二月の日記
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2月13日 火曜日
いきなりですが、
一月の初旬、ひさびさに ちゅーかこの冬初めてじてんしゃで労働帰宅しました。車のやりくりの都合で。
2006年後期はグッタリ忙しかったので 燃料代かかるのはガマンして完全じどうしゃ通勤でした。
その回の自転車帰宅の時は 道草せーへんかったのですが、
ごくたまーに、つるみ川土手でひとやすみして、新幹線ながめてたりします。
ちゅーても 見上げるかたちなので そんなにいい眺めではありません。
すぐ近くのダイクマの駐車場から見おろす方が いい眺め。 そういや、昔、某さんを広島へ送り返した?
直後にダイクマ駐車場から新幹線眺めて、
すごいよなー、カネ払えば、このすぐ近くの新横浜から乗って寝てれば広島なんか数時間で
着いちゃうんだものなあ・・
なんて思っておりました。
鶴見川土手から700系新幹線をながめる・の図。
マニアさんなら御存知の、綱島の周波数変換変電所が 近くにあります。
東海道新幹線は交流60Hz専用車輛なので富士川から東では50Hzを60Hzへ変換して使っています。
これは42年前の開業当時から、将来 博多までどんどん延ばす予定が有ったので、60Hz地域に合わせて
統一しちゃおうよ・てな理由で。 Hzの変換てのは巨大モータで巨大60Hz発電機を回す!ちゅー
ダイナミックな方法でしたが最近は巨大?な素子で無回転でやってるみたいです。
こないだラクガキした長野新幹線は 車輛の方が進化して(E2系万能型)50でも60でも使える
ようになっとって、軽井沢で車輛の回路を切替えてます。
夜、新幹線をながめてて思うのは
「ずいぶん静かになったよなぁ・・」て事です。絵の左の方へ3kmも行くと新横浜駅がありますし、通過列車
であっても速度はそこそこ。街中なので。 それにしても静かです。たいしたもんです。
特に、初代のぞみ(といっても92年春営業開始だから15年も前か・・)300系からは、騒音発生の主犯?格である
パンタグラフが一編成あたり たったの2つに減ったので かなり良くなりました。 車輛重量が軽くなったのも
300系以降の美点。騒音もマイルドになりました。
パンタは 市街地を低速走行してても ・・シュワカーーーー・・シュワカーーーー・・ と けっこうウルサく、
高速ともなると
ぶんぶぶどどどど(先ず風の音)ドカンシャーシャーシャーシャーシャーシャーシャーシャーどどん・・・・
とまぁまるで「シャァの歌」のようにシャーシャーいってました。
初代新幹線ゼロ系は16両あたり8つのパンタを持ち、おまけに電気スパークをビシバシ飛ばして疾走してました
ので、シャーに加えてバリバリも有り、重くてゴーゴーも加わり たいへんでした。
・・まぁでも、「それ」が新幹線だな と思ってましたねー。
よる 富士川鉄橋とかをバリバリ走る新幹線を眺めるのが好きでした。
富士川鉄橋は長いので、図は大幅に短縮してあります。(めんどいもん。ビスタカーくらいなら描ける ちゅーか
描いたけど。)
ゼロ系新幹線は 超特急パワーを得るために全ての車輪(ちゅーか車軸ちゅーか台車ちゅーか車輛)が
モーター駆動します。 そんで、2両をペアにして(ユニット)1単位の電動車 としています。
ユニット内でトランスや抵抗や制御機を「分担」して受け持つ考え。なので片方では電動車として成立
しない。いまどき・・ちゅーか101系国電以降(いわゆる新型電車)は電動車がペアでユニットに
なってるのが普通。 (最近機器の進歩で1両ユニットが復活したけど割愛します)
そのユニットひとつに1ヶずつパンタが上がってますので、律儀に均等に一両とばしで8つのパンタが上がって
おったわけです。
ゼロ系の 8組のユニットは それぞれが独立経営?していて、電線で結ばれてはいませんでした。
新幹線がガンガン走ると、パンタは架線から一瞬ちょびっと離れたりします・・
その時には そのちょびっとの空中を電流が走ってアーク(電弧)放電しちまいますが、そこはなんつっても
25000Vの、かなりの高電圧!アークなんて優しい語感?のもんじゃ有りません!スパークです!バシバシ!
なんかもう8人の溶接工が200km/hでやってくる感じ。新幹線来ると夜が明るくなってました。
架線もパンタ(の交換式のすり板)も、毎日毎日 放電金型加工のごとく削られます。 かわいそう。
でも、新幹線のパンタは8つも要らないんです。電源電圧が25000Vもある高圧なので電流はけっこう少なく、
・・そうですねぇ現在最強の500系新幹線(トンガリ)が、一編成で約18000キロワット。
これを25000ボルトでまかなうので、電流は 720アンペア。 うちの小屋の電気が30アンペアだにゃー・と
考えると(そんなもんと比較しますか・・)けっこう少なくありませんか?
だもんで、一編成パンタ2本でやって行けます。最悪一本でもイケます。
ほんとは 容量的にはもうちょっと多い方が良さげですが、2本のパンタを電線で繋ぐとアークが大幅に減るので
(二本のパンタが同時に離線する確率は極めて低い。離線してない方のパンタから 離れちゃったパンタ、ひいては
編成全体に給電されるので 離れたパンタはスパークしない)
トラブルも少なくなったし・・2本でがんばってます。最近の新幹線は。
そこで出たのが、初代のぞみ用の300系新幹線。
営業開始の頃は3つのパンタを備え、そのうち2つを上げてました。
これ、最前と最後尾(ちゅーか両端)には船型カウリングが付いてて良かったなー。
のちに2本で行く自信が付いた?ためか中央のパンタは外して船カウルも止めちゃいました(トビバコ形に統一)。
さらに最近では 700系(カモノハシ)用の新型パンタに変える改造が進められてます。
で、2つ(3つ)のパンタおよび全車輛を ぶっとい電線(特高圧引き通し線)で結んであります。
車輛の間は ケーブルヘッド(碍子とハリガネっぽい線)で渡しますが最近では確実でシンプルな
直ジョイントで繋いであります。これは簡単には切り離せませんが、新幹線の場合 巨大な工場で
16両まるごと整備するので別にかまわないんでしょう。(JR東海の旧い工場だとまるごと吊り上げ(台車検査)が
出来ず、東海所属の編成はケーブルヘッドを一部残してあるんだとか。)
全車輛・と書きましたが700系の制御車(前後の先頭車輛)はモーター無し車(以降、T車)なので太電線
通してません。 300系の博多側制御車(1号車。下り列車の先頭)はT車なので太電線通してません。
この300系てヤツはちょっと変わってて、先述の「ユニット」の組み方が変則的で、MTM・ちゅー3両1組に
なってます。モータ有り車2つでT車をはさむかたち。T車に重要な内臓ちゅーか機器を担当させてます。
重量バランス的にT車も重くした方がよい・との事ですが・・結果、M車よりT車の方が重い!!ちゅー
話も聞いたような気が。 新幹線のT車って、いまやメインのブレーキといえる電気ブレーキが無いから
わざわざ発電ブレーキ用に発電コイルが付いてたりする。なので、そもそも軽くは無いんですね。
3両1ユニットなので、1号車だけ仲間はずれ?なのです。
T MTM MTM MTM MTM MTM ちゅー組み合わせの16両になってます。
500系トンガリ新幹線はゼロ系みたいに全車M車で、4両1ユニットになってます。これはムダ知識・・
そんで、いま主流の700系カモノハシ君ではTの字パンタが たったの2ヶあるだけです。
空気抵抗も少なく、軽くて追従性よく離線も少なく、ますます静かになりました。
夜にバンタ見ても・・火花はわずかにチリチリ言ってるだけですね。
この ゆるやかな坂道を持つパンタカバーは 300系みたいに2輛にまたがらないで 1輛で完結させてるので
パンタはずいぶん車輛の中腹寄りで上がってます。従来は、パンタってーモノは台車の上あたりに有るのが常識
でした。そうしないとカーブでパンタがイン側にズレちゃいますもの。でもまぁ新幹線に急カーブは無いので
(ましてや上のラクガキみたいな急カーブはNゲージにも有りません(笑))割り切ってるみたいです。
そらそうと菊名駅のJR横浜線ホームは急カーブホームなので、スキ間あきあきで おっこちそうです。
東急東横線との乗換え駅なので混みます。足元見えないラッシュ時にはたぶん何人か落ちてます(うそ)。
とまぁ、
ここまでは わてでも大体知っていた事なのですが・・
それでは なんで 初代新幹線は 8つのユニットを独立させて8つもパンタ上げてたのでしょうか??
高圧電線で皆を繋げば、パンタも削減できて火花も減ってイイ事づくめ・なのに。
そう思ってネット漁りしてみたら
こういった事情に因り ユニットちゅーかパンタを独立にせざるをえなかった・・ちゅー事が分かりました。
その1: 昔の東海道新幹線は 上下線別き電だったから。渡る時、困る。
その2: 昔の東海道新幹線は BTき電だったから。ブースタセクションで困る。
??なんの事やらサッパリ解りません・・よね? わてもわかりませんでした。
だもんで、最近知った事を 知ったかぶって書き描きしまーす。
申し遅れましたが(うそ)、
今回は新幹線特集?です。興味ない人または知り尽くしてる人は 読み飛ばしちゃっていーですよー。
・・今だけ臨時に興味持ってもらったほうが有り難いっちゃー有り難いけど。
まず ですねぇ、
東海道新幹線は複線なのですが・・そりゃそうですけど一応。
そこで使ってる 交流60Hz 25000ボルトは
下り線と上り線とで 位相が90度ズレてました。
おんなじ変電所から来た電気なんですけどねー。
この電気をくっつけちまうとマズいので、ポイントとかで下りと上りを繋げて通る(渡り線・いいます)箇所で
架線を絶縁しています。(上下間セクション。FRPとかの絶縁材(インシュレータ)を挟みます。)
長ーーい東海道新幹線の、いくつもいくつも有る全ての渡り線に セクションが必要です。たいへん・・
渡り線は いっぱいありますよー。駅構内にはたいてい有るし。
それに反対車線?に「ひかり荘」もとい・・置場、基地が在ったりしますし。
最近ひかり荘なんてアパート見なくなったにゃー。
それに、渡り線が無いと、「新幹線大爆破」の時に困る(笑)。
そうそう。故障で停まっちゃった先行車を回避して反対車線?の上り線へ逃げ込んだのでした。
すごい映画だよねぇ。わたしゃどっちかつーと計画がどんどんダメになって行く犯人側に移入してドキドキ
しましたが・・ 高倉健&宇津井健の ダブル健さん だもんねぇ。
こういった電気の通ってないデッドセクション(死区間)を通る時は、アクセル?全閉じの惰行で通ります。
力行(りきこう)してると切れ目つなぎ目で・・そうですアレです。アーク&スパークします。
なんか、電車ゲームのなんとかバージョンだと、デッドセクションに停まっちゃって(つまり発進できない)
減点・なんてシチュエーションもあるみたいですね。 やり過ぎでないかい??
そんなんでゲーム性、向上するかなぁ・・ 実物じゃぁまず無いよ滅多に・・
そんで、そんで、
現在の新幹線みたいに、複数のパンタが導通してるとマズいんです。これは力行惰行カンケイ無いです。
パンタは常時導通してますから。 上下線をシャントしちゃうと、規定の25000Vを超える電圧がかかって
やばいです。ぶっこわれます。(試した事ないので(そらそうだ)何がどうぶっこわれるかは不明)
・・ところで、パンタ2本程度だったら「片っぽ下ろしちゃえば?」とも思いますが・・まぁ、2本パンタの
実現は パンタ自体の性能向上やムダに大電流ながさないインバータ制御によって初めて出来たんでしょうし
昔じゃ無理だったかも。 走行しながらパンタを下ろして通行なんて・・失敗こいたらどーする!? それこそ
綱渡り的で危なっかしいし・・ それに どうせ あとで書く「BTき電」の都合でパンタ導通ムリだし・・
素直に各パンタ独立式にするしか無かったかなぁ。
上下シャントしちゃうと どう電圧がかかるか ちゅーと・・
わかりやすく(ホンマかいな)1ボルトの交流が2系統あったとしましょう。位相は90度ズレてます。
これを繋いじゃった場合の電圧差は 1.4142v ・・ルート2vあります。
1vじゃ無くて25000vだったら35355vになっちゃいます。やばいやばい。
なんでルート2なのかは電気工学の話なので詳しい人に聞くと・・なお解りません(笑)。
わてもよくわからんし解説不能(泣)。
図の目盛りに直接25000て書いても良いのじゃがソレもややこしいし・・ そもそも交流には
実効値てぇモノがあるから・・ 家庭に来ている100vは、実効値が100v。波形で見ると
山の頂点は141vある。あああっまたルート2だ・・
実効値って、今ココにある高校物理IIの教科書にも載ってるけど・・そんなん教わったっけ??
・・わてが聞いて無かっただけ か。
25000vは かなり危なっかしい高電圧。絶縁も耐圧もそんなに余裕は無いでしょう。
35000vを超える電圧が屋根上でバリバリ暴れます・・こわーい!
新幹線じゃない在来線の交流は20000v。でも危ない。直接触らなくても接近するだけで人間は
感電します・・直流(ちなみに1500v)の電車って、よく つま板(連結面の壁)に 屋根に昇れる
ステップが付いてる。でも交流電車には無い。ゆめゆめ昇るな・て事で。交流電車には、架線の通電を
感知する「静電アンテナ」が付いてます。新幹線のアタマのアンテナも それ。誘導電流で架線の交流
を測ります。慎重に運用するんですね高電圧は。
マチエール(X68用描きツール)って一発でsinカーブ描く機能、無かったっけ・・仕方ない?ので
sinの表見ながらドット打っちゃった。 それっぽくなってるかな?
次の説明は・・えーと・・
なんでわざわざ 位相がズレた交流を供給してるか・て事ですね。
それは変電所のトランスの都合です。
はるか遠くニューギニアの(うそ。それはデンセンマン)中略・・変電所へやって来た三相交流は
鉄道の電源に使えるように 単相交流に変換されます。
そこで使うのが スコット結線トランス。
三相三線交流を入力すると、単相交流が「2系統」取り出せます。
入力側の三相にかかる負荷がバランス良く、発電所にとって有難いのですが、
出力の2系統を平等?に使うのが条件です。 片っぽ使わない・とか、ややこしいから2系統をつないで
1系統にしちゃえ(さきに書いた渡り線の短絡ってコレと同じ事ですにゃ。)とかゆーのはダメです。
その 2系統の交流出力は 位相が90度ズレてます。仕組上しゃーないのです。
さーて・・この2つの電源を どんなふうに配置しましょうか・・
いま普通にやってるのが「方面別き電」です。話が先走っちゃいますが東海道新幹線も、現在はコレ。
変電所の地点から、あっち方面に1系統、そっち方面に1系統。
あっち方面(もうちょっと良い表現・無い?)に送る系統はひとつだから、上下渡り線とかでややこしい問題は
生じませんし、線路が単線だったら(そんなの今時無いけど)コレにするしか有りません。
デメリットとしては
変電所の前辺りに 位相の切れ目が出来ちゃう事。
となりの変電所の受け持ち区間 との境目にも 切れ目があります。
ラクガキで見ちゃいましょうか。
とりあえずラクガキの下半分は置いといて・・・・
描いたとおり、
@変電所の前
@両隣
にセクションが必要です。異相区分セクション。 交流と交流を区分けするので交交セクションなんて言います。
となりの変電所とこっちの変電所のあいだでも、たぶん位相はズレてます。たまたま一致する・なーんて事も
あるでしょうが。ちゅーか他所様だし。 ともあれ異なる相は 繋いじゃダメです。
新幹線の渡り線トコでも書きましたが、複数引き通しパンタで此処を通ると 繋いじゃうのでダメです。
パンタが相互導通してないにせよ、異相セクションを走り抜ける際には惰行が必要です。
セクションの存在を知らせる標識も有ります。
そうそう、交流区間で電気機関車が 2つ有るパンタを1つしか上げてないのは、このセクションを
またいでしまうのを防ぐ為です。セクションの絶縁は短い所だと8mしか無いけんね。容量も1つパンタで充分
ですし。(直流区間は電圧が1500vと低いので1つじゃ足りない)485系特急電車とかの 1両2パンタ有る
電車は交流モードに切替えた時に片パンタをスイッチOFFにしてるみたいですぞ。
たどり着くまで ずいぶん話が長くなりましたが・・ラクガキの下半分に描きました様に、
東海道新幹線では これを 「上下線別き電」にしました。
メリットとしては
変電所前にはセクションが要らない。
上り線と下り線に 相の違う交流を引き回すので 電磁誘導・電波障害がちっと減るかもしんない。
ちゅー事で。
セクションが少なくて済む・てのは、新幹線に於いてはとても助かります。
上記ラクガキのいちばん下をご覧くだされ。
新幹線の場合、本線上の異相セクションには 死区間は設けません。全開バリバリの新幹線さま?に惰行は
させません。ちゅーか標識見ながら惰行するのはムリです・・
だもんで、設備のほうで面倒見てあげる「切替セクション」を設けました。中セクション(1000mほど)を
かっ飛んでるあいだに「はいな!ほいな!」と次の区間の電気にすげ替えちゃうのです。0.3秒で。
もちろん嬢ちゃん?がやってる訳では無く、でっけー「真空しゃ断器」(接点が真空中に置かれててアークを防ぐ)
を使って自動で行ないます。
そうそう、ここでの継ぎ目は エアセクション を使ってます。
架線を坂と坂にして、押力的になめらかに渡らせて かつ互いの架線は完全に絶縁できます。
絶縁ちゅーてもパンタがラップ部分をこすってる間は導通しちゃいますが。
そんな訳で、大袈裟な地上設備が少なくて済む上下線別き電 を採用しました。
初期の東海道新幹線は 東京--大阪間に 20kmごとに25の変電所が在ったそうです。
変電所の引き継ぎは24ケ所なので、大袈裟?セクションが24必要ですね。 これが 方面別き電だったら
変電所前も大袈裟なので・・単純に言えば49ケ所の大袈裟セクションが必要だった訳ですか・・
その代わり 全ての渡り線に絶縁が必要になり、パンタの引き通し線採用および数削減はできませんでした。
BTき電 の問題
ふぅ・・やっと(その2)の話。
えっと、ここまでのラクガキ説明図に ウソが有りました。 いや、簡略化した所がありました。
単相2線の交流電源を そのまんま架線と線路に接続してましたが、実物はそうでは有りません。
なにせ大容量な交流電線が堂々とぶるさがって&地面を這っている訳ですから、電波障害が起こります。
これ、家電の平行コードみたいに往路と復路が接近してれば相殺されますが電車線(架線の事を電車線とも
いいます。トロリともいいます。)は線路とは5mも離れてますし、線路は頼みもしないのに(?)接地
しちゃってて、線路にも電気抵抗ってもんがあるゆえ一部の電流は逃げ出して障害が起こります。
あーでも、近所によっぽどなんにも無い外国の郊外とかでは そのまんま単純接続する「直接き電」も
行なわれているそうです。 近所に秘密基地が有ったり野生動物がパソコン使こてたらどないすんねん!?
そこで、この文明国(笑)では、障害を低減する き電方法 が採られています。
とりあえずラクガキ図へ行っちゃいましょうか。
BTき電。旧い手法です。
架線を小分けして、それぞれをブースタトランスで結びます。
架線---BT---架線---BT---架線---BT---架線 そんな感じ。
BTは1:1のトランスなので、二次側は一次側に流れたのと同じ分だけ電流を流そうとします。
これを利用して、その区間の線路の電流を吸い上げ・回収しちゃいます。
帰りの電流は線路経由をせずに ほとんど負き電線経由で帰ります。
そんな感じで 地面に障害電流を逃がしません。 おまけに 負き電線は往路(交流だけど一応 往路って事にして)
の架線と接近して通っているので電磁誘導を相殺します。
ですが・・BTは、けっこう沢山使わなくてはいけません。在来線で4kmごと 新幹線では3kmごと&市街地では
1.5kmごとに挿入してたそうです。んんん・・それじゃあ架線小間切れですね。
BTの下は 例のエアセクションですから、パンタが差し掛かると くっついちまいます。そこのBT一次側はショート
しちゃってBTは ナシになります・・そうなると二次側の吸い上げも無しになっちまいます。・・すると線路経由の
電流が増えて、回路がガラリと変わ・・・・めんどくせーーー(笑)!!
まあとにかく、BTセクションをつっきるパンタは 回路切替スイッチの接点になっちまいます。バチン!
ガンガン電力使ってる状態でつっきると過大なアークが起きて・・架線が断裂する事故もあったそうですよ。
「今どき新幹線」みたいに複数パンタが導通してたらBTセクションまたいじゃいます。前の方で他の新幹線が
電力消費してたら こっちの新幹線は「架線の身代り」になっちゃう・のかなぁ?負担が増えて ますますヤバい予感!
事故らなくとも・・せっかく電磁的障害を対処したのに、アーク放電がノイズ的障害になっちゃいます。
そこで、アーク低減の為、セクションを小分けにして(さらに小分けしちゃうんですか!!)抵抗を入れて
対処していました。新幹線ではダブル抵抗、在来線ではケチッて?片っぽ省略したシングル抵抗。
うーん、すごいテクノロジーだ・・ ちゅーか新幹線開業が迫ってから大急ぎで考えて追加した機構らしいですぞ。
ちゅー事で、実際のBTき電は かなりゴチャゴチャした物でした。実際には もっといろいろ保安装置とか線とか
付いてます。 それに、故障も心配。このラクガキ図の場合、いちばん左のBTが断線でもしたら
・・この区間の送電は全滅です。
そんなこんなで、BTき電の所を複数導通パンタで走るのは実に困ったもんだったのです。 まぁ、先述の
「渡り線・異相問題」程は困りませんが・・ でもねぇ・・1.5キロ間隔のBTを400メートル
(パンタ2つの間隔にしても170メートル)の列車がいちいちショートしてたら・・
BTの価値 疑っちゃいます。ちゃんとはたらいてるんか?
そこで、もっと新しい方法の「ATき電」が使われました。
東海道新幹線も遅ればせながら改修してって、のぞみ登場の前、1991年に出来上がりました。
シンプルなので、絵でだいたい分かりますよね?
こんどは電源電圧を 倍の50000ボルトにしました。 これを 架線&ATき電線に供給します。
途中にオートトランスを設けて、それの中間点を線路に繋ぎます。
ちょうどまん中からタップを出すと、その点はあっちに25000v、こっちに25000vになりますので
線路--架線間は25000vになります。
列車が電力を消費して電圧降下すると(つまりATの片っぽだけ電気食っちゃうと)・・ATは
あっちとこっち両方の巻数に応じて電圧が決まりますから(この場合1:1)バランスがくずれるのを許さず
両翼が25000vになるように働きます。よって線路の電流は他所へ逃げずにお行儀良く回収されます。
・・ただしこれはAT両端のバランスで成り立ってますので、架線--ATき線も含めたインピーダンスが
ちゃんとバランスしてる事が条件です。
往路復路を隣接させて誘導を相殺するのはもちろんであります。
ATは5km〜10km間隔で置けばよく(新幹線は何kmかなぁ?不明)架線を小間切れにする必要もありません。
それに、なんつっても、電源電圧が50000vもありますので、ひとつの変電所から遥か遠くまで電気を送れます。
BT&25000v時代には 20kmごとに必要だった変電所は、 50ー70kmごとで良くなりました。
そんで、AT化を機会に、あの「上下線で別位相」も改めました。 いまの東海道新幹線は、引き通し2パンタでも
もう上り線下り線、渡り放題です(笑)。
そうなると あの 手の込んだ「切替セクション」を増やさなきゃならん理屈ですが変電所そのものが半減
(半減以下?)したので平気です。
めでたしめでたし。
かくして高性能な パンタの少ない新幹線が ばんばん走れるようになりました。
ちゅー事で。「新幹線なんでパンタ減らさなかったんだろ?」ちゅー疑問について調べたら
なるほどいろいろ有ったのねーー・と感心しました。だもんで特集?にしました。
まぁまず居てないと思いますが・・同じ疑問を感じた 「軽めの」てつどう好きさん
に参考にして頂けたら幸いです。
2月23日 金曜日
関東地方は雨降ったり晴れたりしてます。
こないだ雨の日に、くるまラジオから30年前の歌が聞こえてきましたん。
松山チ春「銀の雨」
この人は・・特にふぁんでは有りませんが、昔の歌は好きです。
(いきなりサビ)
いーつーのー まーにかーーーーー
ふりだーした あめーーー・・
まどーの そとーにーーー!! へんな!ひとーが居る!!!
カラオケで いーかんじの時にどうぞ。いーかんじじゃ無い時にやるとすべります。
前回は高圧な電気のはなしを書きましたが、碍子といえば「日本ガイシ」(日本碍子株式会社)。
世界一のシェアを持つセラミックな会社です。
てつどうの碍子ってのはふつー高い所にあったりして よく見えないのですが、 パンタの無い地下鉄の
第三軌条とか東京モノレールの集電軌条とかだと近くに有るので よく見えて ロゴが書いてあります。「NGK」と。
あれー?NGKってば、スパークプラグじゃ無いの? その三文字熟語(ちがう)使っていいの??
おまけに日本ガイシのTVCM(滅多に無いけど)でも おもいっきり「えーぬ・じー・けー」ゆーてます。
と思ったのですが、そういやそうだけど、そもそもNっぽんGいしKうぎょう の略なので元祖は日本ガイシ=NGK。
NGKスパークプラグの日本特殊陶業は 日本碍子の「点火栓部門」が のれん分けして独立した会社だったのです。
だもんで「のれん」を継承。 そうだったのかー。
で、その日本ガイシも、高級陶磁器ブランド「ノリタケ」の・・旧 日本陶器から のれん分けした会社でした。
兄弟弟子・・ちゅーか同門の会社が、TOTO(旧 東洋陶器)。そしてINAX(旧 伊奈製陶)。
(現在はイナックスはトステムの仲間なので独立・旗揚げ?してます。)
・・・・てのはネットで調べたんじゃ無くて、横浜市立図書館でいちばん大きい中央図書館 の
ぶ厚い会社資料本の うっそうとした森の中で調べました。むかし。
世の中がまだバブリーっぽかった頃は、グループ会社とかに詳しいとモテたし(うそ)。
でも今じゃネットで簡単にわかるし。そんな時代を「楽だけど、おもしろ味は減ったよね。」としみじみマジで思う
きょうこの頃、皆様如何御過ごしでしょうか。
いや、大変けっこうなんで。いいんですが。
しょうじき たった今WWWが無くなったら、この怪文書?自体が見てもらえません。
でも昔は「無し」でもちゃんと書き描きしてた筈なんだけどなぁ・・・・
以上おわり。
ごみコーナーにガッカリするよなゴミ 追加。
ごみのあいだをつつくと入れます。わざとらしく「あいだ」があいてたりして。
とびらページヘ。