変身

 人には誰にも「変身願望」があります。ここでいう変身とは、自分の中の弱さを乗り越えるということであり、変身願望が無いという人は個人的には非情にうらやましいです。ただ「変身願望が無いと言う事が人と違う」と言う事が気になり、「変身願望があるようになりたい」という変身願望を持ってしまったり…。

 さて今回は「変身能力」について書きます。
 最近気づいたのですが、ジョジョの世界では「生命」と「物体」という区別は意外と大きなファクターとなっているということです。能力の影響が生命と物体(私はこの2つをまとめたものを「物質」と顕しています)の両方に作用するスタンドは実は意外と少なく、両方に作用するというだけで潜在的な強さがあると考えることができます。そこで変身能力スタンドは人間変身型、物体変身型、物質変身型で分けていこうと思います。因みに、ジョジョの世界では衣服は肉体の一部です。徐倫が衣服ごと糸化するのが良い例です。

人間変身型:
○イエロー・テンパランス
 肉を喰らって同化し、本体が纏うことで無敵の壁となる。肉を成形することで変身することが可能です。ただし、本体であるラバーソウルが身に纏っているという性質上、ラバーソウルよりも小さい者になれないという欠点があります。ただし、服装までも変身できるのは強みです。

○クヌム神
 オインゴの身体と融合したクヌム神がオインゴの肉体を変身させる。身長、体重、匂いにいたるまで完璧に変身できることを考えると、自分より小さい者―それこそ子どもにまで―に変身可能と推測できます。スタンドの特長において他に優れているところが無いという制約を考慮すると、声や指紋なども本人と合致させることができるとも推測できます(ただしクヌム神がどのようにこれらの情報を調達するかは不明、少なくても直接的に接触しなくても良いらしい)。服装を変化させることをできないくらいが弱点。変身能力という点ではトップのスタンドです。

○フー・ファイターズ
 目当ての人物になるためには、必ず対象者が死んでいなければならないという…変身というよりも憑依の能力ですが、容貌や体つきを変えることができるのは変身能力といえるでしょう。ただし、Y・テンパランスやクヌム神のように自在にとまでいかず、同一人物ではないくらいの印象を与えるくらいでしょう。
 フー・ファイターズの優れているところは記憶を完全にのっとることが出来る事です。「対象者になりきる事」の点で他の2体のスタンドを大きく上回っています…本物が現れてバレルということも無いですし。

物体変身型:
○ハイプリエステス:
 金属に変身する能力。金属のみならずガラス、ビニール、岩にも変身できるし、水中銃のように仕組みが単純なものなら機械にも変身できるという優れップリです。ある程度なら自分よりも小さくなれるし、融合を行えば大人を5人簡単に呑みこめるほどの巨大さにもなれる。

○アクア・ネックレス
 液体に自在に変身することが可能。変身というよりは体内に侵入するための手段です。小さい物―ウィスキーのラベル程度―なら個体にも変身できます。

物質変身型:
○ザ・フール
 砂の変幻自在さを利用しての変身。大きい小さい、生命物体の区別無く変身できるのは評価に値します。砂とはいえど、変身した時は色を自在につけられるようです。この点は砂鉄に自在に色をつけられるメタリカと同じです。ただ欠点としては、よく見るとザ・フールから砂がパラパラ落ちているのでバレヤスイというところです。

○アース・ウィンド・アンド・ファイア
 自分より小さい物になれる、複数のものになれる、単純なしくみなら機械にもなれる、生命/物体になれると非情に優秀な変身能力を持ちます。特定の人物にはなれませんが、逆に言えば特定をしなければどんな人間にもなれるということです。物体に変身するという点ではトップの変身能力でしょう。

番外:
○シンデレラ
 自分ではなく、他人を変身させる能力。肉体の変身にとどまらず、精神面をポジティヴにさせるという変身もさせます。変身能力で一番優れているのはもしかして、目に見えない「性格」というものを変身させる辻綾の能力かもしれませんね。