裏空気日記

これはゲームスタジオが世に送り出したすごいRPG「エアーズアドベンチャー」のプレイ日記(雑記から再録)である。


前書き

 エアーズアドベンチャー。私はこのゲームを480円で入手しました。総指揮:遠藤雅伸、キャラデザ:永野護、音楽:三枝成彰という豪華メンバーです。またえらく才能の無駄遣いをしたものだとはゲーム開始30分後の感想。購入して帰宅後、まずマニュアルを確認。紙一枚。内容は……ストーリー説明、主人公と姫の簡単な設定、操作方法、スタッフ一覧……以上。操作方法だけ確認して投げ捨てます(ぉ 続いて恐ろしく久しぶりにサターン様を立ち上げゲーム起動。主人公と姫の名前を入力し、物語がスタートします。


一回目〜装備が空から降ってきた!〜

 ゲームをスタートしてまず最初にプレイヤーの目に飛び込んできたのは処刑寸前の主人公(ぉ 何やったんだよお前……(姦通罪らしいです。最低だ)。いきなりのスタートにどうしていいかわからず、とりあえず流れを見守ることに。窮地は尚も進行中。主人公も「俺の首は細いんだ。仕損じるなよ」死ぬ気マンマンです。斧が振り上げられ、嗚呼いきなり終了かと思った瞬間、通りすがったお姫様に助命されました。しかしもう表の世界では生きていけないだろうということで秘密結社にスカウトされます。そして入社試験。一次試験は結社員との戦闘。楽勝でした。二次試験は洞窟の奥にある宝箱を取ってこいとのこと。前振りナシで放り込まれた洞窟にドキドキしながら進みます。どうやら最初の方は一本道の模様。歩きます。歩いた先に……宝箱。大げさにガッツポーズの主人公。二次試験クリア。舐めとんのか。三次試験はお使いです。セゴーというお金持ちの家から密書を王宮に届けよとのこと。館の主ご本人から密書を「これは大事なモノだ。くれぐれも中を見んようにな」と念を押されて受け取り、躊躇無く読み始める主人公(マテ)。内容はお姫様との結婚を楽しみにしているということを脅迫めいた言い方で綴ってました。任務を達成し秘密結社本部に帰った主人公の元へ、お姫様の姿が見えないとの急報が。聞いた主人公は「これでは俺の命を助けて貰ったお礼ができないではないか。この俺の口づけで」とかいうことを言い、あっさり秘密結社を飛び出して姫の行方を探します。この間20分。

 圧倒的なスピードで展開するストーリーにクラクラしつつ、フィールドを歩いていたら敵が出てきたので戦闘します。音楽は悪くないかな?とも少し思いましたが、キャラの動きや効果音がアレでナニな感じで確実にプレイヤーの神経にダメージを与えていきます。次の街について情報収集をすると、どうやら件のセゴーが狩りに出てること、そこにお姫様が居る可能性が高いことなどがわかります。狩場に向かう途中の館では、出てきた使用人が主人公を見るなり「ヘンリー様、よくお戻りに!」。続いて主人公の育ての親(叔父)という館の主や弟が登場。どうやら主人公はイイトコの御曹司らしいです。じゃあなんで処刑寸前なんてことに?とも思いましたが、気にせず先に進みます。どっかの貴族の夫人に一方的に惚れられたりしつつ、狩場にてお金持ちセゴーに面会。今晩、洞窟の奥に一人で来いと言われます。罠の空気濃厚ですが、主人公はノコノコと踏み込み、唐突にお金持ちペットのクマ(棍棒と盾フル装備)と戦闘に。アッサリ撃破してさらに奥に進むと、後ろの通路が塞がれ轟音が。次に画面が別のフィールドに切り替わります。……これは、洞窟が潰れたという演出でしょうか?混乱しつつ次の街に入ると、お祭り真っ最中。そこでさっきのセゴーに遭遇します。一触即発。どうやらお姫様は北の神殿に囚われている様子。唐突に駆け付けた弟(洞窟は潰れたはずなのに)が「ここは僕にまかせて!」と言うので主人公は先に進みます。フィールドの途中で装備一式が空から降ってきたので主人公はフル装備していきます。もうこの辺まで来ると雰囲気が相当アレでナニですが、気力を振り絞って神殿へ。奥に踏み込むと唐突にドラゴン登場。死闘の末撃破すると、お姫様登場。ついでに空の世界からやってきたという妖精が唐突に登場。続いてお金持ちがやってきて主人公を殺そうとしますが、妖精の力で空の世界に脱出しました。ここまでが一時間。いい加減、神経が悲鳴をあげはじめたのでプレイを中断しました。

 

二回目〜道はひとつだ〜

 続く悪夢。妖精の助けにより空の世界に飛び去った主人公一行は妖精の偉い人に会いに行きますが、そこで巨大フェンリルに飲み込まれてしまいます。意外な展開ですね。唐突すぎて予想したくもありませんが。フェンリルの中にある船(多分、胃液と思われる湖の中に存在)から憑いて付いてきた妖精の弟(生き別れだったらしい)を救出、直後に船は沈みますが主人公達は唐突に現れたエイに救出されます。その後、フェンリルの体内を右往左往した挙げ句、今度はフェンリルの背中に吹き出されますが、さっきのエイの背中に乗って空の世界に復帰します。さっきから自分が何を書いているのかわからなくなってきましたが、とりあえず体験したことをありのままに綴っていきましょう。次は下の世界(最初に主人公が居た世界ですね)から上がってきたデモスという男の話を聞き、その男が居るという砂漠の真ん中に向かいますが、そこで会ったデモスはよくわからないセリフ「世界を滅ぼしてやる」とかそういうことを口走ってましたが、詳しいどころか簡単な説明さえなされていません)を数語発した後に消えてしまいます。どうやら彼はとんでもない人物らしいので主人公はそれを追って下の世界に復帰。つくりものの羽根を装備し崖から飛び降りるという、なんともメルヘンチックな方法です。落っこちた海で王国の船に助けられ、王都が気になるらしい姫の言葉に従いとりあえず王都を目指すことに。途中、購入した馬がフン詰まりで大変なことになったりしますが、都合よく街の近くにあった大樹から取れる木の実で助けられると聞いて取りに行きます。もっとも、結果は妖精が空の世界から持参してきた木の実のおかげで助かるので、主人公の行動は無意味となってしまうのですが。ちなみにこの馬は翼が生え、人語を話せるようになり、脱走します。ここらでまたしても精神回路が悲鳴をあげはじめたのでプレイ中断です。

 

三回目〜大聖堂に死す!!〜

 なんとか王都に戻りたい主人公一行。途中の港町で雇った水先案内人がギャンブルで身を持ち崩し町を出られなくなるという、よくわからないハプニングに見舞われつつも王都一歩手前の町に辿り着きます。しかし海はあいにくの嵐。「これも異変の前兆なのかしら……」心配そうな姫をよそに、嵐は収まる気配を見せません。これ以上の猶予はならないということで主人公の船は強行出航。「よし。出陣じゃあ!!」です(嘘)。いかにも何かが起きんという雰囲気ですが、結果何事もなく王都に入港。何か肩すかしを食らったような気分になりつつ街の人の話を聞きます。それによると、かのデモスが宮廷に取り入っていること、王様の様子がおかしいことがわかりました。そこで姫は王を諌めるため主人公の制止を振り切って王宮に入ります。残された主人公は茫然自失。当然この後には姫を取り返すために宮廷に乗り込むといった展開が予想されますが、こちらからは何のアクションも仕掛けられない様子。仕方がないので王都を出てアテもなく別の街に向かいます。そこで姫に化けたサキュバス(バレバレ)が主人公に接近。隙を見て襲いかかろうとしますが見破られ、戦闘になります。結果、2ターンで秒殺。とにもかくにも行き先のない主人公は生家に戻り、叔父の力で宮廷に入れるよう工作してもらいます。この間に第三の妖精が主人公の仲間になりますが、会う前から主人公に惚れていた模様。モテモテです(ぉ)。そして馬を与えられ「はいやーっ、はっはっ!!!」と気合いを入れ(嘘)、颯爽と王都に戻る主人公。宮廷に殴り込み次から次へと襲いかかる動きのアレな敵を退け、姫の寝室に辿り着きます。しかしその時には既にデモスの放ったと思われる火が主人公達に迫っていたようです。ようです、というのは画面上の演出が一切無かったためセリフと効果音から推察するしかなかったためにございます。姫を救い脱出した主人公。しかし姫は目覚めません。眠り姫を目覚めさせるには想い人の口づけしかないということで、ためらいなく口づけする主人公。頬を赤らめつつゆっくりと目を開ける姫(よくできてないポリゴンなのでかなり不気味。しかしそんな彼等にゲーム序盤で出てきたお金持ち「セゴー」から姫を巡って決闘の申し込みが。一言のコメントもなしに受諾した主人公は彼を撃破します。しかしセゴーはデモスに忠誠を誓い、新たな欲に目覚めた様子。行方知れずの王も気になります。主人公達はひとまず戦力強化のため、神殿にあるドラゴンを倒した装備とやらを取りに行くことになりました。

 さしたる妨害も曲折もなく神殿に着いた主人公達ですが、そこにセゴーがボウガンで狙って待ち構えています(先刻の決闘で主人公は彼のボウガンをものともせずに勝ったのですが)。絶体絶命の危機!そこへ何の前フリもなく主人公の弟登場!しかし武器がない!仕方がないので惚れ草を投げつけます(暴挙)。が、それは本当は忘れ草で、セゴーは自分がここへ来た理由を忘れて帰っていきました。することもないので神殿近くの町に戻った主人公。そこで唐突に妖精の偉い人が現れ、デモスが大フェンリルを呼び寄せて世界を破壊しようとしていると訴えます。主人公はこれを阻止するために、魔法のオーブを探します。手始めに王都から南下して砂漠の交易都市へ。ここで噂になっている宝珠がオーブに似ているとの情報を得、入手せんと欲しますがコショウと交換と言われたのでコショウを求めてまた海に出ます。ついた先でコショウを扱う商人に「そのお姫様と交換ならコショウをくれてやってもいいぞ」と言われ、「はい」と答えたくなるのをグッと堪え(鬼)、「いいえ」を選択。しかしその答えが商人に気に入られたのか(悪人顔なのに)、コショウをタダで分けて貰えます。ラッキーと思いつつさっきの町に帰り、コショウと宝珠を交換。ところがこの宝珠は偽物でした。しかしここへやってきたデモスの部下は、それが偽物とも知らず嬉しそうに主人公の手から宝珠を奪い去っていきます。……主人公達は本物の宝珠を求めて砂漠を彷徨い(でもやっぱり一本道)、結果としてある山にそれがあるらしいとの情報をキャッチ、急行します。「これからこの山を舞台にダンジョンかな?」と思いきや、簡単なイベントを経ただけで容易にオーブ入手。そこへデモスの幻影が現れて「公主会の本拠地まで来い。さもなくばフェンリルが王都を食い尽くす」と脅迫していきます。……公主会って何?どこだったっけ?途中にそんな場所があったような気もしますが、さっきから西へ東へ移動ばっかりしてたので、いちいち地名など憶えていません。頑張って思い出してなんとか辿り着きます。公主会本部に侵入。入った途端、サターンが止まりそうな程に処理が重くなります。多分、天井を高くしてマップを広く表示したため一歩歩くごとに画面が危険なまでに重い状況となってしまったのでしょうが……。挙げ句に壁が処理落ちしまくってどこが壁なのかどこが通路なのか判別困難になってしまうというのはあんまりです。流石の私もこれには耐えられそうもません。パッドを投げ出したくなる衝動に駆られつつも最後の精神力を振り絞り先に進みます。ところが、何度めかの戦闘に入った瞬間画面が真っ黒に。「お前も耐えられなくなったかサターン!」と思いましたが、どうやらサターン様を接続しているビデオデッキの電源が突然切れた模様。リモコンにはノータッチだったはずなのに……。ともあれ、この珍事でもう耐えられなくなったので今日はここまで。

 

四回目〜ゴールっ…(観鈴ちん風に)〜

 悪夢の画面消失から一週間。そろそろ心の傷も癒えました。エアーズアドベンチャーを再開します。サンジェルミ大聖堂へ再度侵入。相変わらず死ぬほど重い画面に苦しみつつ、一本道のダンジョンを突破して最深部(と言っても地下一階ですが)に辿り着きます。そこでデモスとの決戦。難なく撃破。深手を負った(ように見える)デモスは壁際に後ずさり、消えます。どうやらこれは隠し扉かなんかで逃げた演出のようです。追う主人公は、次にデモスの正体か手下かよくわかりませんがバンパイアと連戦。これも撃破。デモス消失。死んだらしいです。しかし、封印されていた古代帝国皇帝のネロ・ザッハークとか言う人が復活します。どうやらこの聖堂は古代皇帝の墓の上に建っていた模様。また、聞くところによると古代皇帝は悪いヤツらしいです。ですが、姫が王都と父王の様子が気になるというので、一旦王都に帰還することに。途上、大フェンリルが古代皇帝に殴られて弱るのを目撃。横目に見つつ王都に入城した主人公に父が話しかけ、王は今まで隠し部屋に隠れていたから無事であると告げます。待てや腰抜け(ぉ さて、さっきのフェンリルは弱りつつも、王都をまるごと喰おうと海を突き進んでいるとの急報が。主人公はこれを阻止せんと大フェンリルの背中によじ登り、広大な背中で村を作っている妖精達からフェンリルの弱点を教えてもらいます。その弱点(背中に一本だけ突き出た触手……らしい)を叩き、フェンリルの息の根を止めます。

 王都の危機を救った主人公は、古代皇帝と戦うための力を手に入れるべく一旦上の世界に行き、妖精の偉い人(ウンディーネ様)から、まずは封印されたドラゴン「マスターライトセル」を復活させて力を借りるようにアドバイスを受けます。その封印を解くにはなんか準備が要るらしいとかですが、あまり憶えていないので割愛します(ぉ ただひとつ言うなら、別にダンジョンとか敵とかは無く、何ら障害無く困難もなく封印を解くことができたということでしょうか。で、主人公はこのマスターライトセルに乗って空を移動することが出来るようになりました。ウンディーネ様は、次に魔法のオーブのパワーアップの為に下界のある山に行けとおっしゃります。行きました。イベントがあっただけでした。普通、こういうときは何らかの障害を設けて物語を盛り上げるなり山をつくる演出なりすると思うのですが、手抜きとかですか?で、ウンディーネ様は次にフェンリルの体(遺骸?)から外骨を取ってくるようおっしゃります。取ってきましたよ、ええ。次は何?と思ったら、王都に行くようにと。行きました。王と姫が再会し、和解してました。それまでこの親子(血は繋がってないそうです)の間にはすきま風が吹き、姫は心を閉ざしがちだったとかで。で、仲良くなれてよかったねというところで、姫の感応力がウンディーネ様の危機を感知します。古代皇帝が迫っているとかで。急遽、上の世界に向かう主人公はドラゴンごと皇帝に体当たりして弾き飛ばし、ウンディーネ様の危機を救います。さて、一難去ったウンディーネ様は、フェンリルの骨から最強の剣をつくり、また魔法のオーブをパワーアップさせて最強の魔法を主人公と姫に授けます。ここに、古代皇帝と戦う準備は整いました。

 さて、いよいよ最終戦です。ここまで長かった。いや、四角い会社の大作とかに比べたら全然なんですが、その、やってる時の疲労度とかが(^^; 「もうこれで終わりなんだ」と自らに言い聞かせ、古代皇帝ネロの居る巨木にマスターライトセルで乗り付けます。するとライトセルがいきなり我の力を汝等に与えるためには、まず我と戦えとかなんとか因縁をつけてきたので戦闘します。楽勝してライトセルに見送ってもらい奥に進みます。……くれたのは中途半端な経験値とアイテムだけ?何か釈然としない気持ちのまま、話は次へ、さあ、いよいよラストダンジョンですよ!それまでのダンジョンは一本道だったので手応え無くてアレでナニでしたが、さすがにラストはマシな作りになってるはず。そう淡い期待を胸に抱きつつパッドを握りしめます。画面が変わり、目の前にはイキナリ古代皇帝。…………え?冗談……だよね……?まさかこのままラストバトル突入なんてことは……切り替わる画面。どう聴いても戦闘向きとしか思えないBGM。そして始まる戦闘。パッドを叩き付けたい衝動に駆られつつ、目の前の鎧着た皇帝とかいう奴を虐殺。すると鎧が外れ、中から本体が。そこから敵の猛攻が始まります。当方のHPは主人公が380程度、姫が300ちょっとなのですが、それまでの敵が多くても40〜50程度のダメージしかあたえてこなかったのに対し、このラスボスはいきなり140とかのダメージをくれやがります。姫はひたすら回復に専念し、主人公が攻撃を担当。……勝ちました。もう二度と復活すんな。

 感動のEDが始まりました。実はウンディーネ様の娘だった姫。主人公は己の想いを抑え、彼女の元を離れようとします。「私には自分に酔った生き方が良い」ほざけ(ぉ 一旦は姫を突き放す彼ですが、また戻ってきて熱い抱擁。次の瞬間、忘れ草を嗅がせます。お、自分のことを忘れさせて身を引くつもりなのかと思ったら、いきなり愛のセリフを立て続けに口走り始める姫。実は嗅がせたの惚れ草でした♪こういうオチかよ(^^; 彼等の世界は完全に平和になったわけではありません。ですが、二人の愛は永遠でしょう。だって元々惚れられてた女に惚れ草嗅がせてるもん。……終わってしまえ。

 


まとめ

 ここまで読めばこのゲーム最大の特徴は素晴らしいストーリーであることがご理解いただけるかと思います。まあ、なんというか二転三転どころではないストーリー展開に付いていくのがやっとでしたが。内容も主人公がいきなり処刑寸前だったとか、フィールドの途中で装備一式が空から降ってきたとか、敵方が偽物のオーブを掴まされたことに気付かないとかいうのばっかりで電波ほとばしります。字面だけ見るといかにも盛り上がっているように見えるかも知れませんが、なにせ唐突だったりスピーディーすぎてプレイヤーそっちのけで勝手に盛り上がっているのはあんまりです。ちなみに主人公はこういったストーリーに苦悩も驚きもしません。いやドラクエのような喋らない主人公というわけではないのですが、これでは感情移入しろと言う方が無理な相談というものではないでしょうか。更に上記を見ると、私が終始寄り道をせず素直に話の筋に従ったように見えますが、実のところ寄り道する余裕が全くないほど一本道なのです。ストーリーが一本道のRPGというのは珍しくありませんが、物理的に道が一本しか存在しないRPGというのはちょっとあまり見ないのではないでしょうか。挙げ句、ダンジョンまでもが一本道というのは初心者に優しいのか作り手が面倒臭がって手を抜いたのか判断に苦しむところです。終盤には次から次へと重要イベントが脈絡なく連続し、そのままラストダンジョン抜きでEDまで突っ走る豪快さ。もう手抜きとか初心者に優しいとかそういうレベルではないでしょう。

 また、このゲームの戦闘では、敵は一体ずつしか表示されません。最大4体の集団と戦うことはあるのですが、一体ずつかかってきます。一方こちらは主人公と姫の二人パーティ。つまり二対一。ボッコボコにできるプレイヤーに優しい仕様です。加えて魔法は攻撃・素早さ上昇・回復の三種類。XYZそれぞれのボタンを押すと発動します。つまり、三つの魔法しか使えません。レベルなどにより4段階に強弱があるそうですが、パワーアップの条件をクリアすると否応なく強化されるのでやっぱり三つしか使えません。しかも消費MPはどんなに強力になっても5ポイントというわかりやすさ!敵の強さも甘く設定してあるのでサクサク進みます。というかすぐに飽きます。戦闘時の敵キャラの動きもとにかくファニー。HPがゼロになった後に倒れて一度立ち上がってから砕け散る盗賊・海賊や、吹っ飛んだ時たまに空中で一時停止してから砕け散るユニコーン、へっぴり腰で殴りかかってくるダークアーマー、倒れたときに接地していないほとんどの敵キャラ達などなど。前衛が倒された後に前線に出てくる敵の動きも妙にジタバタしていて意味不明です。主人公も技を使ったときの「やあっ」という声が妙に緊張感に欠けたり、前衛後衛交代時の歩き方がつま先立ちに見えたりしてます。効果音も中途半端で非常にアレでナニです。ちなみに装備品ですが、武器も防具も「装備」として一括されています。プレイヤーはこれを鍛冶屋で強化してパワーアップするのです。パラメータが低い序盤ではこの鍛冶屋が大きなポイントで、金額300を払っただけで数レベルUPしたに等しい戦闘力を容易に手に入れることができます。逆に終盤は金額10000払っても大して旨味がなく鍛冶屋から足が遠のきます。

 グラフィックもアレでナニです。移動画面では妙に平べったいし、話しかけるときに両手を広げて軽く上下させるという動きがよくわかりません。相手に失礼ではないかと思うのですがどうでしょう。動きと言えば、宝箱を開けたときの大げさなガッツポーズが印象的です。傷薬でもガッツポーズ。ミミックが出てきてもガッツポーズ。ここだけ感情表現が豊かというのもいかがなものかと。あと、ポリゴンが永野護のキャラクターを表現し切れていないというのは改めて言うまでもないことでしょうか。

 以上、エアーズアドベンチャーをけなしまくって賞賛してきましたが、このゲームにもいいところはあります。クリアするだけなら誰でもできるとかそういうことではなく、音楽は悪くないかと。ええ、これだけは。戦闘中のBGMとかは結構気に入ってます。それだけですが(ぉ

 結論:3点。

 

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