‘02 47号  Act.136 射程内

「こ……小細工を」
 首に血槍を受けよろめく神父。さらに神父を引き倒すべく、ウェザーが自分の方へ吹く風を生み出す。

「きさまの血槍でも引き寄せてろッ!」
 引き寄せる風を利用して、血槍を折りウェザーの方へ飛ばす。
『当然かわす……だが「風圧の方向」も変わる…逃れるチャンスだ』

 しかし、あえてかわさないウェザー。ウェザーから新たに流れた血を凝固させ、血槍を殴りつけた神父の拳とウェザーを繋ぐ。
「つかんだぜ」「ついにおまえをな」
 神父をグインと引き寄せ、射程内に引き寄せる。

ズドッ  ドゴオッ

 ホワイトスネイクの抵抗の拳撃よりも早くウェザー・リポートの両拳を神父の胸に叩き込む!!
そして同体で倒れ込む2人……。

「ぐおっ…よすんだウェザー」
「グリーンドルフィン刑務所で……おまえを始末するつもりならいつだってできたのだ」
「だが…いつかおまえを救えると思ったから…」
「『記憶』だけを奪っておいたのだ」「これは…わたしの都合のいい命請いなんかではない」

「弟であるおまえのためであり…『天国』への能力を手に入れるためにそうしていたのだ」
「『天国』へは誰かはいつか到達しなくてはならない」  「11…13…」
「やめろウェザー」
「自分とわたしを殺そうとするのはやめるんだ」  「素数」「…17」

 なんだ…?カッコワルイぞ…神父。

「おまえは……」
「自分が『悪』だと気付いていない…もっともドス黒い『悪』だ…」

「怯えているぞ、ヤツの顔…」
「神父の!あの絶望に怯えている顔ッ!」
 アナスイが語る神父の容貌。神父が死の恐怖を感じている。

「や…やめろウェザー。おまえは間違っている。呪われているくせに」
「おまえはわたしが生かしておいてやったのだッ!」
 語りつづける神父。もはやラスボスの威厳はなく、追いつめられた小悪党のように1人よがりな「借り」をふりかざす。
もちろんウェザーは耳をかさない。「決着」をつけるべくトドメの右拳を打つ!!

ドグオオオ

 耳をつんざく轟音!先刻、神父がめり込んでいた車に別の車が衝突している。
アナスイもカタツムリなのに上に跳び上がって驚いています。
ウェザーの血槍がタイアに刺さりバーストしたのが原因らしい。

 クラッシュした自動車の中はスリーメン&キッド…改め四匹のマイマイ。

「なにやってんだ!!妙な事をやりやがったらブッ殺すと言ったはずだ!」
 問いただすエルメェスに運転しているヴェルサスが答える。え〜!?カタツムリなのに運転できるの?マニュアルだぞあの車。運転むずかしいぞ。
「おれは人質だしおれだって治りたいッ!ちゃんと運転していたッ!」
「だが急にホコリが舞って!」
「しかも「釘みたいなの」が路面に出ていたッ!」
「わざとじゃあないッ!」
「タイヤに突き刺さってハンドルをとられたんだッ!」
 う〜ん、じゃあしょうがないか。

「そいつを静かにさせろエルメェス!」
「近くにいるッ!」「ウェザーが近くに!」「神父も!」
 異星のような風景に見入る徐倫とエルメェス。

「『なんて……事だ………』」「信じられない…」
「これは『啓示だ……』」「『味方』してくれたのだ……」
「運命は…」
「このわたしに3日後の新月に『天国へ行け』と押し上げてくれている…」

 ウェザーの左胸を背後から貫くホワイトスネイク。

「じゃなきゃあわたしは敗れていた」
「『引力』を信じるか?」

「おまえはそのためにここにいた…」



今週のめい言

「もっともドス黒い『悪』だ」

○神父が壊れて来ている…。追いつめられて精神が潰れかけているのか?

○荒木イズムにおいて最たる『悪』とはこれなんでしょうね。「自分を悪だと気づいていない」事。マックィィーン(スタンド:ハイウェイ・トゥ・ヘル)の時にもあった「悪より悪い最悪」、自分に否があるとは全く思っていない。神父が『天国に行く方法』を追っている時は、恐らくは神父は自分がやっている行為が『悪』だと知っていたはずです。そう…神父が1988年に「これからは何でもやる…殺人でも」と言った言葉からうかがえます。

○『天国へ行く方法』神父はDIOの意志を継ぐ事もあるでしょうが、最大の原動力は『天国へ行く方法』の正体を知りたいという「好奇心」でした。その為にはどんな『悪』も行う。しかし承太郎からDISCを抜き取り、『天国へ行く方法』を手に入れてからは「好奇心」が「使命感」に変わった。『天国へ行く行動』が神父の中で正義≠ノ昇格してしまった。

○『天国』が全ての人々を導けるとしても、それを人々が望んでいるとは限らない。望んでいると思っている神父は独善≠ノ支配されている。ウェザーに言った「生かしておいてやった」という言葉。神父が弟のウェザーを思って生命を奪らなかったのは恐らく本当だと思います。神父がウェザーを生かしておく必要は全くない…それどころか、記憶が戻った時に再び神父に牙を剥く事を考えれば殺しておいた方が良かったはずですから。しかし、当の本人であるウェザーはそんな事を全く望んでいない。余計なお世話を越えて、大迷惑である。神父自身はこの事を、『悪』と知らないどころか「善い事をした」位のことを思っています。

最悪より悪い独善……というヤツです。

☆殴りましたねぇ…ウェザー・リポート。直接殴れるのかい!という感じでまたデータを書き直しです(ハハッ)。
直接殴るために神父を引きずり込んだという事は、逆にスタンド自体の射程距離は広くないということなのでしょう。

☆運命は本当に神父を選んでいるのか?なんか神父の「負け惜しみ」に聞こえるのですが。ウェザーが神父の何を押し上げたのでしょうか。かつて「わたしに敵対する者すべてを始末する」(15巻ヘヴィーウェザーその10)と言ったウェザーの存在を「誰も始末していない」うちに自ら殺しているし(ウェザーが真に死んだかどうかという問題ではなく、神父が充分な殺意を持ってウェザーに攻撃をしたという意味で)。恐らく神父自身もこの食い違いに気付いていないでしょう。神父が徐々に狂ってきているようで……。

☆ビバ!運命!!

☆2択。ウェザーは死ぬか生き残るか。前から言っている通り、私は「ウェザーが死ぬ」事と「DISCを抜き出す」事は嫌いなので「ウェザーは生き残る」と予想しておきましょう。とりあえず決着は3日後。その前に幾つかのエピソードが差し込まれると思います。

 では今週はここまで。ではでは…。