‘02 02号  Act.97 3つまで



「ホワイトスネイクからの……メッセージよ」
「『脱獄なんてことは考えるな』」「『全ては終わった』」」
「……そうすれば『承太郎のDISC』を無事刑務所の外に持ち出せるように……じゃまはしない」

 彼女が『真の看守』なのだろうか、まだ決定する事はできない。ホワイトスネイクにより能力を与えられた1人のような気がする。という事は…以後はホワイトスネイクの命令を受けたスタンド使い(彼女を含めて後3人と予想)が徐倫の脱獄を阻止。そして『真の看守』との対決。やはり『真』とつくからには1人のはずである。そしてGDSt刑務所を脱走、天国の時までに約束の地に到着し神父との最終決戦(アルマゲドン)。今までの荒木先生の発現によると6部の舞台は全て刑務所になるということですが…さてさて。ところで約束の地(北緯28度24分西経80度36分)には特に何も無い海の上だそうですが、近くにケネディ宇宙センターがあるそうです。宇宙(そら)へ…ってやつかな。でもジョジョの舞台が宇宙というのは似合わないですね。宇宙という舞台自体がかなり特殊ですから、スタンド能力とかち合ってしまい面白さがうまく昇華しないのでは…と思うんです。しかも宇宙という舞台はジャンピン・ジャック・フラッシュ戦のように地球上でも…むしろ能力の限界や制約という点をうまく活用した分より面白く再現されると思います。

 まつげを直しだす彼女。まゆげが後の百太郎。両手が尖がっているこのスタンド…その点でキン肉マンに出てきたスクリュー・キッドを思い出します。

「『ミューミュー』」「スタンド名は『ジェイル・ハウス・ロック』」
「あんたへの警告のために見せている」

「『あたしを始末しろ』と命令されたわけか?」

「今後ここを脱獄するつもりなら」
 徐倫のみではなくそれはアナスイやウェザー・レポートも含むというミューミュー。徐倫たち複数を相手に自身満々とはどういう能力を持っているのだろうか?

「今後、脱獄なんて…そんな予定はない……」
「今する」

 先制攻撃の右ストレートををミューミューに放つストーン・フリー!!

ドグシャァアアア

 しかし…鉄格子がストーン・フリーの腕に絡みつき拳を止める。鉄格子にはジェイル・ハウス・ロックがスリット状に潜んでいる。

「もう一度警告するわ…空条徐倫」
「鉄格子に触れるな」「脱獄を考えるほど死に近づくことになる」

「これが能力かッ!くらえぇッ!!」

「えっ!?」

 グェスがいる。そしてここは…徐倫が入牢した部屋。これは時が巻戻った?それともまた幻覚か!?

「あんたは『グェス』!ここは女子監房!?」
 突然の右拳の痛みにおもわず屈みこむ徐倫…その時、自分の手に何かが書いてあることを発見する。

 ★1 すぐペンを持て 
 ★2 新しく覚えられる物事は3つまでと思え 
 ★3 本体を倒せ ヤツの名はミューミュー 

 腕だけではない!肩や腹部にも文字が続く!!

 ★4 エンポリオに会え メモれ! 

「そうだ思い出した」
「あたしは懲罰房棟の件で独房にいてヘソにピアスしてそしてエンポリオ少年に会った…………彼に神父を追うため脱獄するって宣言した。そしてそのあと…………」
「そのあと……」
「えと……」「えと」
「脱獄するって言ったあと………」

 ★2 新しく覚えられる物事は3つまでと思え 

「ひょっとしてこのペンの文字あたしの筆跡だわ…」
「あたし自身がペンで書いた?」
「こんな事書いた覚えはない」
「ねえ!何であたし女子監に戻って来てんのよ!?」

 絶妙に良い顔で目線を持っているクイズ雑誌に逸らすグェス。そしてここから徐倫とグェスのコント…もとい、質疑応答が始まる。

「この文字あたしが自分で書いたと思う?」
 コクリとうなずくグェス。

 ★2 新しく覚えられる物事は3つまでと思え 

「あたし、あんたに同じ質問何回も聞いてる?」
 徐倫のズボンのポケットから折り畳まれた紙を取り出すグェス。

刑務所側医師は
徐倫。アンタが懲罰房棟でのショックのあまり
一時的な記憶障害に陥っており
3つ以上の事柄を新しく記憶することが
できないと診断。
過去のことは覚えているが
新しく4つ覚えたらひとつ忘れる。
しかし囚人生活には支障はなさそうなので
女子監に戻された。
2日前のこと。

2日?あたしがここに戻ってから?」

「早く元気になってね…徐倫」

「こ…これは……まさか…そ…そんな……」
「スタンド攻撃ッ!」

 ★3 本体を倒せ ヤツの名はミューミュー  

「あたしは今襲われているッ!あたしを脱獄させないための!!」
『エンポリオ少年までは覚えている…そのあと…そのあと…確か…何かあったような…』

 パンティをはき忘れるな 手を洗え  

「あっ!!」

 ★1 すぐペンを持て  

「そうだッ!おい!さっきペン貸せって言ったよなッ!グェス」
「それおまえ持ってんじゃないかッ!何回も言わせるよなッ!」
「よこせッ!欲張りッ!」
 
と言ってグェスのペンを奪う徐倫…もう一方の手にすでにペンを持っているので両手にペンを持っている。

 ★3 本体を倒せ ヤツの名はミューミュー  

 ミューミュー  

「ところでグェス…『ミューミュー』って名前のヤツ知ってる?」

「その質問は初めてよ徐倫」
「たしかハダがまっ白の金髪だ。ちぢれ毛でさ…背は徐倫くらい。なんの罪で収監されてんのかはちょっとわかんねーけどさ、どーせメス豚さ!」

「今までそこにいたよ徐倫」
「今この前を歩いていった!」

 手摺にもたれ徐倫を見つめるミューミュー…。早くも対峙する徐倫とミューミュー。

「も…も一回言ってグェス!」「どんなヤツ?」「ハダがなんだっけ?」

「『ハダがスゲーまっ白で』『ギンギンの金髪』『ちぢれ毛で』今歩いてたって!『身長は175くらいかな…』あみタイツはいてた。白いメス豚だよ」

「……………………」
「ここは女子監…なんであたし女子監に戻ってるんだ!?……」





○今週は120点です!何ていうのかな…荒木風コントでも言うのか、エルメェスがマックイイーンとやった回とかとにかく面白いですね。グェスの表情もグー!でしたな。グェスといえば、再登場しましたねぇ。いつ以来?徐倫が農場へ行って以来のような気がしますが…F・Fの登場とともに消えてF・Fの退場とともに現れたような感じですね。F・Fに代わるコントキャラでしょうか?

○あれだけセクシーなファッションをしているにも関わらず、徐倫はなんでパンティはあんなにダサいのでしょうか?普通はパンティラインを気にしてTバックとか履くんじゃないの?刑務所内だからセクシースキャンティーとかが手に入らないのかな?(少年誌だからだと思うけど)

○『ミューミュー』っていうファッションブランドは有名ですね。私でも知っています。ところで先週、ソニー・リキールの元ネタって何?と書いたら週感ジョジョンプの掲示板上でCON$さんから情報をもらいました。『ソニア・リキール』というのが元ネタでした。

○徐倫のように近い記憶が覚えられないのは脳の中の「海馬」という部位を損傷すると起きることがある現象らしい。ただし普通は「時間が経つ」ことで忘れていくらしく、徐倫のように「3つしか覚えられない」というのはマンガ的な演出っぽいけど。最近の映画「メメント」がそういう映画で、私も見に行きたいと思っていたのですが近くの映画館ではやっていないので足踏みしていました。あ〜…ますます見に行きたい!

○ところで「交通事故鑑定人・環倫一郎」というマンガの中でもこの症例を扱っていました。この場合、5分経つと記憶がリセットされてしまいます(昔の記憶はある)。この患者に対して環が与えたものはシステム手帳でした。その瞬間瞬間に考えたこと感じたことを書き留めていき、次の瞬間の自分に託す。それを読んだ自分がさらにその考えを押し進める。この話の最後には、この症状の原因となった交通事故を逆恨みによって犯してしまった友人と一度は彼のもとを去った恋人が、彼を一生支える意志と覚悟を持つに至る…。
 この話を読んだ後しばらくの間はこのことばかり考えていました。5分経つと記憶が無くなってしまうというある意味、思考の堂々巡りが起きる奇異さ…そして自分なら耐えられるか?また身近にこういう人がいたら自分はどういう態度に出るのか?等々…答えは出ず。

 ではまた!