あえて攻撃を待つ徐倫……。そして徐倫の耳元でボソリと囁くアイツ……。

「ヨーヨーマッ……」

‘01 38号  ACT.82 ヨーヨーマッ


「『ヨーヨーマッ』」「それがわたくしの名前ですゥ……」
『ヨーヨーマッ』
「カエルの皮をなめす時はでもね(「ですね」の誤植か?)……」
「皮の裏側に脂肪と脳ミソをトロトロにまぜた溶液をこーやってすりこむように塗るんですぅ―――」
「しなやかな皮を完成させるためにね………」

 攻撃を待つ徐倫…。

 いつのまにかカエルを開きにしているヨーヨーマッ。
「もし お望みならあと10匹ぐらいつかまえて」「皮でクールなスーパーミニスカートとか仕立てましょうか?」
「どこまでも脚が長くみえてヒップがプンと上がってるデザインですゥ」
「おまかせくださいィ……」
「ヒップのサイズは87センチ?脚の長さは108センチといったところですか?」
 身長175センチで脚長が108センチ!羨(うらや)ましいスタイルです。もし私がガンタンクだったら嫉妬に狂って両手の大砲を撃ちまくっているところです。

「徐倫…どうかしたのか?」「……まじに……」
 そろそろ様子がおかしいことに気付きはじめるアナスイ。

『攻撃して来い……『自動追跡の…スタンド』…』
『きっかけが必要だというのなら…こいつの攻撃にはきっかけがあって、そして自動的というのなら……!!」
 そして…ゆっくりと…覚悟を決めて…アナスイの両目をふさぐ徐倫……。

 スウィッチは入った!

 瞬間ッ!ストーン・フリー出現!!徐倫の顔の周りを円を描くように拳を振り回す!

 そして…徐倫の顔の表面にはマスクメロンのような筋が。いや、ストーン・フリーの糸である。
さらに「蚊」を指先で捕獲している。糸を網状にしてさらに数匹の蚊を捕まえている。

『これを待っていた……!!『糸』を皮膚にはりめぐらせ何かが触れるのを…』
『攻撃方法はわかった!』
『あたしの…口を溶かす…こいつの方法が!!』
 叫ぶ徐倫!
「蚊だ」

 真っ青な顔のアナスイ。
「徐倫…」「こ…これは…!!」「ば…ばかな…」

 そう…そんなバカな!溶けている。徐倫の顔面右側が溶けだしている。眼球も半熟卵に…。

「徐倫ッ!」

「す…すでにこれは―――ッ!!」
 のけぞる徐倫。
『攻撃方法は……ち…違うのか?か…蚊ではないッ!』
『い…いや「蚊」以外の方法でも襲って来てるという事か』『…他にある…』
 崩れる徐倫。
『ア…アナスイに…』『アナスイに教えようと思ったのに……』
『攻撃方法を…まさか…ま…まずい…』
『一対一に…なってしまう!』

ドッサアァ――――
 背中から落ちる徐倫…。右目は完全に溶解、流れ出している。
だが徐倫は必死にメッセージを伝える。俗に言うダイイング・メッセージ(まだ死んでいないって!)。

Be All Eyes (決して目を離すな)

 糸による筆記体!蚊もイッショに指し示す…。

 蚊を指先ではさみ、見つめるアナスイ。
「き…きさまはッ!!」

「だんな様…」
「わたくし…まだ…この艇(ボート)の運転続けますか?それとも一対一…」
「このわたしと闘いますか?」
 そして…いよいよ本性を剥き出しはじめたヨーヨーマッ……。


 ところは変わり、特別懲罰房棟。通気口に潜むF・F…オォ、アゴが完治ではないが修復されている
 そして響く看守達の声。

「10数分…ばかしだぞ……」
「ほんの10数分の間だぞ」
「いったいこれをどう報告すればいいんだ…!誰か説明できる者はいないのか!」
 そして広がる奇怪な景色。
「何なんだ!?この懲罰房棟の光景は!?看守2名と囚人たち41名は全員どこへ消えたのだッ!」
「しかもこのちらばってる枯れた植物は何を意味しているというのだ!?」

 ヴィヴァーノ・ウェストウッド看守も植物化してしまったのだろうか…?合掌。

「ヤツはどうなんだ…あいつはまだ話は出来ないのか?」
「囚人番号MEI140671「DアンG」、現在確保されたのは彼ひとりだけですが…」
「なにしろ左腕がちぎれそうになってる重傷です。…今…尋問は無理です」
「まず医療班に渡さないと…」
 横になっているDアンGに3人の看守が側に居る。

 銃口をDアンGに合わせるF・F。
『看守に守ってもらってるつもりか……うすらクソ不気味なスタンド送り込みやがって…』
『腕だけじゃあないぜ!その脳天にF・F弾をブチ込んでやるッ!』

 通気口から抜け出し、柱の天井に近い部分の陰に移動するF・F。再び銃を構えるF・F。

…………なんだ…………………」

 F・Fが気付いたもの…。DアンG達から15メートル程離れている扉の陰に居る、ある人物を見つける。

「あいつは確か……」
「教戒師の『プッチ神父』……」
「看守どもがここへ来るのはわかる…神父が何をやってるんだ。こんな状況の場所で………!?」
「しかもいったい…あいつまるで…」
「『DアンG』を見張っているッ!?」


「それともお逃げになりますか?」
「ならばだんな様、あなたがこの艇からお降り下さい」

       ドグシャアアア

 今度は潜行させることなく直接ブン殴るダイヴァー・ダウン!
左の頸部から右後頭部へかけて拳をめり込ませる。ヨーヨーマッの傷口から蚊がボロボロ落ちる。

『ち…違う…』
『こいつの攻撃方法は他にあるッ!』
『……ア……アナスイ!ここは…に…逃げるべきよ……』
 
瀕死の状態で必死に思考する徐倫。
『緑色の子供を渡すことになってしまう……』
『でももう「一対一」!こいつはあんたに対し攻撃方法は隠したりしない!』
『逃げるべきよ!』『あんたがそれを見る時は……!!次にその攻撃見る時は…』

    ベコ    ベコ    ベコ

 アナスイの左頬に3つの穴が開く。そして溶解液が生理的嫌悪を伴う音とともに流れ出す。

『「蚊」じゃあないんだッ!』
『見えない攻撃方法をこいつは持ってるんだ!!』
 未知の攻撃に屈し、地に倒れ伏し、右目を失っても状況を冷静に見守る徐倫。

「今がお逃げになる………最後のチャンスかと思われますが……」
 ヨーヨーマッ…。

 しかしアナスイも屈しない…。
「用意をするんだ」
「てめーがこの世に生まれて来たことを後悔する用意をだ!」

 アナスイ VS. ヨーヨーマッ!しかし、アナスイに勝機はあるのか?それともF・Fがドラゴンズ・ドリーム戦のおいしい所を盗られたカリを返すのか?次週へつづく!!




 ヨーヨーマッ!!
 夜に無差別的に道いく人をヨーヨーで殴る人のことではないですよッ!
 まさか、ついにクラシックの世界が来るとは!そう、元ネタはあの有名なチェロ奏者のヨーヨー・マ以外いないでしょう。とするとレクイエムというのも、もしかしてモーツァルトから来ているのだろうか…?個人的にはヴァイオリンの鬼才パガニーニを出してほしいですが。ポップ、ハード・ロック、プログレッシヴ・ロック、ヘヴィ・メタル、テクノ、ラップ、ファンク、ジャズ、そしてクラシック……。もはやスタンド名を当てるのは無謀に近い行為なのか!?

 そしてなんと!「蚊」以外の攻撃方法を持っていたヨーヨーマッ。予想士魂をかきたてる展開である。情報をまとめてみると、(1)攻撃が必ず顔面に来る(2)目に見えない
 まず私は、蚊を媒介にしてスタンド寄生虫のようなものが対象者の血管を流れており、キッカケを持って溶解液をバラまくと考えたのですが(1)に関して、必ず顔面にくるのはあまりにもタイミングが良すぎるので恐らく違うでしょう。
 (2)で何故見えないのか?私の思うところでは蚊よりももっと小さい、ノミとかダニを使っているのでは?う〜ん、もっと良い予想を思いついたら追記します。 

 そして…ホワイトスネイク。ついに蛇の尻尾をF・Fに見つけられてしまった。徐倫はすでに「只ではすまない状況」になっているが、その代償として教戒師に迫ることができそうだ。「緑の子」の立場がまだ解からないので安易に予想ができる段階ではないですが…。
 アナスイたちが攻撃方法を解明しヨーヨーマッの行動を制し、その間にF・FがDアンGを暗殺するのかもしれない。

 今週は以上です!ではまた。