書こうと思って先週の分に書けなかったのですが、1つ疑問なのがあの3人徐倫たちを襲うとしたら(絶対襲うとは思うが)動機は何だろう?ということなんです。彼らがDIOの子ども達だとしても、DIOの側の人間が「血の絆」という理由で闘うのは非常に違和感があります。彼らなりの理由が欲しいです。ミラションが出所を取引として徐倫を攻撃するのは納得できます。というか、囚人の場合はだいたいの場合はこれなんだと思いますが。ラング・ラングラーの闘う動機は不明ですが、隙あらばホワイトスネイクを倒すと言っていたのは好感を持ちます。能力のおもしろさに圧倒されてしまいましたが、ケンゾーの「暗殺風水の完成」というのも冷静に考えると、別に闘わなくても…というか風水を悪用すればそのまま暗殺の手段になるので別に格闘技と融合させなくてもいいのでは。しかしそんなことを超越した面白さなのも確かです……荒木マジック!
 話がそれてしまいましたが、3人のうちの1人くらいはヴァニラ・アイスみたいに真面目な(?)思考を持っていて「この世で一番大切なのはファミリーじゃ!!」という理由で襲ってくるのは良いと思います。1人は外道な理由で襲ってきて欲しいです。「人が苦しんで死んでいくのを見るのが楽しい」とかね(チョコラータじゃん)、実は男色家のサディストでアナスイに一目ぼれしてしまい彼にとって愛の表現である肉体への苦痛を与えるために攻撃を仕掛けるとか。

 では本編です。

‘02 12号  Act.104 優しいウェザー

 パトカーが降りしきる雨の中を走る。かなり激しい雨。公衆トイレの側で1人の老人が転んで買い物袋をぶちまけてしまう。転がるモモの缶詰を拾い、倒れた老人に手を貸す人物。

「いや…ありがとう」「大した事はないんじゃ」
「雨が降ると昔大工の仕事で痛めたヒザの古キズが痛むんでのう…」
 大丈夫というわりには辛そうにする老人。

「雨が降るとキズが痛む……」
 手を貸した人物が話す。

「ん。まあな…」「どっこいしょ」
「毎度のことだ…ご親切にありがとう」

 ページをめくると…ウェザーが立つ。実は老人に手を貸していたのはまた神父で、この後、老人が右半分だけ若返ってしまうのではと思いチョットどきどきしてしまいました。

「余計なおせっかいしてんじゃねーぜ、ウェザー!」
 アナスイも登場。やはりついてきていた。当然といえば当然、これで役者はそろったというところか。
「オレたちは脱獄囚なんだからな、顔を覚えられて通報されるぜ」
「パトカーが走り回っている…すぐにでも車を手に入れここを立ち去らなくてはならないって時によ」
「なにやってんだ?」

 なぜか水面台の下を覗き込み、何かを探しているかのようなウェザー。
「背中の囚人マークはぬりつぶした?」
「手を洗いたいんだがここの水道…蛇口にバーさえついていない」
「探しているんだ」

「それはセンサーで水が出る蛇口だ、ウェザー」
「刑務所(ムショ)にはなかった水道だがな…だがシャバのトイレには20〜30年前からあるんだ……

 少し天然ボケの気があるウェザー、徐倫と似ている!というのは強引かな。

「覚えてないのか?おまえは何者だ?」
「緑色の赤んぼうの首の後ろにもそれと同じ星型のアザがあったのをオレは見た」
「徐倫の父親にも同じ形のアザがあるらしい」

 手を洗い続けるウェザー。

「覚えていないのなら推測するんだな…」
「なぜおまえは「グリーン・ドルフィンにいた?」
「ホワイトスネイク……いや「神父」はなぜおまえから「記憶」だけ奪っておまえを閉じ込めて生かしていたのだ?」

「言える事はヤツは敵だって事だ。理由を知るためにオレは追跡し倒す」
「それよりおまえの言うとおりここを出なくては」
「外はパトカーだらけだ」

「絶対マシンガン積んでるよな…くそっ、積んでるに決まっている!」
「……だからさっさと車をガメるって言ってたんだぜ……行くぜッ!」

「盗難車はだめだ……どこまでも足がついてキリがなく追われる…」
「神父追跡の妨害になる」

「オレはこの今の状況のことを言ってるんだぜ……じゃあバスで行くとでもいうのか?」
「次は何時だ?バス停でバスが来るのを待つのか?」

 この2人の会話って楽しい!感情や思考をストレートに放つ男とそれに冷静に意見する男のコンビは荒木先生の十八番ですね。承太郎とポルナレフ、仗助と億泰、ジョルノとミスタ等など。

「なぁ…あんたら…ここでバスを待っているのかね?」
 そんな2人に声を掛けるのはさっきの老人である。
「さっきまで痛かった足の痛みが引いてのう…気分がいい」
「空も「晴れ間」が出てるし」

 晴れ間?こんな雨に?上を見上げるアナスイ。なんと雲にドーナツのような穴が開いていて、そこから太陽が顔をのぞかせている。穴からこぼれ落ちた光はピンポイントで老人を暖かく照らしている。

「………」
 この現象は…後ろの人物を振り返るアナスイ。
「『ウェザー・リポート』…」

「全然痛くない……すごくスガスガしい気分でのう、あんたに親切にしてもらったからかのう…」
「バスを待っているのならわしのトラックに乗っていかんかね?」
「途中まで送ってってやるよ…荷台で良ければだが…」

「ついているな」「お言葉に甘えるか…アナスイ」
 かっこいいゾ、ウェザー。「情けは人のためならず」ってやつですな。掛けた情けが自分に帰って来た。

 ウェザー・リポートの能力で雨を追い払い、悠々とトラックの荷台でくつろぐ2人。通りの向こうでは雨の中を駆けずり回るパトカーの姿も。

「徐倫は今……彼女はどうやって移動してんだ?」
「無事なんだろうな?」

「「徐倫」は「北」へ向かっている……それだけは感じる」
「「北」だ…とにかく「北」へ向かうのだ」

 トラックの荷物からテーマパークの紹介雑誌を見つけるアナスイ。
「北はディズニーの街か」
 その時、妙な事に気付くアナスイ。どのページにもキャラクターが描かれていない。そこに描く予定であったかのようにスペースは空いているのだが……。
「おい、ウェザー、このテーマパーク紹介雑誌なめてるぜ」
「キャラクターがどこにも全然載っていねえッ!ミッキーはどこだ?」
「ミッキ-を載っけねえでテーマパークガイドかあ?それともマヌケがキャラ掲載の許可がとれねーで雑誌つくったのか?」
 その時、大きな看板の下を通り過ぎる。
「おい!見たか!今の看板ッ!」「ミッキーがいなきゃあディズニーじゃあねッ!」

 相手がミッキーでも解体するんだろうな。
その瞬間、物陰を素早く移動する何者かに2人は気付く。

『ダイバーダウン』ッ!」
 物陰となっている木箱にダイヴァー・ダウンの右腕を潜行させる。

「アナスイ……いるのは一匹だけじゃあないぞ」

「いや…こいつはつかんだ…」
 尖がる鼻。
「だがなんだこいつは……?」





 新潟県に鯨波という所があるんですよ。(流浪人剣心に出てくる『鯨波兵庫』の元ネタです)。そこの土地には交差点の下を通過する地下道があるのですけれど、そこの入口が鯨のかたちをしているのです。地下道に入るときには鯨の口から入るので、ちょっとしたピノキオ気分になれます。

 と、まあ全く関係ない話で行数をかせいでみました(笑)。
しかし悪意あるピノキオです。口が猫口だし。ミッキーネズミも出るかな?権利がうるさそうだから出ないでしょうね。アナスイの「マヌケがキャラ掲載の許可がとれねーで雑誌つくったのか?」は自虐ネタ?確信犯?

○あの人のいい老人は…亡くなりそうです。今週、ウェザーの優しさを見せたのはその反動としての「怒り」を見せる伏線ではないでしょうか?

○まだまだ熱いウェザーの正体当て。水道の蛇口のくだりから、ウェザーは少なくても20年は刑務所にいると思っていいでしょう。2011年の20年前と言うと1991年。誤差を考えても第3部、すなわちDIOの死亡とほぼ一致していると考えていいでしょう……。

「神父」はなぜおまえから「記憶」だけ奪っておまえを閉じ込めて生かしていたのだ?」神父が奪ったウェザーの記憶とDIOまたはジョースター家の血をひくことに関係はあるのでしょうか?もしかして…逆に神父はDISCをウェザーに挿入することで記憶を封印したのではないでしょうか?このアイディアでも結局、なぜ記憶を封印したかという謎が出てきてしまうのですが。う〜ん。

「地獄の門」はやっぱり置いていかれましたか…。舞台が刑務所ではなくなったのでストーン・オーシャン(石造りの海)ではなくなりましたが、当初はインタヴューでも刑務所内だけと言っていましたが外に出て行きましたか。ということは、刑務所内では無理なもっと面白い舞台を荒木先生が見つけたということでしょうか…となるとヤッパリ、宇宙(そら)へって感じ?

☆そういえばエンポリオがウェザー・リポートの刑期を6年(5巻参照)と言っていました。と言うことはGDSt刑務所に来たのは最近ですね。神父自体も刑務所に来たのは約8年前(10巻参照)。神父がウェザーを、徐倫のように、謀略をもって刑務所に収容した可能性も充分考えられます。ウェザーの罪状は「殺人未遂」なのですが、だいたいスタンド使いが暴力をふるったとしてもそれを社会的に立件できないはずなので、ここらへんはハメラれた臭いがするのですが…。

 ではまた来週。