『『刑務所（グリーン・ドルフィン・ストリート）』の外にも……神父の部下がいるッ………』
『この「敵」の方もなぜかあたしの存在を感じて追跡してきている……』
『でも「何をされたんだ」！？』
「なんであたしの瞼（まぶた）が閉じて出血しているんだッ！？」
　ムリヤリ両手で右の瞼をこじ開ける徐倫。その目に飛び込んできた光景は……。

　ヘリコプターのフロントガラスから覗く世界は傾いていた。

「エンポリオッ！右へ落ちているぞッ」「ヘリを立て直せェェェーーー」

「やっているよォォォ」「自動操縦にッ！しようとしているよォオオオオ」
　Ｙｏｏｏｏｏ！！私も運転中にコンタクトレンズがずれて目に激痛が走り瞼を開けることができなく、事故の一歩手前まで行ったことがあります。後ろに車がいなくて良かった、いたら接触事故に必ずなっていたはずです。経験上言わせてもらえば、それくらい運転中に予告なしで目が見えなくなるのはヤバイ！安全な状況に持っていくことさえできない。逆に安全な状況に持っていこうとする行為がさらに危険を増幅させる可能性も高いです。

　そして飛び回る何か。それを察知するエルメェス。
「やはりいるぞォォォォ」
「ヘリの中に何かがいるッ！！動き回ってるぞォ―――ッ」

「オラオラオラオラオラオラ」
　ラッシュを仕掛けた拳から糸が放たれ、ヘリの中に縦横無尽に糸を張り巡らせる。だが全く反応はない。
「本当にいるのか！？まったく触れない！あたしの『網の目』に…ぜんぜんカスリもしないぞッ！」

「いるッ！」
「小窓から入ってきたんだッ！動きが速すぎるからその存在に気づかないんだッ！」

ドヴァウーーー

　エンポリオも…「ぼ…ぼくの目から……」
「うああああっ！！出血がああッ」

「見えないうえに触れられていないもいないッ！」
「触れられるならそいつの位置がわかる」
　ふと気づくと、右手が明らかに左手より巨大になっている！エルェス！！
「まさか病原体みたいなものを撒き散らしているのでは――――ッ！？」　

　ムッ！やるなエルメェス！！目から血が出るところとか、身体がむくむところとかは肝臓を攻撃されているのでは？とも考えましたが。

「この「素早い」敵の位置さえわかればたたきのめせるか？エルメェス」
「この『速さ』の方向さえわかれば……」

「ああ！触れられるなら瞬間でたたきのめしてやるぜッ！チクショオオオオ」
　徐倫の問いに流れで答えるエルメェス。しかし徐倫が起こした行動は……。

バグウウゥ
「良しッ、エルメェス」
「このヘリを捨てるぞ」
　エンポリオをひっつかみ、エルメェス共々ヘリの外へ飛び出す！！
フレディ・マーキュリーは歌詞に「Ｆｌｙ　Ａｗａｙ」を多用したと言うが……いや、そんなことはどうでもいい。「Ｆｌｙ　Ａｗａｙ」というより「Ｄｉｖｅ　Ｄｏｗｎ」である。

「ばかな徐倫！このスピードから飛び……」
　その瞬間、追跡する何かを感じとるエルメェス。
「見えるッ！」「なるほど見えるぞッ！」
「追って来やがったッ！」

　追ってきたのは……うまい棒です。ポテトチップがついた。
それをキッスの拳で叩き潰すエルメェス。しかし！
「い…一匹だけじゃあねえ……！！」

「エルメェーース！！」
「限界だ！！地上に激突するぞッ！！」
　徐倫の身体が胸の下までほどけている（デス１３戦のハイエロファント・Ｇみたいだ）。
「あたしにつかまるんだぁ――――」
　何重にも撚り合せてワイヤーロープのようにした糸をヘリから垂らしている。このロープで落下の衝撃を和らげているようだ。

ドバアァアアアアア

　海に叩きつけられる徐倫、エンポリオそしてエルメェス。
ヘリは彼方へと……。墜落してねぇーじゃないか！！ウソ予告だったとは………。

「瞼があがってるぞ。元に戻ってきたぞ…見える」
「どういう事かわからないけど」「ウイルスとかじゃあないみたいだ！！」
　さっそくエルメェスの説を否定するエンポリオ。

「気をつけろッ！」
「攻撃はまだ終わってねぇッ！何匹もいたんだッ！」
「スタンドじゃあねえッ！」
「『生物』だッ！」
「なんなんだ、この生物は！？」

　身が溶けて背骨が見える。柔らかそうな身である。

「知らねーぞ、こんな生物」
「魚か？ヘビなのか？」
「目とか口はどこにあるんだ？何を喰ってるんだ？」
　「何を喰ってるんだ」？やっぱり何を食べているかが能力の秘密なんでしょうか？

「今まではよォ〜〜〜〜〜〜」
「車の運転さえ出来なかったんだ、このオレはな…」
「心を集中すれば集中するほど瞼がけいれんしたり、息が苦しくなったりなぁ………」
　オートバイの側にたたずむ男。いつの間に近づいたのか？
「でも…だんだん集中できるようになって来たぜ…」
「ヘリを襲えるくらいまでなぁ」

　リキエル参上！！こうして見ると首長族みたいです！

　予想的中！「リキエル参上」の一点のみですが…。

　近づきましたね、リキエル。逆にいえば接近しても３人相手にダメージを受けない自信にあふれているのでしょう。目をストーンにすれば簡単に接近させないでしょうし。しかし、リキエルがさらなる策（て）を持っているのは確実！なぜなら探知能力の高い徐倫の糸さえ近づけさせない自信があるからです。

　さてロッズの攻撃方法は未だに謎。今までの攻撃をまとめてみましょう。
（１）神父の歯を抜いた。
（２）目がストーン。
（３）目から流血。
（４）右手が肥大。
（５）ロッズは標的に（見かけ上は）接触していない。

　標的の周りを飛び回ることで毒や菌をバラまいているわけではなかったようですね。現実では「本当に居るの〜？なんかの虫じゃない」などと言われていますが、とりあえずジョジョの世界では未確認だがれっきとした生物！今までの攻撃を並べてみると外傷というより、身体内部への攻撃にように思われます。特殊な周波数を発して、生物体内への水を振動させているとか。目がストーンの場合は眼球内の水分への攻撃。

　今日はここまでッス。ではまた！