キング・クリムゾンの謎

 ディアヴォロはキング・クリムゾンの時間飛ばしを主に移動回避に使用します。移動は、時飛ばしの間は自分を認知されないこと(されても通常時間に記憶は持ち越されない)を利用して奇襲と隠密に使用。回避は、時飛ばし中には動きを読めることを利用して全ての攻撃をかわすことができます。

 キング・クリムゾンに関する謎は、時間飛ばし中に他の物質と干渉可能かということに収斂(しゅうれん)されます。時間飛ばし中は物質に干渉できるか?という問題においてはまず作成したリストを考察します。その結果から言いますと、明らかに時飛ばし中に物質に干渉しているのはリスト1417。この2つだけは時飛ばし中に物質に干渉できると考えないと説明がつきません。何故、説明できないかというと、この2つは時飛ばし中に干渉したと考えないとブチャラティ・チームに行動を見られていない説明がつかないからです。

 しかし逆に干渉しないのでは?という描写もあります。リストはそれぞれ攻撃を透過することでかわしています。またキング・クリムゾンは時飛ばし中に自分の攻撃を当てたことがありません。時飛ばし中に攻撃をしかけてもディアヴォロのセリフから攻撃が当たるのは時飛ばし終了後であることが推測されます(例えば、リスト13では攻撃をしかけながらも「時が再び刻み始める時」と言っています)。そもそも時飛ばし中に攻撃を当てられるなら、血の目潰しをせずに攻撃を当てれば良いのです。血の目潰しをせず、本当に眼をつぶせば良いのです。

 攻撃が当たらないと書きましたが、実はリスト17では一般人がバラバラになって落ちてきています。これはどう解釈すれば良いのでしょうか。仮説としては(1)レクイエムの影響で時飛ばし中にも攻撃できるようになった(2)時飛ばしをする前にすでにバラバラにしていた(3)別のモノになっていた一般人は脆くなっており、上空に投げ上げただけで肉体の崩壊を起こした。(1)はジョルノに血の目潰しを行っている事から、レクイエム影響下でも時飛ばし中には攻撃を当てられない事を意味します。(2)は検証すると、通常時間に一般人をバラバラにしている暇はなかった(少なくてもブチャ・チームにはその行為を目撃されていない)と結論されます。というワケで(3)だと私は思います。キング・クリムゾンがバラバラにしたのではなく、なんらかの偶然的要素でバラバラになって落ちてきたと思います。

 時飛ばしの間に起こした行動は記憶には残らずとも無駄にはなりません。ブチャラティが割った柱は時飛ばし後も割れているし、無駄にならないからこそキング・クリムゾンは時飛ばし中の攻撃を予測してかわします。行動が無駄になったのはリストです。この場合は物質と干渉しない、通常の時飛ばしよりも深い能力が発動されたと推測されます。

 考えると、物質を動かす事は良くてと破壊する事は悪いというのはどうなのでしょうか?物質を動かす事で破壊に繋がってしまう場合はどうなるのでしょうか?(例えば、時飛ばし中に石を投げてそれが壁に当たって砕けた場合は)。1つの可能性としては時飛ばし中では物質が「破壊」を受けつけないということも考えられます(どこまでを「破壊」とするかは別の問題ですが)。例えば、キング・クリムゾンが時飛ばし中にどんなに蟻を踏んづけても蟻はびくともしない、かもしれません。

 不可解な現象はリストです。「過去と未来を時間を飛ばすことで〜」とディアヴォロは説明していますが、通常の時飛ばしではこの現象は全く説明できません。よって私はこの能力はキング・クリムゾンの作品中に1回しか発動しなかった第3の能力と考えます

 実は私は時飛ばし中に干渉しないという考え方が好きなのです。触れることも触れられることもできない空間で予知という「知識」もしくは「情報」だけが存在し交錯する…というのが美しくて好きだったのですが。こうして考察してみるとそんな事もなく…。ディアヴォロがその容姿(すがた)を現した事でミステリアスさを無くしたように、この考察によってキング・クリムゾンの能力が私の中で神秘性を無くしたのは残念です。まぁ、それが成長というものなのですかね。

まとめ:
(1)キング・クリムゾンは時飛ばし中には物質に干渉する事ができるが、それが直接的な破壊行為に及ぶ事はない。ただし間接的破壊行為に関しては断定はできない。
(2)本当に時間を消し去る事もできるらしい。
(3)「過去と未来の自分が対面」する謎の能力も持つ。

戻る