バスに乗って
〜もう、嫌っす。〜



バスに乗る。
嫌になるほどバスに乗る。
嫌になってもバスに乗る。
はぁ〜、また、僕はバスに乗るのかぁ〜。


〜わからない〜
バンコクの市内バス。
これを未だに僕は乗りこなせていない。
知ってる番号のバスならいざ知らず、エアコン付きやら、高速乗っちゃうヤツ、ミニバス…、
いつも停留所で、見た事ないヤツがやって来ると、躊躇してしまう。
で、歩いてみたり…。

地方からモーチット(バンコク北バスターミナル)に着いた時、乗る番号はわかっているものの、
どれが一番最初に出発するのかわからず、何台か停まっている同じ番号のバス全てを見渡せる場所に陣取り、人の動きを観察していたりする。

あと、不思議な事もいっぱい起きる。
ミニバスに乗ったら、途中からルートが変わり、何故か民家の前で停まって
運転手が降りるように言うので
「ここばどこだ?」
って聞いたら、
「俺の家だけど」

う〜む…。

前に空港から市内に行くバスに乗ったら、途中で乗用車にぶつけられて、バスの車掌と、その運転手が大もめ。
で、あとから来るバスに乗ってくれって、乗客は全て降ろされたんだけど、え?料金、倍っすか?
なんで、誰も文句を言わないんだろう…。

ラオスのビザを取りに、ラオス大使館に行った時、
ホアランポーン(バンコク中央駅)前から乗ったバスは長かった。
途中では、バスの中に乗客は僕一人みたいな状況になり、結局、僕は、都合1時間以上、このバスに乗っていた。
しかも、バス停からラオス大使館は歩いては行けない距離だったりもした。
その為、そこから更にバイクタクシー。
ん?結局、カオサンの旅行代理店で頼んだほうが安かったんじゃないの!


〜必用路線?〜

タイで一番発達してるのがバス路線。
それは、鉄道網はもとより、航空網をも凌駕している。
だから、地方へ行く時、または地方で、一番便利なのが実はバスだったりする。

鉄道はバンコクを起点として地方都市に延びているので、横方向の移動はできない。
一度、バンコクやアユタヤに戻って乗り換えるという手もあるが、それにはお金も
時間もめちゃめちゃかかる。
で、バス。
北部チェンマイ、チェンライの町からイサーン(東北部)を結ぶ路線は何回か
利用したけど、これも間に山脈があったりするので、そこそこの時間がかかる。

チェンライ発コンケーン行き。
13時間ぐらいかな?
な〜んも無いの、途中。

他にもチェンマイからウドンターニー行きとか、チェンセーン〜ルーイ〜ウドンとか便利なのかどうなのかわからない路線がいっぱいある。

一番びっくりしたのが、メーサイ〜チェンライ〜チェンマイ〜スコータイ〜コンケーン〜コラート〜パタヤー。
どこ走っとんねん!


〜競争〜

バンコクからバスに乗ってコラート方面に向かうと、左側に大きな湖が見える辺りから、コラート台地を上るだらだらとした坂が始まる。
ここで、旅行者は自分の乗っているバスの性能を確かめる事ができる。
と言うのは、もし、ぼろいバスだと、他のバスにばんばん抜かれるからである。
イサーン方面に行くバスは大体ここを通る。
その為、バスの量も半端じゃない。
で、僕は何故かいつも抜かれるほうのバスに乗っている…。

バスターミナルに行くと、チケットを売るブースのちっこい窓から顔を出して、手招きなんかまでしてる光景をよく見る。
おっきな声で
「チェンマーイ!チェンマーイ!」
な〜んて言ってる。

あれも競争である。
国営と民営のバス会社達が、客の争奪戦を繰り広げているのである。
着く場所は同じだが、時間とバスは微妙に違う。

まあ、旅行者の場合。それは「運」と決め込んで、時間の早いバスに乗るのが一般的だと思うが、もし、一度、気に入ったバスがあったら、バス会社の名前をメモっておくのも手である。
僕の場合、その競争を逆手にとって、荷物を預かってもらったりしてるんだけど、
(チケットブースの中に置かせてもらったりしている)
一度見た「ノンカーイ〜バンコクのVIPバス(民営)」には是非とも乗ってみたい。

なんとそのバス、寝台があるのである。
2階建ての下のフロアにマットレスが敷いてあって、手足を伸ばして思いっきり寝れる。

しかし、欠点は、席数が4席しかないという事である。


〜トラックバス〜

古いラオスを知る人なら、この名前を聞いて苦笑いしない旅行者はいない。
今でこそ、エアコン付きのバスまで走るようになったラオスだが、一昔前は首都、ビエンチャンのバスターミナルにもこいつの姿があった。
中国製トラックの上に木枠で、家のように作ったものをのせて、
「どうです?バスっぽいでしょ?」
という、とんでもない乗り物である。

で、こいつ、実は、乗ってもとんでもない。
まず、サスペンションが乗用のバスとは違って、元々荷物を沢山載せ、運ぶ為に作った物だから、頑丈なのはいいが、クッションはほとんど無い。
岩などに乗り上げると、そのショックはモロである。
更に、座席は
「おいおい、ラオ人に合わせるなよ〜。」
という、とんでもない狭さで、おまけに木製のベンチシート。
かったい、硬い。
欧米人でもそうだし、僕でも足、入らないし…。
そこに座れるだけ座る。
カーブなんかで、横一列の人全員の体重とかがかかった日には、内臓破裂で死にそうである。

で、もっとも辛いのが冬。
このバスに窓はあっても、窓ガラスはないのである。
一応、雨除けの透明ビニールシートなんてーのが付いてるけど、こいつを下げたところで風はびゅーびゅー入ってくる。

考えただけで意識が遠のく乗り物。
乗りたい人はラオスの地方都市へどうぞ。