人員多数
〜不思議な仕事人たち〜



タイは人件費が安いので、どこのレストランや店に行っても
「そんなにいらないだろう?」
と言うぐらい大勢の人が働いている。
タイスキの店、MKチェーンに行った時も、従業員の多さにびっくりしたが、
「何もしないでいる」というのは、どの国の人間にとってもつらいものらしい。
そのため、見ていると、仕事がやたらと細分化されている。

「客を席まで案内する人」
「メニューを持ってくる人」
「テーブルを拭く人」
「注文を取りにくる人」
「注文したものを持ってくる人」

そして、さっきから僕等のテーブル脇にじっと立っている人は…。
彼は、僕等がタバコを一本でも吸うと、サッと新しい灰皿を出して、取り替えてくれるのだった。

高級ホテル、ディスコ。こういう所のトイレには、不思議なおじさん達がいる。
用を足そうと思って、トイレに行くと、今にも
「いらっしゃいませ」
とでも言いそうなぐらい、笑顔を振り撒き、人のあとについて来る。
「気味悪いなあ〜」
と思っていると、人が用を足している最中に、背後からいきなり、人の肩を揉み出した。
「どっひゃ〜!」
最初の時は、オシッコが止まっちゃいそうなぐらい驚いた。が、逃げられない。
「う〜む」
彼等はその後、水道の蛇口をひねってくれたり、手を洗うとサッと真新しいタオルを出してくれたりするのだが、サービスもここまでくると…。
「謎の肩揉みおじさん」は、今日もバンコクのトイレであなたを待っている。