‘01 第41号  Act.85 思い出


 F・Fが最も恐れる事……それは自分の「知性」が消失する事であった……

 空条徐倫と農場で出会ってからは………その後の事はなんでも全て覚えている……

 刑務所の公衆電話の変なラクガキだとか、ベットの毛布やゴミのにおい、扉の開閉の音やトイレの音………

 徐倫たちと世間話をし……足の指の形が変だといって笑った事…全て記憶している……

 だが農場以前のことは……ただ命令に従い……理由の知らないまま…

 ホワイトスネイクの「DISC」をひたすら守る……

 それしか「記憶」にない……

 あの場所で何年間も「DISC」を守り生活したはずなのに………ある記憶はそれだけだ、機械のような記憶――

 生きるという事はきっと「思い出」を作る事なのだ……F・Fはそう悟っていた――

 それを失うこと…それだけが恐い

 空条徐倫が父親のために行動し……エルメェスとか信頼する者のために命を賭けて行動しているのは……きっといい「思い出」が彼女の中にあるためなのだ…それが人間のエネルギーなのだ

「思い出」が細胞に勇気を与えてくれるのは間違いない

 農場以前のフー・ファイターズにはなかった感覚だ…今はある!

 それが「知性」なのだ!  F・Fはそう悟っていた…



 せまる神父…。
「優先するのは…どっちだね?」「わたしか?それとも「DアンG」の……命か……?」

 銃を抜くF・F!銃口はDアンGに向かう!

「一瞬考えたなッ!!」
「その『差』が命とりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

ドギュウゥーーーン
 飛び出すホワイトスネイク!

ドバッ  ドバッ 

 DアンGにF・F弾を発射するも、F・Fの右側に回りこんだホワイトスネイクが銃口の前に右腕を差し出す。弾丸が右掌(てのひら)と二の腕に当たり軌道がそれる。1発がDアンGの頬をかすめ眼帯をちぎり飛ばすのみに終わる。
 そして、すかさずホワイトスネイクの左手刀がF・Fの頭部にメリ込む!!

 ホワイトスネイクはF・Fの頭部から「DISC」を引きずりだそうとする。銃化した右手は掴まれ制されている。

「ああっ…うあ…」

「おまえに「知性」と「能力」を与えたのは…このわたしだ」
「返してもらうぞ…」
「フー・ファイターズの「DISC」を…」
 
ホワイトスネイクはさらにDISCに掛けた指に力をこめる。

「!」
 しかし…その時、神父は見る。自分に銃口を向けるF・Fを。

『徐倫の事を考えると――――勇気がわいてくる』
『これこそが「思い出」なんだ……』
『これが「知性」なんだ』

バゴアァァァン

 ためらいなく、アッサリと自分の頭を吹っ飛ばすF・F!!
 飛び散る脳髄!同時にホワイトスネイクに奪われかけたDISCも吹き飛ぶ!

「なにィ……」
 予期せぬ事態に驚く神父。

 飛び散った体液がDアンGにかかる。

『まさか…もしかして……!「フー・ファイターズ」!!
 思い出す神父。そう、F・Fは人間ではない。頭骨が輪切りになっても生きていた存在なのだ。
「「ホワイトスネイク」ッ!「DアンG」を守れッ!!」
「その肉体をどかすのだああ―――ッ」

ズバアァ

 右頬ごと舌を切断されるDアンG。破片と化したフー・ファイターズがDアンGの口内に侵入したのだ。
「ホ…」「ホバッ」  「ホバィト」  「スネェェェェェェ〜〜」
 溢れ出る血液……すでに致命傷。そしてさらに衝撃映像!

ゴァパァァアアン

 首を切断され頭部がろくろ首のように飛ぶ。今週のストーンオーシャンはスプラッターです、カラーじゃなくて良かったかも。

 飛び散るフー・ファイターズの体片。だがDISCを運び鉄格子で区切られた向こうの運転席に移動する。

ば…ばかな』『こんなことが……「DアンG」からの尋問が』
『手に入らなくなる…「DIO」の骨から生まれえたものが、それが今どこにあるかがッ!』
 
おもむろに冷や汗をかきはじめる神父。やっとピクニック気分が終わったようだ。
「ホワイトスネイクッ!フー・ファイターズを絶対に逃がすなッ!!」
「逃がすなッ!!」
「フー・ファイターズの「記憶(DISC)」を読むのだッ!」

 どうやら死者からはDISCを取り出すことができないようだ。死人にくちなし。

 運転席で元の姿にかたちつくるフー・ファイターズ。
「徐倫に教えるんだ……」
「ホワイトスネイクの正体は……」「くそッ!」
教戒師のロベルト・プッチだという事を!!」
「でもその前にあの肉体はもう使えないッ!「水分」が必要だ!」

 場面は換わり……DアンGの死亡により、消滅するヨーヨーマッ。

「F・Fだ!どうやらやったらしいな。懲罰房棟で本体を仕止めたようだ……」
 ヨーヨーマッの攻撃により全身穴だらけの徐倫とアナスイ。特に徐倫は右目を負傷している。
 そして、消滅したヨーヨーマッの中から顕れる「緑の子」……だが…、

「!?」
 徐倫。

「中身が…」
「ないぞ……割れて外の殻のようなところだけだ」
 アナスイ。

 そのアナスイの肩を掴む徐倫。そして、ボートの一角を指し示す…。そこには、殻の破片と……、その下から覗く右腕。

「…………おい…お…」
 ショックを隠しきれないアナスイ。
「「手」なのか!?」「こいつは…!?」
「なんなんだ?…産まれたってことなのか!?「緑色」の…」
「「人間」なのか!?こいつは!?」

 ズルリと滑る「緑の…人」。

「落ちるッ!水の中へッ!」
 
思わず駆けより「緑の人」の腕を掴もうとするアナスイ。

ドグオ

「うぐあ…」
 アナスイの、掴もうとした左手の甲にハッキリとした手形が…。いや、手形などという生易しいものではなく、手の形をした窪みが出来ている…煙が立ち上がる程のエネルギー。「緑の人」の謎はまだ始まったばかりである。




 誰が言っただろうか……人生における最上の幸福とは愛されている事を知ることである。F・Fは知っているだろうか?自分がどれだけ皆に愛されているかを…。

 何か変な書き出しになってしまいましたが、あ〜、筆が重い。先週、F・Fは死なないだろうなんて予想していましたが9割がたF・Fは死亡すると私は踏んでいます。エートロの身体が破壊された時点で決定的のような気がします。「生命と引き換えのボス関連の情報」はジョジョの黄金パターン…とはいえ悲しいなぁ。

 さて「緑の人」によってボスの座が怪しくなってきたなんて言われているロベルト・プッチ神父ですが…えっ、エンリコ・プッチじゃなかったっけ?まぁ、それはそれとして。 私の予想としては神父の欲する「フー・ファイターズのDISC」が逆に徐倫の手に渡ると思います。もちろん「思い出」もイッショに。ここでポイントとなるのは神父自体は鉄格子によって現在いる場所からもう動けないこと。ホワイトスネイクの射程距離も20メートルと実はそんなに広くはない。神父から20メートル離れればフー・ファイターズの勝利である。
 来週、まずフー・ファイターズは救急車をバックさせる。そして自身はフロントガラスを割ってホワイトスネイクから距離をとろうとするが、ホワイトスネイクにガソリンを浴びせられて火をつけられる。赤い炎に包まれながらも、DISCを彼方へ投げる。DISCは転がりホワイトスネイクの射程の外へ。そして騒ぎの渦中の中、どさくさにまぎれて病院からぬけだし、看守に変装して侵入したウェザー・リポートに拾われる。

 最後のウェザー・リポートのくだりは御都合主義ですネ。徐倫の回復はどうする?なんて新たな謎もありますが、う〜ん、とにかく来週を待ちましょう。ではまた!