『徐倫…君には言わないが……赤んぼうの「スタンド」をビンに閉じ込めた今……』
『このままオレは……「赤んぼう」を始末する!』



‘01 46号  Act.89 知能


 ショッキングなアナスイの独白から始まった今週。あれだけ冷徹なアナスイが「感じる」としか説明できないことを確実な未来として確信している。

「ス…スタンドを閉じ込めたって……アナスイ」
「このビンは強化ビニールじゃないの?そしてここは!『ビンの底』……」
「あたしたちはどうやってここから脱出するのよォォォォ――――ッ」

 自分が閉じ込められた事を認識したEE(赤子のスタンド)…、そして徐倫たちに再び照準を合わせる。その時!

ニョ      ズズ…ズ…ズ…ズズ……ズズ…

 ビンの口が捻じ曲がる…。

「『ダイバーダウン』を潜行させている!!」
「ビンの『壁』……!!そのものにな……」
「『ダイバーダウン』が『ビンの口』を壁面でスリ動かしているッ!!『ビンの口』が来るッ!!」
「出るぞ徐倫ッ!!」
 
ダイバーダウンが出口を強引に誘導してくる!同時に迫る徐倫たちをツブソウとするEEの右手!!
「突っ込めェェえー――ッ!!」

 迫るEEの手より早くビンの口に身を潜り込ませる。しかしEEの指はなおもしつように徐倫たちを捕まえようと、ビンの口に差し込む。ガリガリガリ…。だが無事に外へ降り立つ徐倫たち。

「ダイバーダウンがビンの口に栓をした…」
「これで捕えた…本体の赤んぼうも同様にな……」

 スタンドとシンクロして動きを封じられる赤子。これで一安心というところか。しかしスタンドは物質を抜けられないのだろうか?初期のスタンドの設定とは異なっているようだ。例えば18巻8P、ジョセフの台詞「おい、ちょっと待て!スタンドなんじゃろ、それぐらいすりぬけていけないのか?」。スタンドとは当然、物質をすり抜けられる存在であることを指し示している。赤子の未熟さ故に透過できないという可能性もあるが…どうであろうか。ダイヴァーダウンの「物質に潜行」という能力は通常のスタンドの物質透過不可を顕しているような気もするが…どうであろうか。

 スタンドが閉じ込められたビンを蹴り転がす赤子。ビンはゴロゴロ転がり徐倫たちを追い越し、方向転換をする。何かに気付くアナスイ。

「まさか!!」
「転がって回り込む気だッ!」
「赤んぼう方向に戻ることはできないぞッ!こいつの追い越されたらもう終わりだッ!」

 駆け抜けようとする徐倫たち!そこにEEが中からパンチを繰り出しビンを徐倫たちにのしかける!!

ズゴオ――ン  メギャメギャ  バギャバギャ

 嫌な音を立てながらビンに押し潰されるアナスイ。間一髪で上着のみをはさまれるだけですんだ徐倫。すぐに上着を破り脱出する。それを見つめる赤子。

「うおおおおおおおお……」

 ビンの中から拳圧でアナスイを責めるEE。

「うぉぐぁっ!ガブッ」

 血を吐くアナスイ。ダメージが内臓にまで及んでいる。「ロード・ローラーだッ!!」を彷彿とさせる押し潰し攻撃。ローラーでダメージを与えると言えば、サンシャインの「地獄のローラー」を思い出しますネ(←だからナニ?)。堪らずストーン・フリーでビンを砕こうとする徐倫。

「徐倫!ビンを破壊してはならんッ!」
「出て来たこいつに捕まる方が最悪だッ!」

「でもこのままだとあんたが押しつぶされてしまうッ!」

「徐倫!ビンを破壊するなァー――っ」

 

 その時、徐倫の背中を叩く(大きな)指が……。振り向く徐倫!誰もいな…い……いたっ!なんと赤子が徐倫にとりついている。しかも、いつのまにか大きさが元に戻っている徐倫とアナスイ。

 徐倫の身体に抱きつく赤子。

「な…なんなのよッ!?これ!?」
「元の大きさに戻ってんの?あたしたちッ!」
「どっ!どうなってんのよ――――」

「徐倫…ビンを割ったのか……」(だから赤子は徐倫に近づけた)
「そしてどうやら」「その「赤んぼう」……好奇心がわいたようだ」
「そいつは君に興味を示して君に触れたから攻撃をやめて元の大きさに戻れたようだ…オレたちは…」
「君の上着が脱げて……君の左肩にあるその「星のアザ」に……」
「興味をそそられているようだ……」

『……というより引きつけられたのか?こいつの肩にも同じ形のアザがある……』
『何者なんだこいつは』
『まるで以前から徐倫を知ってるかのようだ』

「ね…ねえ…」
「な…なんか」「なついちゃっているような感じなんだけど………」
「ど…どうしよう?」

『なついてるだと?』
『違う…間違いない。こいつは絶対「敵」になる!
『今…殺しとかないと「能力」だって奥になにか秘めているのかもしれん!』

 「敵」になる……。恐らく、恐らくなるであろう。「敵」とまではいかなくても、徐倫に降りかかる「災厄」になることは間違いないと私は考える。もし徐倫が赤子をかばうなら、赤子を狙うアナスイは潜在的に徐倫の敵となる。まさしく四面楚歌!
 そして「赤子」とは何者なのか?DIO?ジョナサン?……星型のアザがジョースター家の証として最初に出たのは第3部初頭…現在、最大級の謎という煌きを星が放っている。シンプルに考えれば、赤子もジョースター家の一員となるが……。DIOの記憶を持っているのだろうか?持っているとしたら、ただ持っているだけだろうか?あるいは何らかの感情(復讐心)も持っているのだろうか?


「とりあえず徐倫…ここは犬どもから逃げるんだ……」