鋼の錬金術師・シャンバラを征く者 映画感想
激しくネタばれなのでご注意を!



心友まこりんと共に映画を見てきましたよ。我々は映画を見る前にいくつかの予想を立ててから本番に挑みました。予想内容についてはこちらをどうぞ。


さあ、実際はいかに!?


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あれー?なんか世界を救うとかいってるよ?物語の趣旨が変わってるよ?と目を点にしてしまいました。というわけで最初は辛口感想を言ってみましょう。ちゃんとストーリーを追ってみますと、正直そこまでおもしろくはありませんでした。敵の元締めである女の考えがちょいと浅はかすぎましたね。どうしてそこまで現実世界の女が錬金術の世界(エドが生まれた世界)を怖いと思うのかわかりません。
怖いという思いだけで錬金術の世界を滅ぼそうとしたのか女!
しかもエドはオレ達が世界を救うとか叫んでいた気がしますし。さっぱりさっぱり。

これは命の尊さとそれに手をだす禁忌をテーマに繰り広げる切ない兄弟愛の物語じゃなかったのかね(若干語弊がある)

全体的に矛盾を感じるストーリー展開ではありました。


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しかしキャラクター達にスポットをあてるととっても切なくて印象深い箇所が多々ありまして!


エドワード・エルリック
なんか秘密主義で人と必要以上に触れ合わない青年になってました。そして若干背が伸びて美しい外見になってました。元の世界に戻りたい気持ちが強く、それをハイデリヒ青年に夢物語のように話してしまうもんだからハイデリヒさんは気が気でなく、常にエドを心配してる感じでした。

彼がギャグ顔を見せる時はあくまでも鎧アルの時だけなんだなあと思いました。
生身の可愛い弟アルにはご無体なことができないらしい。
鎧アルの頭部分を取っぱらって水をかきだすのに使うは、逃走時鎧アルの背中にしがみついて「走れー」とか叫ぶし本当エドさん珍しくやんちゃでした。
そう、なんか鎧アルの前だと甘えてるっていうかエドの表情も子供に戻るんだけど、生身アルの前だとやったら兄さん顔してると思います。

鎧アルとの再会時→熱き抱擁
生身アルとの再会時→久しぶりだなと見つめあって言葉だけ。まあウインリィに思いっきり邪魔されたというのもあると思いますが。

アルそっくりさんのアルフォンス・ハイデリヒさんについては、「アルフォンス」と普通に呼んでました。見た感じでは、弟にそっくりだからといって戸惑う姿はありませんでした。「弟にそっくりなあいつと過ごすこの世界はオレにとって地獄かもな」とは言ってましたけど結構現実的に受け止めている模様。


アルフォンス・エルリック
やんちゃで可愛いコスプレ少年に成長してました。かつての兄が着用していた服を真似て着こなしています。思ったより似合ってました。つうか本当可愛かったです。兄のことを思うあまり暴走しがちな所がいいです。でも口調は敬語。雰囲気は温和。兄の面倒を見ないですんだ二年間がだいぶアルを子供ぽく変えてしまったようですね。

自分の魂の一部を鎧に定着させて、エドのいる現実世界に送り込んだ時、少しの間でもエドと再会できた嬉しさと、また別れなければならないその瞬間に思いっきり顔をしかめて涙をこぼした、その表情が語りようがなく可愛い。あっ間違えた切ない。


アルフォンス・ハイデリヒ
エドのことは「エドワードさん」って呼んでました。アルフォンスは礼儀正しい
青年でしたよ。外見も中身もアルにそっくりなんだなあ。
もっと出番があるのかと思ったらそこまでないし、最後は・・(涙なしでは語れない)

しかし出番は少なくても彼の最後の言葉がもう、切なく悲しかったです。出番ないなりに、登場時は常にエドを心配し、病気のせいで先が短いことを悟っている分自分がやったことを残しておきたい、という意思の強いお方でした。




このギュッと手を握る仕種、本当切なかった・・


彼は死ぬ間際に本音をぶちまげたけれど、エドはそれに応えることができないまま元の世界に帰ってしまいましたね。しかしエドを元の世界に返すことこそがハイデリヒさん最大の願いだったようです。どこまで切なく健気なんだアルフォンス!

で、再びエドが現実世界に帰ってきた時はハイデリヒさんは死んでいたと。そこらへんをもっと掘り下げてほしかった。でないと同じ顔は二つもいらないからという理由だけでハイデリヒが死んだみたいじゃないか。



あとの方達はハッキリ言っておまけ要素が強いなあと思わずには。
ぶっちゃげロイとかウインリィ出なくても話進むなあと ゲホゲホ
師匠は死んでるしホーエンハイムさんも驚くほど大量出血して死ぬし(あれは出すぎだと思う)ヒューズそっくりさんに至っては、かつてのヒューズと正反対な性格じゃね?と思うほどイマイチな役柄でしたね。

何よりハガレンの話の趣旨が変わっててアイタタ感はぬぐえません。

おいおい脚本の人ーとか思わずにはいられなかったんですが。最後の展開に540度(一回転半・巧の領域)目をグルリとさせてしまいましたよ。

一度は元の世界に帰るも、この世界に害なす者達が二度とこっちに来れないように、両方の世界の門を壊す!と言い張るエドさん。そのためにはこっち側からと向こう側から破壊せねばならない。すなわち自分はまたあっちの世界に行くよとアルに告げるエドさん。せっかく会えたのにとんでもないとばかりに泣きながらとめるアル君。追いかけようとするアルを気球に乗って登場したロイ・マスタングさん(降格)が止めに入ります。ロイの登場シーンはもう笑うしかない。

結局現実世界に帰ってきたエド。ハイデリヒ青年の無残な姿を見て一瞬険しい表情をするも(本当一瞬だけだったよ・・)、戻ってくる際に利用した機体の中から鎧アルが登場。エドは嬉しくもさびしそうに「また魂の一部がついてるのか・・これももうじき消える・・」とつぶやいた瞬間。

鎧アルの中から生身アルが
ひょこっと出てきちゃいました。



あ、アルがついてきちゃったー(゚д゚;)!!



さすがのエドも激しく面食らってます。
アルさんは全てを捨てて兄と共に生きることを選んだのでした。

「僕も来ちゃった!」
「兄さんとずっと一緒にいたいから」
「二人ならなんとかなるよ」


当然、もう元の世界には帰れません。

すっげーアル!本当すごいよ君は!
13歳の若き衝動、素直なアルフォンス君が見事やってのけてくれました。

ちなみに元の世界で門を壊す行為はマスタング(気球に搭乗)さんに頼んだらしいです。

これってアルだからできたことだよなあ。エドの場合、理性やらなんやらが邪魔して結局自分を犠牲にして(でも周りも巻き込む)しまうけど、あくまでも本能に忠実に動いたアルに祝杯をかかげよう。

しかもエドと鎧姿のまま4年間旅した思い出もばっちり蘇りましたよ。
蘇ったからこそ、エドからもう絶対離れたくないと思ったのかもなあ。


というわけでエンディング。
現実世界で暮らし始めた彼らはかつての自分達がいた世界の痕跡を求めて旅を続けます。それが害なすものだったら破壊。
なんにせよ元の世界への未練は断ち切ったのか2人ともすがすがしい表情です。楽しそうです。一緒にいられるから幸せなんです。
ようするに2人でいられるのならどこに住んでも同じだという、映画のまとめでした。


すごいオチをありがとう監督!
エルリック兄弟おめでとう!

髪の毛をバッサリ切って成長したアル少年はかつてのハイデリヒ青年のようです。
それがまた少しせつないんですが。


エドがこの世界で生きていく、ここもオレ達の世界だ!と割り切ったのはハイデリヒ青年の死の間際の言葉のおかげだと思います。
「ここはあなたの夢の世界じゃない、僕はここにいる。僕のこと忘れないでね」ってああハイデリヒ!!(号泣)

映画鑑賞後、まこりんが「ケーキ食べたい。ケーキ食べてお祝いしよう。2人の門出をね!」と目を輝かせながら言いました。幸せそうまこりん(´ー`).。o○(・・・)

うわさによるとハガレンアニメ続編があるとかないとか聞きますけど、私的にはもうこれで終わりでいいなあ。2人の望む形になったんだから。未練があるとしたらハイデリヒ青年が・・(以下エンドレス)
追悼ハイデリヒさん・・・



おまけ・映画鑑賞後


まこっちさんの座右の銘
「むしろ鎧であれ!」
「ハガレンとかいてアルエドと読む」