「能力を2つ持つ事はありえないッ!」
「『ウェザー・リポート』は天候を操る能力ただひとつッ!」
「だがこれは!?」「毒ガエルのように天候で降らしているんじゃあないッ!!」
「いったい何が起こっているというのだ!?」
人間までカタツムリと化している。ウンザリするくらいのカタツムリの量。
「重なるように床までビッシリになって増えていくッ!」
病院の入口ガラス越しに駆けて行くヴェルサスが見える。あのモミアゲは間違いなくヴェルサス。
というか、まだそんなところに居たのか!?
「虹に触れるとこーなるんだァ〜〜〜〜」「徐倫」
「気をつけろ………!!カタツムリに触れても…こーなるゥゥ…」
カタツムリになってカタツムリの事がわかったのかエルメェスが解説を始める。
意外と意識がハッキリしているのは良かったですが、背中に渦巻きが…。目も出かかっている…。
「子供をうんでるんだよォ」
「カタツムリにはオスもメスもないんだ」
「あの「槍」みたいなものをお互いさし合うとそれぞれが子供を大量に産むんだぁあ」
「もうこれ以上触れるとヤバイ!」
「どんどんのろくなってるゥウウ。スタンドの動きまでがよォオ」
「「シール」を出すのも………しまうのも遅くなってるゥウウウ」
「あたしにヴェルサスを追跡できるかなぁああああ」
『悪いのはウェザー・リポートじゃあないッ!!』
『ウェザーは味方だ』
『原因は目醒めた無意識の「記憶」なんだ』
『ウェザーの心を救うためにもヴェルサスはブチのめさなくては…』
何やら論理が変だぞ!?悪いのはウェザーじゃない……いや悪いのはウェザーでしょ!(過去には同情するけれど…)おいおい、恋は盲目ってヤツ?
ヒュー♪ よく考えればヴェルサスよりウェザーをブチノメシタ方が早いのでは?
まぁそんな浮つき気分もカタツムリの山の前ではゲンナリです。
「あそこにある車ッ!」
病院の正面に停めてある車にはカタツムリが侵入していないことを認め、それを使ってヴェルサスを追跡する事を決める。
「大丈夫!行けるッ!」
カタツムリで埋まる床を避けて、天井のスプリンクラーにぶら下がる徐倫。エルメェスはカタツムリ化しかけているを逆に利用して壁を這って玄関を目指す。
そして玄関の方向にはもう1つのスプリンクラーがある。行けると思ったのも束の間…。
「徐倫!!うしろだぁああああ」「カタツムリがつながって倒れてくるぞォオオ」
塔のように重なったカタツムリが徐倫を追いかけるように倒れ襲ってくる。
あわてて次のスプリンクラーに移る徐倫。脚に数匹がつくも振り払う。しかし間髪をいれず危機が徐倫を襲う。
「エルメェス、手をのばしてくれェェッ!」
なんと天井が抜けて大量のカタツムリが降ってくる。エルメェスの手に糸を掛け、場所を移ってカタツムリの落下から身を避ける。
「だ……だめだ徐倫。はがれ落ちちまう。あんたを支えきれない」
さらにピンチはつづく。徐倫の糸を伝って来るカタツムリ。自動ドアを塞ぐカタツムリ。そしてついに壁からはがれ落ちてしまうエルメェス。
「でもエルメェス、あんたで良かった…」
「あんたの体の動きがどんどん遅くなってるって言ってた」
自動ドアに雪崩れこむ徐倫とエルメェス。しかし割れたはずのガラスドアがきちんと四角の形で復活している。
キッスの能力。そのガラスドアに乗ってカタツムリの上を自動車に向かって滑って向かう!
「『シール』をしまうのも遅くなってるってね……」
「これで行ける……キッスの『シール』でドアガラスを2枚にして割った」
「でもヴェルサス…あいつ『目的』があってどこかへ向かっているような……」
漠然とした不安の中、ヴェルサスを追跡する徐倫・エルメェス。ヴェルサスの目的はエンポリオと承太郎のDISC。
ヴェルサスの行動を妨げられるか、徐倫!?
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