‘01 44号  Act.87 追いつく方法


 オープニングは徐倫たちと「緑の赤子」の現在の状況。非常にわかりやすい良い絵です。簡単にまとめると「緑の子」に近づく程、反比例してサイズが縮む。

「待て徐倫!」
「こっちをみるんだ」
「なんだあれは……!!」
「聞こえるぞ……だんだん近づいてくる」

 アナスイの言葉に周囲を見る徐倫。近づいてくるのは訓練されているであろう犬が数匹。もはや「緑の赤子」をジックリ観察する時間もないことになる。ボートを使って一時撤退しようというアナスイに対して徐倫は、

「アナスイ…刑務所中があたしたちを探しているというなら……正体はわからないがあの『ホワイトスネイク』!」
「アイツももはや…看守たちに混じるとかしてずぐ近くまでせまって来るはず……」
「そしてホワイトスネイクはあたしの父さん「記憶(ディスク)」から……」
『あの赤んぼうの「能力」の事を知っていて、ヤツだけがその「能力」を利用できると考えるべきだ』

 ホワイトスネイクはこの現象の解答を知っている!読み返してみると「DIOの骨」から何が産まれたのかは知らないらしいが、その能力はわかるということか。まさかこの「近づけさせない」能力が「天国へ行く方法」ではないだろう。う〜んコンガラガッテ来たぞ……。まとめてみよう。

 神父は「承太郎の記憶」より「天国へ行く方法」を知っている。しかし「天国」が何かを知らないのだ。これは7(70)巻にホワイトスネイクとスポーツ・マックスの会話から推測される。「骨」にリンプ・ビズキットの能力を付与したところ、それをキッカケとして「骨」は暴走ともいえる行動を示した。これにより神父は、「承太郎の記憶」により知りえた「天国へ行く方法」が実在している事を確信し、「骨」の行動より「天国」を見ようとする。「天国へ行く方法」を知っている神父がなにゆえに自分に施さないのか……という疑問も「天国」とはいったい何かを知らないというなら不思議ではない。誰にも正体を明かさない神父が石橋を叩いても渡らない慎重さを示したと考えられる。
 「天国」は「近づけさせない」能力の向こうにあるらしい。そして神父自体は能力を突破できる方法を知っているということか…。

「よく考えずにあの「能力」に近づくのは危険だ」
と再度いうアナスイを振り切り再び「緑の赤子」にダッシュする徐倫。

『………『集中力』………か……』
『徐倫のひとつのことをみつめるあの『集中力』……』
『きっとオレは彼女のそれに引きつけられてここにいるのだ』
『『集中力』は美しさを際立たせる……その瞳……そしてそのうちこのオレのこともみつめさせてやる』
『………その集中力で………』
 
なんだかんだで結局徐倫の後を追いかけるアナスイ。惚れた者の弱みか。

 徐倫たちの周りの景色が巨大化している。赤子の能力はやはり無機物には影響しないようだ。ということは、石を投げて赤子にぶつけたらどうなるんだろう?でもこれでアッサリ終わられてもねぇ……。サンのスタンド使い並みにガッカリです。

『ストーン・フリイィー――ッ』

 オォっと、糸を伸ばす徐倫!私の考えでは距離が伸びるのは「歩幅」が縮むためなので、宙を走る「糸」は影響を受けないと思っていたのですが……

「だめだッ!徐倫ッ!」
「体が崩れてきているぞッ!それ以上「糸」を放出するんじゃあないッ!」
「たとえ飛ばした「糸」だろうとあの赤んぼうに近づけば近づくほど「糸」の「太さ」も」
「1/2!1/2!1/2!
「どんどん細くなっていっているという事ッ!」

 糸を放出し過ぎて身体がスカスカになる徐倫。耳が落ちかかっている。リンプ・ビズキッド戦では忘れられていた設定でしたが……。

「納得できないッ!」

 気持ちはわかるぞ徐倫!だが、あまりに無謀!!そして、今度は上空からの接近を試みる徐倫。実は私はこれこそが赤子に近づく正解なのではと睨んでいたのですが………。

 「飛びたい女」徐倫…「緑の赤子」へダイヴを敢行!!しかし異変が………。

『なんだ!?糸が引っぱられている……!!』
『赤んぼうに届かなかったから回収していた「糸」が……!!』
『お………』「なんだ……重いぞッ!」

ガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシ

 糸を伝って来る何か……。ネズミ!?

「アム!アムウッ!アムウッ!」
 糸をかじりながら来るこいつは!?

『ま…まさか!こいつがあの緑色の赤んぼうのスタンド!これがスタンドの「姿」!!?』
「くそっ!地面はまだかァ――――ッ!?」「あんなに近くに見えているのに!!いつになったら地面に到着するんだ!?」「こいつは倍!倍に!でっかくなって向かって来るッ!」
 そして糸を噛み切られる徐倫!ダメージ!!

『パワーまでだ…(倍…倍)……で…』
『赤んぼうはすぐそこなんだッ!』『だ…だが……まさか』
『このまま地面に到着できないのでは………』
『い…いや』『……そんな事がッ』『こんな事がッ!』





 あのスタンド!最初みた時はネズミかと思っちゃいました。いや、絶対「緑の赤子」は仲間になります。少なくてもラスボスではないですよ。だって、ラスボスの雰囲気じゃないもん、あのデザイン。仲間になるデザインです。よくよく考えれば、背中の星のアザというのはジョースター家の証なのだから仲間となってもいいのでは。 

 「緑の赤子」の能力、どうやら隙はないようである。上空からの接近も許さない。次週は落下し続ける徐倫をアナスイが捨て身で助けるという事であるが……。「落ちつづける」。上空からの接近となれば、地面につかないかもしれないということはだいたい想像できていましたが、まさか本当にこれを体現するとは……これの脱出方法と問われると……う〜む。「上空は弱点」なんて思考は逃げていたといえるでしょうね。
 だが、スタンドが顕れたというのは逆にチャンスともいえる状況である。「近寄れない」能力なのに逆にムコウの方から近づいて来てくれる。たとえ「トドメをさす」という意味で近づいて来たのだとしてもこれをチャンスと言わずなんと言おうか!

 捨て身のアナスイ。徐倫の後から飛び込んだアナスイが徐倫を上空へ投げ返す…というのがベタな予想である。とりあえず赤子のスタンド名は「イーヴィル・エンパイア」と予想!

 ではまた来週…。