「でも待てよ……矛盾してねえかァアア〜〜〜!?」
「もしオレが占いババァのいうとおり『10億人にひとり』の幸運の男だっつーんなら!」
「寝すごしたりすっかなあ〜〜〜」「レースの当日によォォ!矛盾してるよなあ〜〜〜」
「ラッキーじゃあねェよなぁー――。2バッド(too bad)だよなあぁ〜〜〜」
一応考える頭は持っているようであるポコロコ。
そういえばポコロコの馬の蹄音はバカラバカラですね、あのギャンブルの「バカラ」と掛けているのかな。というよりポコロコの馬の蹄音はポコロポコロだと思っていました(←くだらないけど本当にそう思っていました)。
‘04 13号 #7
15,000メートル 登り坂 午前10時8分 |
「でも」
「なんてスッゲ!なめらかな地面なんだぁー――ッ」
「みんなに踏みしめられてッ!とんでもねぇスピードが出るぞ――――ッ」
「YO!」「YO!」
「やっ、やっぱ!ラッキー・マンかあ〜〜〜このポコロコはよォォ〜〜〜」
幸せそうに走っているポコロコを背景に自動車が一台停まっている。
「オホン」
「今、気づいたんだが……みんななんで教えてくれなかったんだ」
「燃料がリッター400メートルしか走らないと」「無理じゃあないか、大陸横断は……」
「はい…残念です。祖国に帰りましょう男爵」
え?これで終わり!?これで終わりなの?それにしてもリッター400とは戦車並みの燃費の悪さです。まぁ、この時代の燃料の質の悪さとかもあるんでしょうけど。本当に何で走っているのだろう?純度の高いアルコールかな。
とか言っている間にポコロコは最後尾集団に追いつく。途端に馬糞をビチャビチャ掛けられる。
「うげぇ、く…口の中に……」
「馬フンだよォォォ〜オイッ!」「やっぱ!む…矛盾してるッ、矛盾してるぅうう、オレってやっぱり………」
「違うよッ!10億分の1なんかじゃあなかったんだああ」
と思いきや……
「金貨だ…馬フンといっしょに」
ふと隣を見ると、馬フンが服について「イヤアァーーン」と言っているオネエチャンのボインがチラリ!
「うほおおお〜〜〜神様ありがとう」
さらに近くを走っている男は良く見たら500$のWANTED!!(レースに便乗して他州に逃げようとしているのだろうか)
「わはははははー」「これってやっぱりッ!オレってやっぱりッ!…なのかあーー」
「お…おいッ!くそっ!コースをはずれてるぞッ!」「崖だッ!」「やっぱりここはレースのコース上じゃあねぇー――」
なんとルートから外れてしまったその他&ポコロコ。
『や……やっぱりオレは………』
また弱気になるポコロコ。鬱病にでもかかっているかのようにテンションが上がったり下がったりする。
「ちくしょうッ!あいつのせいだッ!どこ行った!?あのインディアンだッ!あいつがこっちに走ってるからここがコース上だと思っちまったんだ」
インディアン!その時1つの影が崖に向かって踊り出る……そう、砂男(サンドマン)だ!!!
ギリギリながらも対岸にへばりつく砂男。砂男の狙いはショートカット、このショートカットに成功すれば登り坂(約7q地点)まで半分の距離で到達が可能。常人を越えた健脚といえども馬にかなうわけがない、危険覚悟で距離短縮を狙わなければならない。
ドバアアアアッ
そして馬に乗っているのにこの危険なショートカットを断行する男がいる。
『オレは『10億分の一の男』だ…それを信じるぜ…それを信じてこのサンディエゴに来たんだぜ………』
『違ってたらここで終わりだ…おれは優勝する、優勝して…故郷に帰って』
「もっともっとハッピーに暮らすんだぁ――――ッ」
明日に向かってジャンプッ!素晴らしい決意を高らかに吹いて崖に飛び出す!ノンビリ暮らすためにはどんな苦労もいとわないタイプですネ。
しかし砂男と同様に完全に渡ることはできずに崖にへばりつく格好になってしまう。
「持ってるロープを使え……操れるのならな」
ライヴァルであるはずのポコロコに助言をする砂男。そのかいあって、ポコロコは鞍に巻いていたロープを岩に引っ掛けて崖を馬ごと登りきることに成功する。そして砂男とレースを競い合う。
『こいつ…このペースで海岸からああやってズッと走って来たのか?どういう走りしてんだ?』
『このインディアンがいたおかげでもあるが、今の崖をオレが跳び越えられたのは…………それも幸運の証明つーことッ!』
『そしてこいつもッ!』
「優勝する気マンマンなんじゃあね〜〜〜のかァアア〜〜〜〜ッ」
そんなこんなで先を走る集団に追いつくポコロコ。
「YO!」「YO、YO−ッ」
「なあ〜〜〜先頭は今どのあたりにいるか知ってるかい?」
「ひょっとしてあんたが先頭だとか?違うよな〜〜〜」
「走り方がタルイもん、おたく…ウヒャヒャ!ヒ!」
ム!と振り向いた男は……なんとジョニー!つまりポコロコは早くも第二集団に追いついてしまったのだ。まさに1st STAGEの台風の目である。
{さあああ〜〜〜いよいよゴールまで6000メートルの看板を越えた−――ッ}
{1st・STAGE15,000メートル残された距離はまもなく1/3!登り坂が終ると下り坂!}
{依然トップはジャイロ・ツェペリ!!後続との差はおよそ60から70馬身と広がっている!逃げ切ってしまうのか!?もしかするとこのまま逃亡劇が終結してしまうのか!!}
設定に「笑うと下品」の項目があるジャイロ。笑わないジャイロは颯爽としてカッコイイ、そう彼は未だにトップをキープしている。
そしてジャイロを追うジョーキッドは一計を持っていた。
『そのうちに必ずジャイロ・ツェペリの馬はバテてくる………加速してゴールを決めに行くのは残り2000を切ってからが妥当なのは依然変わらない見解……!』
『だが』
『このまま彼の姿が見えなくなってしまったらもはや追いつくのはもはや追いつくのは不可能になるかもしれない……』
『オレにとってこのレース…優勝や賞金なんて目的ではないが、あの『鉄球』の謎を聞き出すのには彼にオレを認めさせることが必須ッ!』
『このSTAGEで彼を負かせばそれが手っ取り早い認めさせ方になるのは明白!』
逆に言えば、サヴァイヴァルの用意をしていないジョニーはこの1st・STAGE以外では勝機がないのでは…(普通に考えればね)。
『彼とのこの『間合い』を保ち』「勝負を決めに行くのは残り2000メートルを切ってからだッ!」
カクンと右に曲がるジャイロ。
{ジャイロ・ツェペリ、コースを右に外れている――――ッ!『ショート・カット』するつもりだ−――ッ}
{この雑木林を突っ切れば走行距離が800から1000メートルは浮くことになる−――ッ}
{ジャイロの林越えだァァ−――ッ}
トップでありながらさらなるチャージを仕掛けるジャイロ。もちろん良いことだけではない。
{雑木林というよりも『森』。木が密集しすぎていますッ!}
{木が多すぎて当然、馬の速度も相当落とさなくてはならないし体力も使います}
{後続はどうする!?後続馬たちはどっちのコースを選択するッ!!}
{『雑木林』か!?『通常ルート』か!?}
愛馬のタテガミをなびかせて、リスクをものともせずポコロコとジョニーがジャイロを追う。
{後続がさらにッ続くぅぅぅー――ッ!7頭!8頭ッ!}{ジャイロの賭けに乗っかる気だぁああああ――――ッ!!}
そして雑木林に突入するジャイロ。そして彼を追っているポコロコとジョニーも……
『なんだ?』『……なにやっているんだ?』
ジョニーが驚くポコロコの行動!
『目をつぶっているぞ』『なに考えてるんだ!?』
『目を薄くも開けていない……しかもその騎乗の姿勢はおびえてるわけでもなく正確!何者だ!?…』
『まるで決意か…または自分を試すかのように目を自然に閉じている』
「こいつ馬を加速させた――――ッ」
{先に突っ込むのはゼッケン『777』だァァー――――ッ}
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