キッスの能力で空中を移動する徐倫一行の下を駆け抜ける神父。
「次の弾丸で方向を変えろッ!エンポリオッ」
「海(オーシャン)だッ!湿地帯の岩盤だッ!」
「露出している岩に向かって次の弾丸を撃ち込め―――ッ」
 エンポリオに指示をするアナスイ。到着地点にすでに居る神父!

ドゴオオオ――――ッ

‘03 14号  Act.153 いいわ


 神父の手を逃れ方向転回する徐倫一行…。しかし神父はさらに追う。

「いいか……どんなに『加速している時の中』を神父が進んでくるとしてもスタンドは一体しかない!」
「しかも攻撃はパワーは並の上といったところ!」
 アナスイが作戦を話す。
「ヤツはひとりずつ『順番』にオレたちを攻撃するしかないんだ」
「ヤツを倒す方法はそこにある!!」

 アナスイの作戦…名付けて(勝手に)オペレーション・へヴン!
(1)神父がアナスイ/DDに攻撃を加える。
(2)承太郎に合図。
(3)承太郎が時を止めてスタープラチナを打ちこむ!!!
 これだけ単純な作戦なのに「よくわからない」と言うエンポリオはどうしたのでしょうか?眠いのか?

「アナスイ……いい考えだが…だがプッチは始末する順番をおまえからと宣言したが」
「そうではないかもしれない…」
 承太郎の意見にも回答を用意しているアナスイ。
「あなたの肉体内にはさっきと同様に既にオレの『ダイバー・ダウン』が潜り込んで守っている!」
「この距離なら全員の体内に同時に入れている…」
「まず『ダイバー・ダウン』が最初のダメージを引き受ける」

 相討ち覚悟の作戦。エンポリオも大心配!
「む…無理だッ!」「ヤツの次の攻撃は絶対致命傷が来るッ」

「かもな」
「だが急所まで達しないうちに『合図』を送れるかもしれない…」「最近オレは運がいいからな……そうだろ?エンポリオ」
「脱獄してからオレは命だけはツイてる……この勢いで生き残ったら…その時は…」
「徐倫に結婚でも申し込むとするかなああ………ククク…ハハ
「とか…言ったりして…ハハ」

 エンポリオを代理として自分の気持ちを言うアナスイだが…もう一勇気が出ないためか冗談として流そうとする……が!

いいわ
 徐倫のセリフに「えっ?」「何ッ?」という顔をするアナスイと承太郎。
「いいわ」「アナスイ…申し込んで……」
「この状況で『絶望』しているから言ってるんじゃあない……」
「あなたの考えには希望がある」「暗闇なんかじゃあない…」
「道がひとつしかなくてもそれにかすかでも考えがあるならそれはきっとうまくいく道」

 徐倫のセリフに少し震えているアナスイ…。嬉しいのか、アナスイ。


「いるぞ―――ッ!エンポリオォ―――ッ」
「既にあの岩の上にいるッ!」
 幽霊の拳銃を再発射して到着地点を変更する徐倫一行!海(オーシャン)に飛び込む!! 

「もっと固まれッ!オレのそばに寄るんだッ!」
 エンポリオの顔がおもしろ――いッ。

 海(オーシャン)の中で身を寄せ合う徐倫一行…そこに駆け寄る神父。
「なるほど……周囲が『水』なら……しぶきのせいでヤツの移動方向がわかりやすくなった」
 承太郎。それにしても「移動が見やすい」だけだったとは(笑)。
その時、さらなる異変に気付くエンポリオ。
「ちょ…ちょっと待って…」
「なんだ…!?」「空のあの『雲』は…」
「ロケットみたいに早く移動していく……そ…れにどうなってるんだ!?」

 さらなる異変!アラビア・ファッツもビックリ!!
「東の空が明るいぞッ!」
「なんなんだ!?早すぎやしないかッ!1時間が確か2分か3分の感覚ッ!だったら夜が明けるのは20分か30分はかかるはずッ!」
「ばかなッ!太陽がすごい早さで昇って来たぞ―――ッ」

 承太郎が腕時計を見る!(おやッ?腕時計が右手から左手に移っているぞ)さらなる勢いを持って針が文字盤を回る!
叫ぶエルメェス。
時がさらにもっともっと加速してんじゃあないのかぁ――――
押し寄せたり引いたりする波の動きが早すぎるッ!ヤツの移動がわからないッ!

 海(オーシャン)に飛び込んだ事が逆に不利になってしまった。アナスイらしいと言えばアナスイらしい(笑)。
(笑)っている場合ではない、神父の動きが見えないのだ。徐倫、エルメェスもそれぞれのスタンドを出して構える。

「覚悟を決めろ!!」アナスイ。「承太郎さん、まだだッ!まだだぞッ!」
「オレの合図を待て」

 その刹那!アナスイの胸を貫くスタンドの手…。
今だッ!時を止め……

ド――――ン

「つかんだッ!!くらえプッチ神……」
 アナスイを背中から貫いた腕を掴み、拳を叩き込もうとする承太郎/スタープラチナ、その目に映ったのは…。
「なにィイイイ」
「徐倫のスタンドをアナスイに………!!」

「幸せな将来を語る者は死ぬ可能性が高い」のはホラー映画の特徴ですが…さてアナスイはここで散るのでしょうか?

 

今週のめい言

「いいわ」

○おっ、タイトルと一緒だ!

○これは少し進展したと思っていいのでは?一応、素直に読んでみると、アナスイの「希望」を大きくする事で作戦の成功率を上げようとしていると読めます。ところで徐倫はアナスイの露骨なアプローチを無視していますが、これはワザトではないと思っています。恋人に手酷く裏切られた経験から、自分を恋愛対象として接してくる者を無意識的に避けている。結果、アナスイを無視している(果ては指輪を投げ捨てるという暴挙を行う)と推測しています。

○そんな徐倫がストレートな意味ではないとはいえ、求婚しても良いといったのはアナスイに対して少し心を開いたのかもしれません。

○そして「加速」の名にふさわしく、さらなる時の流れの速度アップ!承太郎が時計を見た時点で朝の6時50分あたり。真の「新月」まで推定で後15〜17時間。神父は「新月の時」と同時に倒されると予想しているのですが一体、どうなるやらです。

☆今までの自分の意見を読み返してみると、瀕死のキャラに対して全員に「死にません」と言っています。キャラに思い入れがあるのは良いけど、冷静な予想をできないのは困ったものだ。  (^.^;;

☆でもあえて言おうアナスイは死なない!!

☆徐倫が象徴するものとして「」があります。最初は未熟な恋愛により刑務所に放り込まれ、そこからエンポリオに見せた母性愛を発揮しました。そして未熟さを脱した恋愛をし、最後のエピローグで徐倫自身の子どもが登場して「完」…と予想。で、徐倫の相手がなんだか知らない奴だったら嫌でしょう?承太郎のお嫁さんみたいに。やっぱりアナスイっしょ!!

☆来週は、承太郎がアナスイを救うか神父を叩くかの2択を迫られる。承太郎はアナスイを救うことを選択すると思います。まぁ、人間は胸に穴が開いたぐらいでは死なないので大丈夫でしょう(註:死にます)。

☆奇術師は右手を観客に注目させている間に、すでに左手で奇術の種を仕込んでいるという。ここであまりにもアナスイに注目が集まっているので、実はこの時点で徐倫が神父を海の中に仕込んでいた糸のロープで神父を捕えている事も考えられますが……。

 今日はここまで。ではでは。