「気をつけろッ!」「そこのヤツ!走り回ってんじゃあねェッ!」
「握手するのはこのオレだッ!」
スパイダーマンだッ!オレがみつけたスパイダーマンだ!!

 ス…スパイダーマン!指先だけ出演。またもやギリギリ。ところでダイヴァー・ダウンって「アイアンマン」に似ていない?アメコミの。

「じゃまだッ!どけーーーッ!」

 走り回るなって言ってんのに……もう少しで握手できたのに…哀れメガネ帽子はアナスイにより脚立を破壊され宙に放り出される。
 どうやらウェザーと精神のアナスイはバスを降りたらしい。だがお互いが別々の方向を向いており、未だに噛合っていないことが解かる。

‘02 15号  Act.107 ストーリー通り

「オレは自分をおうぞッ!」「ウェザーッ!おまえは「敵の本体」を探せッ!」
『敵の能力に冒されないでこのオレを見えていないのはウェザー…おまえだけだ』
『これが敵の目的だ…スタンドから離れた無防備なオレを!』
『まず暗殺する気だ!』『「肉体だ!」』『オレの「肉体」を守らなければッ!』

 駆け去るアナスイ。

 いま気付いた…という感じでウェザー。
「アナスイどこだ?」「そこにいないのか?」
『おかしい……「不可解」だ………』
『敵は今スタンドを使っている……オレはその『存在』を感じる……』
『だが『敵本体』はこの街にいない……いや…むしろこの街からどんどん離れていっているのを感じる……アナスイを攻撃するのなら近づいてくるはず。どういう事だ!?オレはどうやってこのスタンドの『本体』を見つければいいのだ?』

 少し弱気なウェザー。ここで重要なのは敵本体が遠ざかっているということである。もしも敵本体がウェザー&アナスイを意識してこういう行動をとっているなら、すでの攻撃は完了した…ということになるが。

 とある店の前を通りがかるアナスイ。しかし罵声をあびせかけられる。
「よくもぬけぬけと戻ってこられたな、きさまッ!」「今、警察呼んでやるッ!」
 店主らしき人物は店のドアを閉ざし警察に通報する。どうやら肉体のアナスイが何かやらかしたらしい。

「どこだ?オレは!?どっちに行った!?」
「おちつけって!オレが何かしたんならあやまる。金ならある」
 20$札数枚を指し示すアナスイ。

たりるかァー――、店のテーブルを吹っ飛ばしやがって」

「なに、オレがこの店に入ったのか?金がたりないならもっと出すよ。弁償するよ」
 と言っている下でダイヴァー・ダウンがレジをいじくっているようだが…。次のコマでさらに詳しくダイヴァーの行動がクローズアップされる。アッ、なるほど。かつての吉良がやった…盗んだ金を盗んだ本人に渡す詐欺
「……えと」「くそ」「そうだ弟なんだよ!!」
「双子の弟」

 交渉を続けるアナスイの背後から銃と手錠を腰に下げた人物が近づく。

「どうかしましたか?」「何かトラブルでも?」
 警察官2人組みが背を向けているアナスイに職務質問をする。
「こちら第6班」
「グリーンドルフィンの脱獄囚に似た人物を目撃したとの通報により付近を調べている」
「今チョコレート屋の前だ」

 その時、アナスイの目に裏口から飛び出ていく肉体のアナスイが。
『オ…オレだ、あれはッ!』
『まだこのチョコレート屋の中にいるんじゃあねーかッ!』
『裏口だッ!オレは警察に追われていたから逃げ回っていたのかッ!』

「こちらを向きなさいッ!」「わたしに顔を見せて質問に答えてください!」

「なんでもないっスよ!」
「チョコレートを床にこぼしただけでッ!もう解決しました!」
 快活に応えるアナスイ(キャラをワザと変えているんだろうなぁ)。
そしてその顔は……ぶん殴られたかのように変形している、別人のように。
「通してもらうぜオヤジ!裏口いったんだな?」

「『ダイバーダウン』」
「チョコレートを顔面の中に埋め込んだ」
「プッ」とチョコを吐きだすアナスイ………チョコ?変な形していない?

 さてここで珍ニュースです。
{世界中を戦慄に陥れている不可解な「ファンタジー・ヒーロー」事件の続報です}
{本日現地時間午後11時日本の傑作劇画ヒーロー、ケンシロウがラオウと呼ばれる悪役ヒーローを東京西新宿で倒しました}
{西新宿に突然出現したラオウはこれまた現れた他のキャラクターを数十人殺傷したあとケンシロウによって倒されました}
{これは原作ストーリー通りの出来事であると目撃者は証言しておりますが}
{あまりの破壊と混乱のため状況の把握が難航しており…}

 チョコレート屋の外にでるアナスイ。
「おい、どこだ?出て来いってッ!」
「オレだよ!おまえはオレが守るッ!」

 女心を揺らす良いセリフなのに、徐倫に言わずに自分に言っているのがマヌケです。

  ガサ   ゴソ

 不自然に置かれた大時計の中から物音が。時計に向かって構えるアナスイ。そして続いて、恨めしげな声が…。

「よくも…やってくれたな……」

 ドグシャアァ

 時計を蹴り壊すアナスイ。ガラクタの中から飛び出した者は
「メェエエエエエエ」
 泣きながら鳴く子ヤギ。
「よくもぼくの兄さんたちを食い殺してくれたなぁああああぁああ」「メェエエエエ」
 亡き兄のため泣きながら鳴く子ヤギ。

「なんだこいつは!?」

 アナスイが先ほど吐き出したチョコがヤギとなっている。

「こいつはオレが顔を変えたチョコか?」「おめーらはヤギなのかチョコなのか!!」
「オレの肉体はどこ行ったんだ!?」

「『あいつはズル賢いヤツです』」
「『子ヤギたちをだまして家の中に入りました』」
「『そしてあいつは!』」
 ブルブル震えながら絵本を読む子ヤギ。
「『七匹の子ヤギたちを一匹一匹と捕まえて食べ始めたのです』」
「『唯一助かったのは一番末っ子の子ヤギ!』」
「『古時計の中に隠れたからですッ!』」

「何読んでんだ?」「おめーらは何のキャラクターだ?」
 その後ろで…。

「やったぞ!」「姫が目を醒ました!」
 先程の七人の小人が喜んでいる。白雪姫が馬に乗った王子の腕に抱かれている。
「ストーリー通りだ!!」「ストーリー通りだ!」
「ストーリー通りだぁあ!!」

 ストーリー通り!?

「『怒ったのは留守にしてたヤギたちのお母さんだあああー――』」
「『お母さんはハサミをもって狼を探し出すと狼のヤツの腹ワタひきずり出して』」
「『かわりに石をつめて池に沈めました』」

「あんたこれからかい?」
 ブッ!?
王子さまはチョコレート屋の店主かい。
「わしはもう肉体なんか必要ないぞォオオ」

 アナスイの身体から剛毛が生えだす。そして口が裂け出す。
そう…じいさんのように狼になりかかっているのだ。

「お母さんが…ハサミ持ってもどって来るぞォオオオオ〜〜〜」
「ぼくたちの!お母さんがぁああああ」

『て…敵スタンドが肉体を分離した…』『本当の目的は!』
『オレの肉体を襲うためではない…オレはひきずりこまれていたッ!』
『すでに!』
『「ストーリー」の中に』



  


 世界中で本の中からヒーローが飛び出すファンタジー。実現してみればサスペンス。

○ボヘミアン・ラプソディーの能力効果は世界中。少なくても日本までは射程内。B・ラプソディーの射程の中では精神と肉体に分離する。かといって、精神の方でも物体に普通に接触することが可能であり、また能力の影響を受けた人は精神と肉体の両方とコンタクトすることが可能である…というより特に違いを感じる事もないようである。能力の影響を受けていないウェザーは精神体の方を見ることができない。さて、そこら中から抜け出したキャラクター達と接触するとどうやらその物語のストーリーに強制的に参加させられてしまうようである。

○一番、強制参加させられてキツイ話はなんでしょうね。「殺し屋イチ」とかきつそうですね。

○ところで古時計が見えた瞬間、私は「七匹の子ヤギだ!」と思いました。なぜなら、童話のなかで一番好きなのは「七匹の子ヤギ」だからです。子どものころに私はカクレンボが大好きだったからです。小っちゃいころは毎日のようにカクレンボしていました。屋根裏から犬小屋まで、今は無き生家の隅から隅まで隠れました。さすがに古時計はなかったので替わりにTVの後ろに隠れていました。誰かがTVのスウィッチを入れた瞬間に「がお〜〜」

☆さて予想です。アナスイが「七匹の子ヤギ」のストーリーからどう脱出するか…?これはもう肉体のアナスイが生身で子ヤギを攻撃して、精神のアナスイを救う。再会した2人は叫ぶ。「フュージョン!!」…アレッ?(ドラゴンボール、ハリウッド映画化おめでとうございます)。さて時事ネタも織り交ぜつつ進めます。前半で精神と肉体のアナスイの再融合、そして後半はウェザーの本体探しが展開すると予想。

☆さて、個性豊かな人物を描き出す荒木先生ですが、今回は全く本体の情報がありません。最初に神父を人質にとったとき以来まったく音沙汰なしです。これは本体が特殊な状態にあり、それが解かった時のインパクトの効果を上げるために現在、情報を全くださないのではないでしょうか?すでに死んでいるとか…自らは絵本の中に入って物語の住人になってしまっているとか…。グッチョみたいに超ザコキャラだったりしてね。

 ではまた来週!!