「座席のナンバーはエコノミークラス51D51Fだッ!」
「かなり後方だッ!墜落時刻も21時33分というのは間違っていない、事実だッ!」

‘02 32号  Act.123 罪悪感

ドシュウーーー
 旅客機内の天井を疾走するアンダーワールド。

「敵が中に入ったぞ――ッ」
「あたしたちより早く座席に行くつもりだッ!座席を破壊するつもりだッ!」

「墜落まであと32秒
「大した問題ではないのだ。座らせなければそれでいい」
「ただそれだけで「事実」は終わる」

 緊張が走る。徐倫とアンダーワールドのシート争奪戦、死の椅子とりゲーム。
まずはストーン・フリーの左拳が旅客機内の仕切りを殴りつける。
 吹っ飛んだ仕切りはアンダーワールドにぶち当たり、旅客機の壁との間にアンダーワールドをサンドウィッチにする!!

「まわり込めエルメェスッ!座席を守るんだ!!」
「座席を確保し……この墜落から生存できれば…ヤツの本体に迫れるはずだッ!!」
「生き残って…本体に直接拳をたたき込むッ!!」

「フン!シートは壊せなかったが…座れるものか!あと21秒しかない」
 なんとも負け惜しみっぽいアンダーワールド…。

 アンダーワールドを足止めして、座席の番号を次々と確認していく徐倫とエルメェス。

「繰り返すよおねえちゃん!座っていいのは51Dと51Fの2座席だけだッ!」
「それ以外の座席は絶対に座っちゃだめだッ!」
「記録によると周囲の座席は衝撃と爆発で全て吹っ飛んでいるッ!」
「凄まじい不幸の中でたまたま起こった神様の気まぐれ」
「真空地帯なんだッ!」

 そして見つける座席。そこにはボーッと天井を見つめる老人とカチッとした服装の女性。
一瞬顔を付き合わせる4人…。

「どけェエエーーーッ」「この座席はもらうぞッ!」
 むりやり乗客を立たせる徐倫。
「おまえらは単なる「事実」だッ!!」「生存者という「事実」ッ!」
「人間でもなければ魂なんかでもない!おまえの本物はどっかで生きているんだろ?」
 エルメェスが立たせた乗客を後ろに下がらせる。
「徐倫、時間だッ!シートベルトを締め……」
「…………」

 パジャマ姿の頭に包帯を巻いた少女がシートに居る。頭部や包帯で隠された左半面には重度の火傷があると思われる。

「おいガキィ!どけッ!」「何シートに座ってやがんだッ――」

「ま…待てエルメェス」

ドッザアアァアア

 またもや子どもが!上から!子どもの両足は義足である。

「残像なんかじゃあない……乗客なんかでもない!!」
「本物の子供だっ!」
「やつは病院の子供を2人穴の中につき落としやがったのかァーーッ」

ドッザアァァアァ

「なにィイイイ――――ッ」
 違う!!3人だ!山下画伯みたいなおにぎり少年。


「座席の破壊なんか必要ない……」
   「子供たちをどかしてシートに座りなよ…」
      「空条徐倫――シートベルトを忘れるな」
「そうすればおまえらは助かる」「命だけは助かる……」

「だが生き残ってその墜落機から出て来る時、おまえらの心には罪悪感が残る…」
「生き残るための子供の座席を奪ったという罪!」
「その罪を心に背負ってこのヴェルサスに挑んで来なくてはならないのだ……」
「そんなやつに強い闘志が残っているのか!?」

「アンダーワールドは戦闘パワータイプのスタンドではないが罪悪感で心の弱ったおまえらを仕留めるくらいのことは出来るッ!」
 久しぶりにでた!!外道、ド畜生、下衆野郎!!!
「時間だ…墜落2秒前1秒「墜落時刻」

 巻き上がる爆炎、粉塵、黒煙。旅客機の前方から破壊が徐倫たちにせまる!
ドオオオオ

ドバッ!!
 消滅……余韻の煙の中から現れるアンダーワールド。

「…………」
    「おまえの勝利だなヴェルサス」
        「だが子供は3人だったぞ、1人余計だった」
「おまえに罪悪感はないのか?」

「まさか…わたしのせいじゃあない」
「しかもわたしがあなたのためにやったことですよ、プッチ神父」

「おい見ろ…ヴェルサス」
 プッチ神父の視線の先には生存者の老人。シートと同様に、「生存」という事実によりシートに座っていなくても生存した。その頬にはキッスのシールが…。老人は2つになりかけている。
 そしてその間には義足の子どもが挟まっている。
 そういえば、1つになろうとしている物質にモノが挟まって邪魔していたらどうなるんでしょうか?水と油がムリヤリ混ぜても分離するように、何とか1つに戻ろうとするのでしょうね。間のモノには能力によるダメージはなさそうですが、1つになろうとスットンデキタ物質が運悪く入ってボッキリ鼻が折れるというのはありそうですけど。………ありそうと言うか、リキエル戦でやっています。
「生き残った老人…「生存者」の事実はなにがあっても「生存」したという事実だ!」
「あれはエルメェスの「シール」だ………」
「体を2つにしてその生存者の中に子供を隠した!!」

 ヴェルサス。ヴェルサス。ヴェルサス。
「エ…エルメェスは!?ならば空条徐倫はど、どこだァ―――ッ」


今週のめい言

「わたしのせいじゃあない」

○外道です、ヴェルサス。グッドルックスと外道さにより、最もDIOに近いと思われますが…。でもダメです。小物です。「おまえに罪悪感はないのか?」という質問にDIOならこう答えるのでは「その通りだ」と。神父なら「捨てた」と答えるでしょう。「わたしのせいじゃない」とは…。

○子どもを人質とするために穴に突き落とすという行為は悪役としては当然(個人的に憤りを感じましたが……作者の思うツボだな(笑))。でも「わたしのせいじゃない」はカッコワルイ。自分の歓びのために凶行を起こす吉良やチョコラータの方が悪びれないだけまだまし(隣人としてはノーサンキューですけど)。5ページボコまくり決定!?

頭に包帯を巻いた少女萌え!(綾波効果?)ちょっと少年ブチャに似ているのも萌え!頭が火傷でハゲているのも萌え!義足を持っている姿も萌え!!


☆さて予想!ですが、その前に気にかかることをまとめてみますと……
(1)徐倫とエルメェスの墜落死回避法
(2)身長体重血圧が同じ神父とヴェルサス
(3)ウェザーのDISC


☆(1)墜落からの生存した「事実」は後は女性のみ…。徐倫の体格でも糸化すれば子どもと同様に女性の身体に挟まれることは可能であるが…エルメェスは?普通に考えればシートの中に潜りこんでいたり、シールでシートを増やしていたりする可能性が高いと思います。う〜ん、もっとアッと言わせる方法はないかなぁ。
 実はエルメェスは墜落に巻き込まれて死んでいる。しかしキッスのシールによって頭部だけ徐倫とともにシールで2つになった女性の間に挟まれて生存する。そして徐倫がヴェルサスをボッコンボッコンに千百発殴ったのを見届けてから昇天、さらばエルメェス。

☆予告「次号、徐倫とエルメェスの反撃!」。…………まっ、ということでね(意味不明)。

☆(2)まっつぐ(江戸っ子風)に考えればまぁ、神父とヴェルサスを誤認させると思うのですが…論理的にいくつか問題があるのも確かです。まず容姿が明らかに違う。「幻覚」は現在、神父のホワイトスネイクが封印状態にあるため使用不可。ヴェルサスの全身を黒焦げにして容姿をごまかす…もあまりメリットがない。徐倫が神父とヴェルサスの存在を探知できるからです、うまく誤認させてもあそこまでやったヴェルサスを徐倫が見逃すとは思えないです。
 意表をついて、交換するのはウェザーとヴェルサスだったりして(思いつき)。

☆(3)ウェザーのDISC。ほとんど手がかりなしですね…神父がウェザーを記憶を取り出しGDSt刑務所に閉じ込めた理由。とりあえず二択として、天国へ行くために本当に邪魔だからもしくは天国へ行くためへの切り札のどっちか。おいおい予想していこうかと思います。

 今日はここまで。ではでは。