‘01 32号  Act.77 太陽の方向

「いったいこれをやったヤツは何の目的で……!?」
「ど…どんどん広がっているッ!」

 死骸の変化した…不気味な植物が辺りを覆う。それらの前の徐倫。謎を背景とする主人公。いかにもジョジョ!いかにも荒木飛呂彦!!

「こいつらは何をされたんだ!?」
 徐倫の顔のアップ。しかし、その横顔には植物が芽生えだしている。

「!」
 気付くアナスイ。走る衝撃。
「それ以上動くなッ!空条徐倫ッ!そこで止まれ―――ッ!」

 動きを止める徐倫。訝(いぶか)しげにアナスイを見るF・F(目の負傷がまだ治っていない)。

「顔を見せろ…こっちをふり向くんだ」
 アナスイ。

 ふり向く徐倫…。だがその顔は正常なものである。植物は生えていない。
「なに?…なんのこと?」

「いや…」「そのまま……」
「なんでもないが…ちょっと調べたい」
 徐倫の前髪をあげる。アゴをあげさせ、首筋を調べる。口を開けさせ、中を見る。匂いも嗅いでみる(
←セクハラ)。

 これには徐倫もあせる。
「おいッ――!」「な…なにをやってる!!」
「F・F!なによこいつッ!」

「てめッ――アナスイ」

「F・F!おまえは黙ってろ!」
「この懲罰房の連中がこうなったのは「骨」のせいだ。敵スタンドではない…敵の能力ならオレたちから最初に攻撃するはずだからな」
「そこの小男が「骨」を拾い動き回ったから全員に広がったと考えるべきだ…そしてオレは徐倫……君が今「骨」に触ってしまったと思ったんだ」

 まだ本当のところは不明だが、アナスイは「骨」が直接的に接触した者に変化が訪れると考えているらしい。

「今 「糸」でそこの小男をつかまえた時!」「やつの握っていた「骨」に糸が偶然触れてしまったと思ったんだ」

 その時、「骨」が植物の上を、いや植物の方が動いて「骨」を動かす。だがそれを見つける徐倫。しかし、もう1人の観察者もそれを見つめていた。

「くそ…」「向こうへ行ってしまう」
「根のようなものが……「骨」を持ち上げて……」

 F・F言うところの「戦士風の男」。C・レクイエムをめぐるブチャラティ・チームとディアヴォロを彷彿とさせる状況である。異なるのは彼の能力が未だ不明というところだろう。
 そして彼のいうとおり、植物の根が「骨」を持ち上げはじく!「骨」はコロンコロン転がっていく。それを見て慌てる徐倫!

「「骨」だッ!あそこにあるヤツ!!」
「ころがっていく」

 ジャンプ1番 骨に飛びつく徐倫!!

「感染しているぞッ!徐倫―――――ッ!」

 「骨」にむかって指し延ばした腕から顔にかけて一斉に植物が生えてくる!!

「ばかなッ!」 叫ぶF・F。
「……………」 黙って観ている戦士風の男。
コロコロコロン 植物の陰で転がりを止める骨。

「『ダイバーダウン』」
 スタンドを徐倫の身体に潜行させるアナスイ。内部から植物を引っこ抜く!!

F・Fも喜ぶ。
「や…やった!アナスイッ!内側から!……」
「減っていくぞッ!もっととれよ!」「はやく全部引っこ抜け!!」

 しかしダイヴァー・ダウンを退けるアナスイ。

「まだ残っているぞッ 何してるッ!」

「引っこ抜く」だとか「生えている」という表現は正しくない」
「一体化している」「肉体がこれに変化させられているのだ」
「すべてこれをちぎりとってもいいものか?」
「痛みは……」

 アナスイ。

 「骨」を見る徐倫。そしてアナスイの問いに答える。
「……ないわ」
「あたしはどうやらあの「骨」に触れてしまったのね………」
「それよりこうなってしまった以上あたしから離れた方がいい……」「触ったらあんたまで感染するかも」

 しかし、肩をひきよせ手を握り徐倫を包みこむように抱くと徐倫の頬に生えている葉っぱをアナスイは口に含む。

「これは「植物」だ。せんい質であり「生きている」……それ以外の何者でもない…」
「何の種類かはわからないが移管の中を血液ではなく葉緑素が流れている」
だが どっち道なんとかするさ………
必ず………」

 自分の頬をなでる徐倫。いきなり植物が活性化する。徐倫の襟を掴み後方に引きずるアナスイ。

「光だ!」「戻れッ!」
「日陰に戻るんだッ!太陽の方向へ動くと急激に生長しはじめ、逆の方に移動すればおちつくらしいッ!」

 アナスイの言葉どおり、植物がしぼむ。

「目的は…いったい!」「これの目的はなんなんだ!?」
「懲罰房全員を植物に変えて何が起きるというの?」
「あの「骨」は絶対に手に入れなくてはッ!」

「だが どうやってッ!?「骨」を持ってたら植物になっちまうんだぞ徐倫ッ!」

「あたしが拾う…もうなっているから…」

 恐ろしく判断が早い女、徐倫。そりゃ…そうかもしれないけれど……無茶だ!

 叫ぶアナスイ
「太陽の方向に進むんじゃあない!徐倫」

 生長する植物!しかしかまわず進む徐倫……だが、

「「骨」は…?どこだ…「骨」は!?」「どこにあるッ!」
「たしか今 この花のところにころがって……」

 咲いた花のそばに何かを見つける徐倫…。

『「星の形」?なんだ…このアザみたいなものは……その奥になにか透けてみえるぞ…』

「こ…子供…」「『緑色』の…」

(つづく)





 背中に星型のアザはジョースター家の血統の証明である。しかしジョースター家以外でアザを持っているのは…言うまでもなくDIO。ではこの子どもはDIOの生まれ変わり?クローン?話の流れからすると『天国へ行く方法』により多くの魂を所有していた「骨」が周囲の肉を植物化してDIOのクローンとして再構築する…という感じではないだろうか。つまりDIOがいっぱいということになる。量産型DIO!そういえば「骨」が見当たらないようだが、もしかしたらあの1体と合体したのかもしれない。つまりあの1体が特別性という可能性もある。シャア専用DIO(ワケわからん)ちなみに先週の妄想は、最終的にDIOの精神を内包している「骨」がジョルノの肉体に侵入して彼を乗っ取り、再びDIOがこの世に降臨するストーリーであった。
  さて話を戻すが、あの子どもがDIOだったとして、問題は身体が『緑色』をしていることである。やはり葉緑素によるエネルギー製造機能を持っているのだろう。ということは……再降臨したDIOは太陽を克服しているのではないだろうか。

 ここで私はDIOと言いまくっているが、まったく別物が生まれてくることも考えられる。DIOを土台とした高次の存在の化け物…。ホワイトスネイクの本体名がエンリコ・プッチであり、「ラスボスDKの法則」から外れていることから考えて第6部・真のラスボスの登場かもしれない。

 今週は以上…ではまた!