ガオオオン


‘03 3+4号  Act.144 メール着信

 近付いた神父に右裏拳を叩き込もうとする徐倫。しかし異変が!
ものすごく面白い構図でワケの解からないことになっている徐倫!!
タイル、鋲(リベット)、流れる血……これらの動きが示す事は…。

「か……『体』がッ!」「『空の方向』にッ!!!?」
 重力の方向が変わった!空に落ちていく(Fallin’ Higher)!!!

「わたしの肉体が『基本』だ」「わたしのいるこの足元で」
「『重力』は逆転する」「わたしに近づけば近づく程な…」
「あとは能力の完成の時を待つだけだ。こんな微弱な程度の能力ではない……『完成の能力』を」
 宙に浮き上がり身動きができなくなる徐倫を尻目にNWSにパンチの指導をする神父。
「いいか、我がスタンドよ」
「改めていうが裏返しは一撃だけだぞ」
「それ以上は決して撃ってはならん」
「腕や脚への攻撃とはわけが違う…」
「パンチは必ず一発だけだ」

ウシャアアアアア 」  ドグシャッ

 徐倫の胸にめり込む拳。心配はない、心配はない。
きっと身体を空洞にしてパンチをかわしている、もしくは体内に拳を隠してガードした、または当たったように見えるが拳を糸に絡めて…………

ベキベキ  ベキョオ  バキョバキョバキョバキョ

「なんだとぉおおおお」

「ひっぱってッ、アナスイィー――ッ」「は…早くッ!」
「おねえちゃんの体をひっぱってッ!!」
 しかし束ねられていたロープは糸となり、糸は千々に切れていく…。糸の崩壊はすなわち能力の解除を表し、能力の解除は本体の異常を示す。
胸が陥没…する徐倫。そして、水平に落ちていく徐倫。

「わあああああああああ」
「うおおおおおおおおお」

 絶望の叫びをあげる2人の男。

「この能力……C−MOONと名付けよう」
「『無敵さ』…わたしが新月を前に得たものは『無敵さ』なのか?」
「だがあくまでわたしの求めるものは『強さ』ではなく全ての人間が到達すべき『幸福』だという事を心に戒めておこう」
 未だに『天国』の正体がわからない。神父が『天国』を手に入れると全ての人間が幸福になれるのか?
「そして空条徐倫は単なる犠牲者。ウェザーも多くの囚人どもも……」
「目的達成には必ず付きもののな……」
「試練と犠牲なのだ」

「うわああああそんなバカなぁあああ」 トゥルルルルルル 
 泣くエンポリオの傍らから聞こえる音…電話の着信音?ドッピオみたいに口で言っていたら…エンポリオの可愛そうな結果ということになりますが。
しかし音は間違いなくケイタイから発せられた物だった。どうやらエンポリオがおかしくなられたのではなかったのですね(安心)。

 さて同時に神父も誰かに呼ばれたように後ろを振り返る。

「メールの着信だ」
 エンポリオ。
「このメールまさか!」

{ 電話が通じにくい。人工衛星がひとつ「重力」の異常のせいで吹っ飛んだらしい。
君はエンポリオか?状況は良くわからないが 娘と神父が出会ったことは感覚で知っている。 }

{ 娘は生きている。だがまったく無事というわけでもないらしい。 }

{ 徐倫を保護してくれ。 わたしがそこへ行くまででいい。
おそらく娘は『重力』を封じる方法を見つけた。だから助かっている。
……ひん死の状態で生きている。 }

{ 空条承太郎 }

 ついにあの男が来る!!しかもとんでもない情報を知らせてきた。
ひん死とはいえ徐倫は生きている、あの『裏返る』攻撃をわずかながら封じていた。
何が?何故だ?何なんだ??

「アナスイ、おねえちゃんを探してッ!」
「おねえちゃんはまだ死んじゃあいないッ!」
「でもそれってつまりッ!神父のヤツもッ!
「神父のヤツも感覚でそれを気づいているってことだぁあああああ――――ッ」

 元気イッパイに飛び出したは良いが、給食袋を忘れた事に気づいて同じ勢いで家にUターンする子どものように(例え長いよ!)慌てて引き返す神父。
「どういうことだ……?空条徐倫」
「心臓は完璧に裏返った。『重力』でボロボロに裏返ったはずなのだッ!」
「だがまだ生存しているッ。何をしたんだ?決着をつけなくてはッ!」
「『ジョースターの血統』は!」「克服しなければッ!」

 そしてアナスイ!その決意!!
「徐倫を守るには……神父をブッ殺すんだぜッ!」


今週のめい言

「徐倫を守るには……
神父をブッ殺すんだぜッ!」

○悲壮感さえ漂うアナスイの決意。これだけ圧倒的な力を見せられてなお立ち向かうアナスイ。一撃必倒の拳に加え、アナスイが神父を倒すために近づけば近づく程に狂った重力が大きくなるため自分が不利になる。かと言って離れて闘っては決定打に欠け、神父を倒せるとは思えない。アナスイから死狼煙が立ち昇ってしまうのでしょうか?

○しかし悪い知らせだけでは無し。密かにダイヴァー・ダウンの能力がアップしている風なのである。アナスイ自らが地面に潜行しているのである。これはダイヴァー・ダウンを繰り出しながらもアナスイが落下しないことを意味します。そりゃ、ダイヴァー・ダウンも張り切って地面を泳ぎますワ!(最後のページね、因みにアナスイの腕が地面に潜行しています)

○そしてもう1つの大事件!承太郎参戦…間近。第4部のラストでの承太郎のおいしい所どりに不満を持ったものとしては、出来れば『天国の時』に乗り遅れて下さいという感じなのですが(笑)。落ちていく徐倫を保護するのは鉄板でエルメェスと予想します。今、何しているのでしょうねエルメェス。垂直な地面を一生懸命ガシガシ登っているのでしょうか?スクラップ工場に埋もれていませんように(祈)。

☆さて…徐倫の「重力を封じる方法」とはなにか?心臓を糸化してかわした!?でもAct.140の表紙で『ストーン・フリー』図解説において心臓は糸化できないような雰囲気なのですが。正確な文章を記すと「肉体の70%程度心臓付近まで削られていくと絶命する危険をもつ」である。これは頭部と心臓を含む胸部は糸化できないと解釈しても差し支えないと思います。

☆だから「重力を封じる方法」は心臓を糸化する方法ではないと思います。もし、それをひっくり返して心臓を糸化させたならば…う〜ん、それはちょっと反則過ぎなのではと思います。図解説までしたのですから、その設定をひっくり返すべきでは無いと思います。

☆まず1個考えたのですが、とりあえず「重力を封じる」はおいといて(ハハッ)やっぱり徐倫の心臓は破壊された。しかし徐倫は咄嗟に自分の糸を創りだした。何を…?もちろん心臓を!つまり糸の人工心臓を創りだして、なんとか窮地をしのいでいる。でも、ここまでの重傷を治せるキャラっている?(仗助とジョルノの出演は無いということを前提としていますが)

◎難しいです。徐倫が「重力を封じる方法」が思いつきません。

◎ギリギリで重力を封じる方法を見つけた徐倫。しかし都合が良すぎではないか?いえ、マンガだからとかいう事ではなく徐倫が追い込まれた状況がその方法を導いたと考えると…「空に落ちた」事が関係あるのでは?大地から切り離された事で重力の影響が軽減された……。どうもスッキリしないなぁ。次号待ち。

◎泳げ!ダイヴァー君。地面に潜行して神父を攻撃しようとするが、神父に近づいたことで空に落ちてしまうダイヴァー・ダウン。しかしDDにより地面に脚を埋め込むかたちで固定したアナスイにより射程距離以上落ちることがなくなったDDが神父を攻撃する。

◎とりあえず、神父に圧倒されながらも一矢を報いて決め台詞を吐くアナスイで来年へ!となると予想。

 今週はここまでです。