手の中に眼球が左右あるッ!!」
 ジャイロにタイムリミットが迫る。
「て…手に入れろ。いよいよ恐竜になっちまいそうだ…だがオレらの勝ちだせ!!」
「ジョニィ!そこにあるなら早く…お前が行って手に入れてくれッ!」

ギャアアアアアアアアアース!
バギィ  グァシィ
 状況を見続けたディオナソーが再び咆哮を上げ、そして傍にいた村人恐竜2頭を崖に叩き落し、そして……
「おいジョニィ…あれは…ハッキリ見える。Dioが仲間を2頭突き落とした!崖から飛び降りたぞ……!!」

グワシィ   ドギャアアッ

 何と空中にいる2頭を踏み台にして崖を突破するディオナソー…スーパーマリオもビックリの離れ業である。もちろん2頭は崖下に落下。谷を渡ったディオナソーは、ジョニィよりもジャイロよりも遺体の近くに着地してしまう!!
 そして立ち上がると遺体の眼球を手に取る……。
「なにィィィイイイイイイッ!!Dioに『眼球』を盗られたッ!!」


今月のめい言

「どんなに貧しくても気高さだけは
 忘れてはいけない」


◎Dioの母親の名言。強く美しく…貧すれば鈍すると言うように普通は貧しければ誇りを失っていくものです。「気高さを忘れない」…これはかなりの精神と意志の力を持たなくてはできません。しかし皮肉なことにその気高さゆえにDioは…。

○どこの本で読んだか忘れたがこういう一文を見たことがある。(注:正確ではない文章です)「位の高い天使ほど堕落して悪魔になりやすい。天使は位が低いから堕(お)ちるのではない、その気高さゆえに堕ちるのである」。Dioもその「気高さ」ゆえに悪に堕ちたような悲哀を感じました。

◎ところで余談なんですけど、久しぶりにまともなめい言を書きました。先々月なんて「毒ヘビィィーー」でしたからね(笑)。

◎さらに余談。生まれたばかりの赤ん坊を土に埋めるなんて酷薄な親である……しかし手元にある資料を読んでみるとそうとも言えない面もあります。この時代のイギリスは、産業革命により物品の大量生産が可能になり大きな富が生まれましたがその恩恵に与かったのはほんの一握りの人たちでした。つまり貧富の差が激しかったということです。首都ロンドンでは人口の1/3が貧困にあえぎ、貧困ゆえに娼婦となる女性が少なくても5万人…これは1880年代のロンドン女性33人の内1人が娼婦だっということになるそうです。ロンドンがこんなんだから田舎ではさらに状況が厳しいことが推測されます。「貧乏ってツライね…母さん」というセリフはどの物語のものだったか忘れましたが、正しくその通りだったのでしょう。

◎そして1部のDIOと同様に小さな村を巻き込むDioの能力。人間/生物をやめさせ支配下におくところは両者そっくりです。でも今回の恐竜の方はDioが倒れれば元の村人に戻れそうな気がしますけど。

◎サスペンスの鬼才らしく今月のSBRは多彩な手練手管による追いつ逃げつがとても面白かったです。ジョジョの中での追走劇では“ハイウェイ・スター”のエピソードが最高だったと思っていますが、今月のSBRもそれに迫るできなのではないでしょうか?

◎そして判明した3rd.STAGEの遺体。両目、両眼球でした…これで1つということなのでしょうね。「心臓」「左腕」「両眼球」ときて残りは「右腕」「右脚」「左脚」「頭部」「背骨」「胸腹部」です。

◎ジャイロ&ジョニィよりも先に遺体を手に入れたDio…だけど恐竜感染を妨げる遺体のパワーによりDioは人間の姿にもどりそうですが。そのかわり遺体により新能力を身につけるのでは…遺体が両眼球だけに眼に関する能力でしょう…そしてジョニィのように恐らく飛び道具…。あっ!恐らく体液を高圧で眼から撃ち出す能力と予想ッ!!

ってそれはスペース・リパー・スティンギー・アイズじゃん!!

◎次回はDioが能力を手に入れた経緯が明かされるのでは。重傷を負ってスタンドを手に入れるのは『矢』のパターンですけど、そろそろジャイロ達がフィクサー(黒幕)の正体を薄々感づいてくるのではないでしょうか。では!

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