‘01 35号  Act.80 次の標的

『どうする…?ボートを追うか!?』『いや…今は…もう無理だ』
『……確実なのは…あたしがこのままこのスタンドの「本体の暗殺」を終了させること』

 下顎部が溶けるという事態にもかかわらず、なおDアンGの暗殺に向かう決意をするF・F!どこまで純なんだ…君は(感涙)。

『でも徐倫…あいつを見張るのは……』
『アナスイと「2人」だ』
『決して背を向けたり「1対1」になってはならない』『あいつの体液が………』

『気づかないうちに……あたしの口を襲ったのだ…』
『……ゆっくりと……』
『……少しづつ……』

 群がる蚊を鼻水一閃!鼻から捕獲、口から放逐。何やってんだコイツは?(以後、DアンGのスタンドを先週の私の予想にちなんで「STG」と呼びます)。

「こんな草の中で……?なぜ艇(ボート)を止めさせる?」
 
徐倫。

「わかってる」
「どんどん太陽と反対方向に進むのを止めると……君の体に植物が生えてくる」「だが…」
「なにか聞こえないか?」「おい エンジンを切るんだ…音を出すな」
 アナスイの奴ゥ〜、2人きりで何する気だぁ、フフ……などと軽口を叩けないくらいの緊張感を放つアナスイ。だいたい2人きりじゃないし。

 前方を窺(うかが)うためにSTGから目を離すアナスイ。徐倫も同様。

      ズッ

 とたんに身を乗り出すSTG。その横顔はまるでアナコンダのようである。

「おいッ!さっさと止めろといっているんだッ!!トンキチがッ!」
 振り返りSTGをどなりつけるアナスイ。

 ガクンと力が抜けたかのように体勢を崩すSTG。

 その時…
バババババババ………

「!!」

 疾走する2隻の湿地帯専用艇(ボート)。無線が流れる。
「現在 懲罰房棟全域に異常事態発生!」
「くり返すッ!」
「懲罰房棟に異常事態が確認されたッ!詳しい状況は現在調査中だが敷地全域の警備レベルは「4」に固定!」
「最優先厳戒体勢を敷けッ!」

「アガガァ!!」「ア」「アガッ」
 さきほど体勢を崩したはずみでハンドルを右目に突き刺し、頭部を貫通させハンドルをガクガクさせるSTG…。ところで、STGはどうやら実体化しているみたいですね。融合型スタンドなら、この不死身性もなんとなく理解できます。DアンGの左腕と融合しているという可能性も考えられます。

「おい 何やってんだ?」
 アナスイ。
「ハンドルからはなれろッ!」「水面に波が立つだろーがッ!!」
 STGを蹴りつけ、顔を引き裂いて無理矢理ハンドルから引き離す!

「2隻いるッ!」「あたしたちを追って来た?」
 徐倫。

「いや…違う……時間的に早すぎる!」
「だが懲罰房棟のこのボートがなくなった事を捜しているのは確実なようだ……」
 アナスイ。
「ここはやりすごさねば……『12.7oM2重機関銃』…射程距離は400メートル その威力は弾丸がかすっただけで手脚なら吹っ飛びこんな艇は即バラバラだろう……

 ごっつい機関銃が描かれる。
 その時、2隻の艇が徐倫たちの方向に転換する!

「方向が変わったわ――ッ!!」「こっちに向かってくる―――ッ」
 焦る徐倫。

「落ちつけ……見つかったのなら撃ち込んでくるはず!!」
 冷静なアナスイ。

「…」
 STGのアップ。何を考えているのか全くわからない……。

「10時の方角!今 草カゲで妙な波がおこったッ!」
「魚かワニでは!?」
「一応確認しよう!」

 さらに焦る徐倫。
「来るわッ!エンジンをかけて逃げたほうがいいッ!」
 だが逃げても重機関銃の的になるだけ。絶体×絶命か!?

「あのォ〜〜〜」
「葉っぱをとってですね……だんな様」
 ガサガサと大きな葉っぱをとるSTG。

「おい騒ぐなと言ってるだろうがヌケ作ッ!」
 トンキチに続いてヌケ作。いじめっこモード全開のアナスイ。

「いや…そうじゃあなくってですね」
 なにやらやり始めるSTG。
「葉を縦に2つに折るんです」
 折ります。
「編むんです」
 編みます。
「たてかけるんです」
 たてかけます。
「もっとたてかけてですね」
 もっとたてかけます。
「他の葉っぱを編み目にいっぱいさし込むんです」
 
さし込みます。

「あと根の付近手のはでんぷん質を多く含むもんですので 絞り出して」
「はい!顔にぬる」「ベタベタしてますが」「はい!顔にぬる」
 モデルは徐倫。
「葉っぱもくっつくし」「枝もくっつきます」
「泥もまぜこみカワイク化粧して……」
「はいィィ!みなさんもごいっしょしましょう!」
 お友達にも教えてあげてお友達もキレイにしてあげましょう。

 颯爽と駆けつける警備隊。
ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ
 ゆっくりと辺りを詮索する警備隊。しかし草木を身体や艇にはりつけカムフラージュした徐倫たちには気付かない……。だが係留ロープをウッカリ放流している。それに気付く徐倫。

「まずいッ!水面にイッ!」
『係留ロープが……』

「!!」
「なんだァァ―――このロープはぁぁ―――」

「……とっ」「この艇のロープか……先っちょこっちね」

「ストーン・フリー」「反対側をほどいて投げ込んだ」
 漂っているロープの先をいじらず、反対側の先端を警備隊の艇にコッソリ仕込んだストーン・フリー。短いが「うまい!」と思わせるシーン。

「別にどーってことないな…行こう」
 その時、無線が。
「農地内警備全員に緊急報告」
「全員懲罰房棟へ戻ること…」「くり返す 全員もどれッ!」
 それを受けて警備隊。
「戻れだと?懲罰房で何が起こってるのかは知らんがこいつはかなり深刻そうだぞ」
「ひょっとしたら仲間が死んだのかも」「戻ろうぜ」
 艇を発進させる警備隊。

ドビャアアアア
        ドバ ドバ ドバ

 エンジンの風圧で偽装した草木が吹き飛んでしまう!

「く…くそ」「徐倫、エンジンをかけろっ!」
 アナスイ。

「こ…こいつらはッ!!」
 
徐倫たちの存在に気付いた警備隊、重機関銃を旋回させる。

「急げ!エンジンをかけるんだ――ッ」
 
叫ぶアナスイ!

「間に合わないッ!発進するまでに撃たれるッ!」
 叫ぶ徐倫!

「貴様ら懲罰房でなにをやったあああああ―――」
 銃口がまさに徐倫たちに向けられようとする。

 その瞬間…徐倫の頬を蚊が刺している。その蚊は……STGの口の中から…無数に…。
前門と後門の危機!重機関銃の威力とSTGの恐怖…。




「蚊はね、ロイヤルゼリーを与えると血を吸わなくても卵を産むことができるんだ(注:血を吸うのはメスだけ)。つまり栄養が足りていれば蚊は別に人の血を吸うことはないんだよ。だから、蚊に刺されない最も有効な方法はこの大地を花でイッパイにして蚊が花の蜜だけで満足するようにすれば良いんだよ」
 ある大学教授の言葉より。

 さて、そんな牧歌的な話はともかくとして不気味な行動をするSTG。F・Fの言葉を参照するならば、あの蚊によりSTGのヨダレが媒介されて徐倫のアゴが溶けてしまうのかも…ゾゾ

 STGが何を感知して攻撃に転じるのかを考えたところ、彼が感知しているのは「視線」ではないだろうか。STGが感知した「視線」がゼロの場合、STGは手近の相手に対して「攻撃準備」をする。今週の場合は蚊を使って自分の体液を徐倫に送り込む……ゆっくりと……少しづつ……。そして「1対1」の時、転じて「視線が合ったとき」!仕込まれた体液が一斉に溶解液と変化し、肉体を溶かしてしまう!「視線を合わせる」行為は自分で調節できるはずで、状況がヤバイと思ったなら視線を合わせなければ良い。先週言ったように「1対1」を戦略ではなく、能力として考えましたが…さて、どうなるでしょうか。

 もう1つ。
 徐倫ってお人好しですよねぇ。今週は黙ってSTGに化粧させているし、先週はSTGの作ったイスに座らされているし。人にはよくダマされるし。これが承太郎やジョルノだったら、アヤシイと感じた相手は決して近づけさせず監視し続けるでしょう。恐らく、これって母親の影響なんだと思うんです。想像するに、徐倫の母親は人の話をすぐ信用するオットリヤで、感情をすぐ表すタイプ。う〜ん、なんとなくホリィを思い出してしまう…承太郎も自分の母親に似た女性と結婚したのかもしれません。まあ、私見です。
 どんな目にあってもお人好し!ついつい人を人を信じてしまう。…と言うとジョナサンを思い浮かべてしまう、これもジョースターの血筋か。 

 来週は合併号どす!「2週間もまてないよ〜」とジタバタし過ぎて熱を出さないようにお互い気をつけましょう。デハマタ!