3匹の子豚の家



ラオスの家を見てみると、その造りは大きく分けて三つ。
藁の家、木の家、煉瓦の家。
そう、まるで三匹の子豚のお話、そのまんまである。

もっとも、ラオスに於ける「藁の家」というのは正確に言うと、藁で出来てる訳ではない。
壁は竹を編んだもので出来ていて、家を作る時は、その編んだもの(要するに「壁」)を買ってきて、組み立てる。
そしてその編み方も、真っ直ぐの格子状だったり、模様が入っているように見えるものだったりと、いろいろである。
屋根は藁葺きっぽいもの、椰子系の葉っぱを葺いているもの、段々に木を重ねているものと、これも種類がある。

で、2番目の「木の家」。
これが一番多いような気がするが、つまりは普通に言う木造家屋の事である。

3番目の「煉瓦の家」。
これは、そのまんま、本当に煉瓦なのと、鉄筋コンクリートのものををここでは指す。
地方へ行けば行くほど、「煉瓦の家」は増えるし、逆に都市部では「鉄筋コンクリートの家」が目立つ。
ただ、元々が日本と違って地震が起きない土地柄、「鉄筋」とは言っても、その造りはかなり適当で、柱自体も恐ろしく細い。
「三匹の子豚」の話では、狼に襲われた子豚の兄弟が、最後は「煉瓦の家」に逃げ込み…となっているが、どうなんだろう?僕としては2番目の「木の家」でも、作り方によっては相当頑丈な気がするのだが…。

最近ではラオスでも、これも時代の流れなのか、煉瓦(コンクリート)の家が増えてきた。
が、家というのは「格好良さ」で建てるものではない。
元々が、その土地その土地の気候風土に合った長年の経験によってそのスタイルが決まっているのだと思う。
例えば豪雪地帯の家は、雪の重みで家が潰れてしまわない様、屋根が急斜面になっていたり、湿気の強いところでは、それを避ける為に高床にするといった具合に。
格好はいいかもしれないが、さして雪も降らないところにカナディアンログハウスというのも如何なものだろう?

ラオスに関して言えば、エアコンが無ければ暑くて部屋にいられない「煉瓦の家」より、風通しのいい「藁の家」や「木の家」のほうが、僕は実は好きだったりするんだけどね。