ばっかし!ばっかし!
〜何故だぁ!〜



日本でも観光地などの街道沿いには、その季節、季節で特産品などの
特売所が設けられている事が良くある。
青森のりんご、静岡の苺、山梨の葡萄、北海道のジャガイモ…
旅行で行った時などはついつい買い求めてしまう。

が、これ、タイもおんなじなのである。
比較してみると、日本人よりあざといような気もする。
タイの場合、ちょっとでもスペースがあって、商売になりそうな気配があれば、
あっと言う間に店ができたりするのだ。
屋台なんかは省スペースで開業が可能な為、バンコクの路地などには必ずと言っていい程、屋台が存在する。ま、便利だけど。

ただ、いつも思うのだが、もうちょっと、なんと言うか…一ひねりが欲しい。
どこを旅行しててもそうだけど、街道沿いに「トウモロコシ」やら「西瓜」やら「ガイヤーン」(焼き鳥)などを売る店が出ているのはいいのだが、これ、みんなしておんなじものを売っているのである。

トウモロコシならトウモロコシばっかり。
延々ずらずらトウモロコシッ!
しばらく行くと今度は西瓜。
そうすると今度は西瓜西瓜西瓜西瓜ぁ〜、うらうらぁ〜!なのである。
その後ちょっと行くと、今度は焼き鳥。
「一体誰が食べるんだ?」
と言うぐらい、馬鹿みたいな数の焼き鳥が焼かれている。
焼き鳥、焼き鳥、とにかく焼き鳥ったら焼き鳥なのっ!
あんた、焼き鳥にしなさいっ!
悪い事は言わないから、ね。
こうなるともう、脅迫されてるみたいなもんである。

ある時、車で移動中にちょっと小腹が空いたので、
「暑いし、ビールと焼き鳥だな!」
な〜んて事を思った。
運転していた友達には悪いと思ったが、話すと、意外にも彼も賛同し、
「だったら、ちょっと休んで行こう」
という事になった。
ところが…。
ないのである。
さっきまで道路脇で鬼のように売っていた「焼き鳥屋」が一軒もない。
な、何故だっ!

「しばらく行けば、また売ってるだろう」
という僕らの考えは甘かった。
その後40分以上走っても焼き鳥だけはなかったのである。

僕らは車を停め「ちまき」を買った。
炎天下で食べるココナッツミルク入りの甘〜い「ちまき」。
なんだか、泣きたくなってしまった。