‘02 22+23号  Act.114 あった

「死骸が『溶け』始めている……」
「そ…そうだ…」
「この『生き物』…何かで見た事があると思ったら……あの『ロッズ』では!?」
「ビデオによる撮影だけでその死骸は完全な形で採取されていない未確認生物……」
「……死ぬとすぐ溶解するからだ……この『ロッズ』を操るのが能力なのか?」
 あいかわらずの博識ぶりを見せるエンポリオ。
鯖よりも早く腐れてるロッズ。内臓が全く確認できない…本当に何を食べているのでしょうか?
「その謎の素質は『エサ』にある」
「決して激突しないその飛行方法も、そのエサのためにある飛行であるはずなんだ」 

 そして始まるリキエルVS徐倫、エルメェス!!

『近づいて来い……』
『オレに近づけば近づくほど『ロッズ』のおまえらへの攻撃は正確なダメージとなる…』
『落ちついて狙えば全ては一瞬で終了する…あわてずに徐倫をここに引き寄せよう』
 意外と冷静なリキエル。

「うっかり近づくなよエルメェス、正体の謎を調べてからだ」
 徐倫の言葉にびっくりリキエル。
「わざわざ姿を現して来たって事は、つまり近距離ほど攻撃が正確にってことだからな」
 徐倫の言葉にどきどきリキエル。
「ああ……しかもヘリのような狭くて動けない室内にいるところを狙ったってことは」
「広い場所ではそれほど精密な攻撃はできないってことだ」
「あたしたちを2人同時に攻撃するという器用なことはこいつには無理だ」
 エルメェスの言葉にだらだらリキエル。

『落ちつけ……』
『こいつらのスタンドはせいぜい射程が1〜2m…向こうだって近づいてこなければオレのことは倒せないんだ……』

「石を拾え徐倫、こいつの正体をさっさと見極めよう」
「石をはじき飛ばすってことか」
 エルメェスと徐倫の言葉にきょろきょろリキエル。しかも、ふと気づけば……。

「あ…なんだ?」「くそっ」
「バイクの下は湿地かよッ。沈んでいくぞ」
「エンジンかけてドロから出さなきゃ」
「キーはどこだ…どこだっけ!?」
 メガネメガネッ状態のリキエル。

ドギュウウウウウウウ

 石つぶてを投げつけるキッス&エルメェス!!
しかしリキエルに向かった石は遥か上空へと舞い上がる。

「それだッ!!」
「空中で「石」をはじき飛ばしてるって感じはまったくないのに……!!」
「なにをやれば「石」はああいう動きをするんだ!?」
「『ロッズ』は空中で何をしているんだ!?」

「たしかにさっぱりわからねぇ…」
「だがエンポリオ、石がそれたってのは間違いだ……」

 石つぶてはすでに「シール」により「2つ」になっていた。エルメェスがシールを剥がす。
キッスの能力により「1つ」に戻ろうとする石はリキエルを挟撃する。
「グ…ウああああっ」

「こいつッ!防御力の方はほとんど無力(ゼロ)だぜッ!」
「徐倫、このままもイッパツ行くぞォォ―――ッ!!」
 二手に分かれたエルメェスと徐倫がそれぞれに石つぶてを投げつける。

『ど…っちから!?』
『エルメェスのヤが「シール」を使ってるからッ!』
『えと『ロッズ』を左方向へ』『いや右か』『バイクがむ、じゃなくて』
『徐倫も石を投げてる、いや違う』
『エルェスの石が戻ってくる』
「どっち!?」「苦しいィィ」
「息ができねえッ!」「ヒック」
「ひっく」「がケイレンして来た……ッ!!」

 パニック障害を起こし始めるリキエル。

「見えるぞ……エルメェス…」「そこらを飛んでるのが…」
「『ロッズ』が空中で停まっているぞッ!」
 ピクリともせず―羽ばたく事さえもしない―まるで時が止まったかのように空中に浮かぶ。

 ノドを押さえ、苦しげにスカイフィッシュを見るリキエル。そのリキエルにエルメェスが啖呵をきる。
「こいつパニックって自分の能力を操り切れないでいるんだッ!」
「てめーはここにブッ殺されに姿をあらわしたわけだなぁあああああ」
 今まさに石のシールを剥がそうとするエルメェス。

「あ」「あった!」
「キーはバイクについたままだった」
 スッ頓狂なテンポでバイクの鍵を見つけるリキエル。

 その刹那!!
ゲシャアァアア
 シールを剥がそうとしたエルメェスの左手が何かに殴られたかのように歪む。

「一本!」
 リキエルが右手の指を一本立てると操られているかのように…いや実際操られているのだろうが…弾かれたようにエルメェスの石を持っている右手の人差し指が立つ。
「あ…ゼロ本」
 今度は拳を握るリキエル、エルメェスも右手を握らされる。
「あ…ゼロ本」
 手を開くリキエル、やはり手を開かされボロオと石を落とすエルメェス。

「1969年7月」
「アポロ11号のアームストロングが人類初めて月面に立った歴史的事件…」
「オレは今までそれのどこが偉いのかさっぱりわからなかった」
「なぜならロケットってのは科学者とか技術者が飛ばすものだろう?サルだって行けるわけだからな」
 バイクのエンジンを点火するリキエル。
「だがオレはあそこにいる『ロッズ』たちを初めて見れたとき…その意味がわかったんだ……」
「月面に立ったのは人間の「精神」なんだってなッ!」
「人間はあの時、地球を越えて成長したんだッ!」
「価値のあるものは『精神の成長』なんだッ!」

「は…早く見つけないと…ロッズがやってる事をッ!!ズボンに漏らしちまってるんだ……ぼ…ぼく。本当に触られていないのに…た…助けて……助けて神様…オシッコが……」
「血だらけだよォオオオオ」
「血尿がァあ〜〜〜〜」

「これはああああ」「腐ってる」
 ボディブロウのようにエルメェスたちの身体を徐々に壊していくスカイフィッシュの能力。

「おまえらが神父の成長を邪魔するというのならッ」
「オレは熱した鉄のような憎しみとともにお前らを始末するだろうッ!!」





実は女の子だったエンポリオ!!(←ウソ)

○あの月面の話なんですけど、アームストロングが神父、技術者や科学者が三人のことなのでしょう。技術者と科学者(ウンガロ、リキエル、ヴェルサス)により月面に立った(天国に至った)アームストロング(神父)、それはアームストロング1人の功績ではなく人類の功績(人間の成長)である。

地球を越えて成長した!!(←スゴイ好き、このフレーズ)

○(エルメェス語)
「ああ……しかもヘリのような狭くて動けない室内にいるところを狙ったってことは」
「広い場所ではそれほど精密な攻撃はできないってことだ」
 エッ?ヘリに乗っているところを攻撃したのは「逃げられる空間が無い」「墜落死を期待できる」だからと思っていたのですが…。結果的にスカイ・ハイは2ヶ所を正確に攻撃できなかったので、エルメェスの言っている事は正しかったですが。


○謎が継続されたロッズの生態。でも来週には解明……えっ、合併号!?後2週間!!うわっ、長いなぁ……。

○さて先週に続いてロッズの攻撃を並べてみましょう。

(1)神父の歯を抜いた。
(2)目がストーン。
(3)目から流血。
(4)右手が肥大。
(5)ロッズは標的に(見かけ上は)接触していない。
(6)投げつけられた石の軌道を逸らした
(7)エルメェスの指を腐らせた
(8)エルメェスの手を操った
(9)エンポリオに血尿を漏らさせた

う〜ん、なんかバラバラとしか思えませんねぇ。2つほどロッズの能力を推測。

超音波。ロッズは超音波により体内の水分を刺激し内臓にダメージを与える。血尿は肝臓にダメージを与えた結果。手や指の水分を刺激する事で大きさを変えたり、腐らせたりする。ロッズの超音波の利用法はコウモリとほぼ同じ。

磁力。血液に含まれる鉄分を刺激する事で人体へ様々な影響を与える。指先の毛細血管内の血液を刺激する事で指を腐らせたり、操ったりする。ロッズが羽ばたきもせず浮いているのは地球の磁力を利用しているため。メタリカの焼き直しの能力。

スカイフィッシュの能力を色々と予想したのでちょっとまとめてみましょうか。

攻撃方法 エサと飛行方法
酸素・1 酸素をオゾン化したり、高圧で発射する。 酸素。空気に乗っている。
超音波 体内の水分へのダメージ。 コウモリのように超音波で探知して、または超音波そのものをぶつけて虫を捕獲。
磁力 血液中の鉄分を操る事により人体を操ったり、身体を腐らせたりする 鉄。地球の磁力を利用して飛行。
酸素・2 活性酸素を増加。活性酸素により人体に局部的な激しい老化現象を起こさせる。 酸素。空気に乗っている。


 次のジャンプは5月14日です。ではまた来々週!!