スターズ&ストライプスを背景に今回出演の3人が能力と共に紹介される。
『ジャイロ・ツェペリ』
能力名―― 鉄球bP 鉄球bQ
●鉄球を回転させることによりそのエネルギーで岩を削りとったり他動物の筋肉や皮膚を硬くしたり麻痺させたりできる。ジャイロ本人は「技術だ」と言っているが、それ以上の力となっているのは『悪魔の手のひら』という謎のパワー地帯を通過したからではないのか?射程飛投距離は20〜30メートル。
◎鉄球は能力名ではなく武器名では?それにしても元々鉄球に関しては驚くほど多岐にわたる性能を持っていましたが、『悪魔の手のひら』でさらにパワーアップしていたとは!
『ジョニィ・ジョースター』
スタンド名―― タスク
●両手両足の指の爪を回転して物を切ったり、弾丸のように発射できる。発射した爪は再成(再生のまちがい?)していくらでも補充できるようだ。射程距離は10メートル程度。また回転の摩擦により地面をけずるように移動できたりもする。
●『悪魔の手のひら』を通過した時ミイラ化した左腕がジョニィの左腕に取り憑いた。それが発現させているスタンド能力らしい。その左腕の守護精霊は右図のようなイメージ。そうジョニィには見えた。
◎「右図」というのはUJもしくはコミックで確認してください(笑)。
『ポーク・パイ・ハット小僧』
スタンド名―― ワイアード
●口の中にウインチのようにワイアーを巻きとる鋼鉄機械のようなスタンドがあり、ものすごいパワーでカギ針を巻きとる。馬一頭くらい持ち上げられるようだ。
●水をはった皿から異空間を通過しワイアーを上空から垂れて獲物をひっかける。昆虫や羽根など「餌」を針につければその「餌」の地点から獲物をひっかけられる。ワイアーは2本ある。
◎どこかで聞いたようなスタンド名ですが(笑)。ヅラヅラ言っていたゾンビ(本当は吸血鬼)のことは忘れましょう。
‘05 7月号
#3 大統領命令
「死体をさがせ」 B |
ドゥウン
ゴッ ドォーン ドズゥウン ドオオン ドズゥン ドズゥウン
ジョニィの周囲に向かって岩塊が次々と降り注ぐ。クソガキ改め小僧の仕業である。
たまらず飛び出てきた蛇が小僧のスタンドのフックによって2枚におろされ引き裂かれる。
たまに呼吸のため地表に顔を出しながら、徐々に小僧とジャイロのいる岩山に向かっている。
「ウイイイイイ」「イイイイインインイン」
「ギイイイイーーーッガシャア…グギギギゴギグガガベロベロオ」
「クソ野郎!どこ行ったァァァーーーッ!ブッ殺すッ!」
「ジオシュッター!カバ焼きみてーにひき裂いて必ずブッ殺してるぅうううううーーーッ!!」
ジョニィの姿を見失いちょっと壊れ気味の小僧。
「…とはいえよォ…クソおもしれえけど…かなりヤバイぞ」「見当もつかねえ!」
「まさか…オイラ!ジオシュターのやつを見失ったのかな…?土の中かな?どこかに隠れている事だけが確かな事で…」
「どうやってんのかまったくわからねえッ!あいつがこっちに向かって来てる感じはするんだが…砂漠のあっち方向へ逃げてるって考え方もあるからな……」
意外といろいろ考えている小僧であるが…。
「岩山まであと500メートルあまり…『敵』はどうも真上方向からしか見たり攻撃したり出来ないらしい…あの岩々も岩の陰を行けば……見つからずに登って行けるだろう!」
「しかもカギ針はどんどん離れていくッ!『敵』はぼくを完全に見失ったぞッ」
勝機は我にありッ!と感じたジョニィの耳に聞きなれた蹄の音が飛び込む。
「ブヒヒヒィィィィィーーーーン」
ジョニィの愛馬スロー・ダンサー≠ェフックの根本…疑似餌(ルアー)である羽根から放たれている。
「返してやるよォォ!ジオシュッター」「おまえの馬を返してやるぜェェ〜!!過酷なレースをいっしょに旅してきた愛馬をな!」
「馬は利口だし敏感だ!臭いとか呼吸の音とかでご主人のとこに戻りたがっているんじゃあねえのかッ!」
「馬の止まった位置がッ!……おまえの潜んでいる位置だッ!ジオシュッターッ!約束どおり引き裂いてやるからな!」
意外と賢いアイディアを持つ小僧。
『ぼくの馬に探させるとは…!!…バ…バレるッ!岩山まであと500mもあるこの場所でか…!?』
『心を決めなくては!ここで一騎打ちになるッ!ぼくの『爪弾』と!やつの『カギ針』がッ!』
バシャアアア
『……なんか流し落として来たぞ!ぬ…濡れているッ!!』
続いてマッチが落とされ……当然のように猛火が拡がる!
「つ…『爪』がとどかないッ!!炎の外ッ!ここからはヤツに向かって『爪弾』が撃てないッ!!」
「おっ!動いたぞ!あそこだ!やはり土の中にいたのか!だけど『一騎討ち』はなるべくさけるぜッ!おまえの方から飛び上がって顔を見せろっつぅーんだッ!」
「オイラのカギ針で引き裂くのはちょコッとおめーを焼いたあとでだ!!『死体』は左腕の中だからな!なにも問題ねぇ!腕の中にまで火が通らねぇうちになッ!」
キャラクターにない賢さを見せる小僧ッ!そして全身に火がまわり土の中から立ち上がったジョニィにフックを突き立てる。
「やったーーッ!出て来たッ!ワハハハ!立ち上がりやがったぞ!!もがいて姿をあらわしやがった!!」
「とどめだーッ!!くらえッ!ジオシュタァアアァァー―――」
バキャアアァ
人間とは思えない乾いた音を発ててジョニィが砕ける。いやさ!それは人の形をした木材であった。
そして、その真下の土の中から爪が回転している左人差し指を立てジョニィが現れる。
「これはもう『爪』を越えた……『牙』だ」
「これからは『牙(タスク)』と呼ぶ!」
「枯れ木を彫刻した!人の形にな……そしてワイアーが目の前に来た………」
吊るつもりが釣られてしまった小僧。慌てて顔面をガードするも…。
ドンドンドンドンドンドン
「うばぁあっ」
完全にガンマン・スタイルとなったジョニィの指から放たれた弾爪が疑似餌にある空間の門を通り抜け小僧の顔面と胸の辺りを5発貫通する。
「うぎゃああああああああああああ」
「やった……やったぞ……このぼくが……」
そして岩山によじ登りジャイロの元にたどりつく。
「ジャ…ジャイロ…」
『無事……?……ジャイロ……無事だよな?』
『この『スティール・ボール・ラン・レース』はテロリストそのものだった!選手も…きっとS・スティールも…スポンサーも…誰も信用できない……』
『このジャイロ以外は……ジャイロだけが信用できる。『死体』に対する彼の意見を聞きたい!』
岩に自らの髪で吊らされていたジャイロを下ろすジョニィ。
「呼吸してるか!?ジャイロ!しっかりしてくれッ!キズを縫うあの『糸』はどこに持ってる?あの『糸』は!?」
グラリと身体を傾けたジャイロが宙でピタリと止まる。
「!?」
そしてジャイロを支えようとしていたジョニィの右腕にフックが…刺さっている。
「うわああああああぁ」
フックにズルズル引きずられるジョニィ、問題なのはワイヤの先がジャイロから出ていること…つまりそれは小僧が…
「か…かかったなァーーーーッ」「それがオイラの『餌』だッ」
「ジオシュッターーッ、負けはてめえの方だッ!かかりやがったぜッ!ジャイロそのものを餌にしてやったんだぁっあああっ」
「ウィイイイイイイイイイイイ……………ガッジャアアアン」
「ジャイロはだから生かしといたぁぁぁぁ」
そしてジョニィの右腕がジャイロの身体にめり込みだし、その痛みと軋みでジャイロも目覚める。
「勝利はオイラの方だったなジオシュッター――ッ」「オメエをジャイロの中へひきずり込んでやるゼッ!」
「ワイアーをひっぱればオメエがあ!ジャイロを突きやぶってオレんとこへ来ることになるんだぜ!」
破壊された顔面も気にせず叫び続ける小僧。
「左手の中の『死体』をオイラに渡せェェーーーーッ!すぐにだッ!」
「この岩山がジャイロの中身をブチまけてどんな景色になるのかオメエ見てえのかよッ」
「命だけは助けてやるゼ!すみやかに『死体』を渡せばなッ!オイラの目的はそれだけだ!おめえが自分で手から取り出してオイラに『死体』を渡すんだ―ーーー---」
バッと構えるジョニィ!左手、足と弾爪を乱射するッ!!
しかし小僧もやるもので、自分とジョニィの間にジャイロを置くようにフックを操る。ジョニィは撃てない。
「撃って来やがれッ!もっと撃ってみやがれー――ッ」
「おもしれえ2人だ!てめーがジャイロをブッ殺してこのオイラとこっち来て一騎討ちするってのかッ!このクソ野郎がぁー――ッ」
そして銃撃を封じてジョニィをさらにジャイロにめり込ませる。
「おめーはもう何も出来ねえッ!さっさと『死体』こっちに渡しやがれェーッ」
「『死体』……ジョニィ、『死体』って何のことだ?」
目に涙を浮かべるジョニィ。
「わ……渡したくない……渡したくない…この左手の中にあるもの…足が動くんだよ…ジャイロ」
「ぼくは感謝したんだ」「レースに参加した事を感謝したんだ。この『左手』を拾えた事で命を失ってもいいと思った」
「渡したくない」「こんなとるにたらないこのボクに生きる目的が出来た事に本当に感謝したんだ」
ジョニィのズボンポケットに入っていた鉄球を目ざとく見つけるジャイロ。
「持ってきたのかよ……ここまで……」
「じゃあやつをブッ飛ばすのはこのオレの役目だなッ!」
鉄球をブン捕り投げようとした途端にッ!手のひらからフックが飛び出す!!
「おまえは『餌』だ!!」「ジャイルォ・ツェッペリンッ」
名前が違っている!というか元ネタを言っている!!
「おまえが触れた所からはカギ針が出るッ!それが『餌』の役目だ。それ以外は何も出来ねぇえええ」
「そして言うのはこれが最後だ!」
「そのジャイロをブチ破ってこっちへ来やがれッ!ジョニィィィー――ッ」
ガボォアア
めり込んでいくジョニィの右腕を掴んだ途端に今度はそこからフックが飛び出しジョニィの頭をガッチリ捕まえる。
ドサアァア
ミイラの腕が左手から現れる。
「や…やめろ、持って行け…うぅ……ただし」
「すぐにジャイロに付いているカギ針を2本とも外してだ…さもないと」
「この『死体の左手』をぼく自身で破壊して粉々にしてやる」
涙を流して死体の手を出すジョニィ。というか、自分の意志で自由に出し入れできるんだ!?
そして2本のワイア&フックで死体の腕を取り上げる小僧。
「止まった…爪の回転が……もう回せない…消えた…ぼくの『能力』が……」
一方、岩山を猿のように跳び下りている小僧。
「スゲェ!これが『死体』か?なんでみんながこんなの欲しがるのかわからねえが………」
「オイラは無敵だ!無敵で賢いってことが証明された!」
「これでみんなから認められる!認められてのし上がって行けるってワケだぜッ!」
「手に入ったぞォォー―――ッ」
勝利の雄叫びをあげる小僧。なんかイメージがよゐこの濱口優とダブる。
「あとは死んでもらうぞッ!まだジャイロが『餌』でいる事は解いてねえからよォォォォー―ッ」
この卑怯者ーーーーッ!
「爪が回転しないだと?」
「ジョニィ…まだ回転ならしてるぜ。現在している途中だ」
喉もとのキズを押さえてジャイロが応じる。
そのころ、小僧の持っているミイラの腕の爪が回転をしている。そう…ジョニィの「牙」のように!!
「オレが今…回転させといたぜ」「その…『死体』の爪をな」
え〜〜〜っ!鉄球を持っていないのに回転術≠発動できるのか!?
「ジャイロ…〜〜〜」
「ブッ殺しとくんだった。でもそれだと…人質にして『餌』にならなかったか…クソ!どっち道……」
「うおおおおおおおおおおおおおぉぉぉおおおお」
口の中にある対の巻上げドラムが見えるほどの絶叫を上げる小僧。
命中の姿は背中のショットだから推測になるが、容赦なくそこに爪…いや『牙』が撃ち込まれたであろう。
スタンドであるワイヤ&フックは消滅し、小僧は哀れ岩山の下に落下する。
ジャイロが落ちた腕を拾う。手のひらに開いた穴から向こうを見てみたり…。
そんなジャイロをジョニィが不安と疑惑の目で見る。
そして「ワイアード」によって傷ついたアゴを例の糸(ゾンビ馬)により縫った後に……
「ほれよ」
事もなげにミイラの腕をジョニィに放る。
「か…返してよこすのか!?…ぼくに…!?いらないのか?つ、つまり…君のレースの参加目的は『この死体』を捜すことなんじゃあないのか!?」
「興味はない…………いや…ちょっとあるかなあ〜〜〜〜いや、やっぱりねェ〜〜〜」
「あくまで欲しいのは1着ゴールで得られる我らが国王からの『恩赦特権』だ…だが話は読めて来たぜ」
「どっかのテロリストどもはそれをこの俺が隠し持っていると思ってるらしいな!」
死体の腕を再び左腕に収納するジョニィ。
「このスティール・ボール・ラン・レースは散らばった『死体』を捜す陰謀だ。間違いなくテロリストと国とレース主催はつながっている。じゃなきゃあ、こんな事は出来ない!」
「死体の部位はそろえると『1人の遺体』となってそれはこのレースのルート上に散らばっているんだ。敵はおおよその『場所』はつかんでいてコースを設定したが」
「正確に見つける事のできるのは『才能を持つ誰か』だけ……それをテロリストが最後で全部奪い取ろうというのがこのレースの目的なんだ」
「『死体』を拾った事を隠してて悪かったけど…君の意見が聞きたいんだ」
「この『遺体』はなんなんだ…………!?いったい誰の遺体なんだ!?」
治療を終え荷物を集め始めたジャイロがジョニィに問う。
「待ちな。まさかおたく他のも集めるってすでに決めてんのか?」
「ああ、決心したよ…すでに」「誰の『遺体』か知らないが…これを捨てたらぼくはただの負け犬に戻る……いろいろな意味でだ……。『途中で逃げ出すただのクズ』に戻るなんてまっぴらだ」
「ぼくは最後まで行く!!」
ジョニィの決心をつきはなす様な態度をとるジャイロ、だがいつものことである。
「フー―――ン、まず断っとくがオレをあてにするなよ。オレは死体集めなんかしない……」
「だがオレ個人の意見を言っておこう…………………テロリストがミイラ化した遺体を捜すというのならその『遺体』にはきっと記録がある。調べればわかるんだ」
「おそらく誰か『聖人』の遺体だろう」
ジャイロの頭脳により…大統領とその周辺のほんの一部(恐らくスティール氏も誰の死体かは知らないはず。それ位の秘事)と我々しかしらない驚愕の真実に確実に歩み寄っている。
「Movere crus(モヴェーレ・クルース)」
「なぜ腕に書いてあるのかは知らねーがこれはラテン語だ…意味は『脚を動かせ』」
「知ってっかな?『聖人』とはどういう人間をさしていうのかを?」
「『聖人』とは死んだ後に『奇跡』を起こす人物のことを指す!」
「いいか…くり返すぜ、死んだ後にだ!…生きてる時だけじゃあねえ。ヴァチカンの法王庁には『規定』があり、死後最低でも2度以上の奇跡の確認がなされた人物を『聖人』という!だから聖人認定までも数百年も待ったりするまさに偉大中の偉大な人物を指す。しかもテロリストがこんなレースまで巻き込んで探すなんて『聖人』の中でも重要中の重要な聖人らしい。しかも聖人の遺体は何百年も腐らない」
さらにジャイロの言葉は続く。
「キリスト教徒ならずとも人々は『聖人』を求める。例えば西暦828年、イタリア半島の『ヴェネツィア』では国を作る時『聖(サン)マルコ』という12使徒の中のひとりの遺体を当時ビザンチン帝国のアレクサンドリアから奪い取った」
「そして守護聖人としてまつられ海の小さな浮島にできた国家はその後なんと1000年も栄えた」
「『千年王国』だ……1000年以上栄えた国家はこの世界の歴史でヴェネツィアと1900年続くヴァチカンだけだ。信じようと信じまいとそれは『聖人の遺体』があるからだ。歴史ある東洋の江戸幕府でさえ250年で滅んでいる」
「歴史の表ではやらないが『聖人』のためなら人は喜んで命を捧げるだろう。どんな国だって動く」
「『聖人』中の『聖人』は1000年の栄光と力を約束する」
「…………せ…『聖人』…スタンド能力…『爪』が『回転した』。動かない…『ぼくの足が動いた』」
冷静に考えれば確かにこれは…
「すでに2度の奇跡ってわけだ。ヴァチカンの広場でやりゃあ、完璧聖人認定だな。そのミイラ」
「でも待てよ、ここは新大陸ッ!アメリカに渡った『聖人』なんているのか!?しかもなぜ大地に散らばっているんだ?」
もっとも疑問、もっともな質問、もっともな何故。
「だからそりゃ、オレの国で調べさせりゃあわかるっつーの!」
「『聖人』っていうのは多くの人々のためにいる…だから歴史の裏には絶対埋もれねーもんなんだ…記録は必ずある」
「ここでオレが言いたいのは、オタクが死体集めるのは勝手だ……」「だが」
「レース上ではオレが1位!おまえが2位。そのゴールでの約束だけは忘れるな!だっつーならよォ〜〜〜ジョニィ!オレといっしょに来る事は許してやる」
歯をキラリッ!と輝かせて愛馬ヴァルキリーに跨るジャイロ。
「行っかッ!モニュメント・バレー…そして3rd.STAGE!!」
ちょっと感動した目をした後…グッ!と腹をくくった漢(おとこ)の眼差しに戻るジョニィ。その時…
「おい見ろ!」「誰だあいつら!」
機関車の如く爆走している2人の選手。
「ジョニィ、荷物を集めろォォー――――ッ!ディオとサンドマンだッ!」
大統領直属の刺客に脚を止められている間に追いつかれてしまったのだ。
次号、2nd.STAGE決着。ジャイロ n’ジョニィはゴールのテープを切ることができるのか!?1−2フィニッシュの行方は?
ではまた来月!!
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