クレイジー・ダイアモンドの治癒

 クレイジー・ダイアモンド(以後、CD)はご存知の通りその能力は「直す」ことである。しかしその直すことも分析してみると数種類に分けることが出来る。

(1)物質を直す
 CDが発動した能力の大部分を占める能力。基本的には壊れた際に分離した部品や破片を1つの物に直す、これは生命も同じであり血液や肉片が傷口に戻る。リスト18や35から流血が跡かたもなくなったたことから確信できることである。

(2)材料にまで戻す
 リスト22、25等。加工すると言うことは、ある意味では破壊と言うことなのだろう(熱を加えたり、曲げたり)。CDの能力には「アンチ・エントロピー」と言う裏の顔があるので、普通の「直す」では考えられない現象を顕現させる。

(3)元の状態に戻す
「直す」と言うより「アンチ・エントロピー」の顔を濃く出した能力。あらゆる物は散らかったりバラバラになる傾向にあると言うエントロピーの法則に能力を使って大胆に逆らっている。リスト26ではタイヤをただ直すのではなく空気を高圧で封入している。リスト32ではボルトを外されて落ちかかったパイプ(どう考えても破壊ではない)の状態を直した。

(4)生物を治す
 これはリスト55に関して推測されることである。CDは胴に穴が開いた億泰を治した。一応肉片らしき物が集まって来ている描写はあるが(46−P42)胴の穴を埋めるほどではない。つまり億泰の傷を埋める部品は爆破により消滅しているのである。また、その後に言われることであるが血は固まっただけでもはや人間の部品ではないので(46−P108)例え肉体が炭化して残っていたとしてもそれは恐らく人間の部品とはならないだろう。
 しかし億泰は治っている…つまりどういうことか。私見としては、(1)の能力で治しきれない生物(「動物」と限定した方が自然に感じる)に関しては自己治癒能力を活性させて肉体を再生させているのではないのだろうか。億泰に関しては仮死状態であったが、肉体を活性させるのには支障がないだろう。