さて、しばらく間が空いたメガネ講座だが、予告どおりフレームとレンズの相性について。

 とはいってもそんなに書くことはない。

 まずフルリムのメガネはオーソドックスであるのでどんなレンズにも適応する。ガラスもプラスチックもOK。このメガネで出来ないレンズは存在しない。
 ただ、現行のフレームの殆どはプラスチックレンズを使うことを前提に製作されている為、重いガラスレンズを使用するとリム切れ、つまりフレームが重さに負けて断裂してしまうことがある。これは一種の金属疲労であるのですぐには起こらない。大体1〜2年ほどたってから起きるので厄介な問題である。
 これを防ぐにはやはり「強度用フレーム」と呼ばれるリムの部分が太めに設計されたものを使ったりすると良いようだ。また、リム自体が太いのでレンズの厚みを目立ちにくくする効果も期待できる。ガラスを是非使ってみたい、という人はお店で聞くと見せてくれるはず。

 つぎにリムロン。ナイロールとも呼ばれるこのフレームも一応全てのレンズが使用可能である。ただ、ガラスレンズの場合は強度確保の為にある程度の厚さが必要なので、逆に薄型を使わない方がよい。またガラス部分が剥き出しなので、欠けやすくなるというリスクを負うことも覚悟しよう。プラスチックレンズも、薄型の中には欠けやすい物があるのでお店の人とよく相談。

 セルロイドフレームは昔からある形だけあってどんなレンズもOKである。フルリムのメガネ同様ガラスレンズではリム切れを起こすことがあるが、これは材質的な原因と作った職人の腕が悪い場合と二通りあるので判断は付きにくい。でも材質が4、腕の差が6ぐらいの割合だとは思う。フレーム自体がかなり厚みがあるのでしっかりしているし、厚みも目立ちにくいので強度の人にもお勧めできる。

 そしてツーポイントだが、これはプラスチック専用である。ガラスでは無理。不可能。
 やれと言われたことがあるがかたくなに拒否した。
 工程上レンズに穴を開ける為、一部高屈折レンズでは割れやすくなるので不的確な場合がある。

 こんな事を書くと身もふたもないのだが、誠実な対応をするベテランもいれば、「とにかく高い物を売ってやれ」という不心得者もいるのはどこの業界も一緒である。
 買う時は大体の予算を決め、疑問に思ったことは何でも聞く。性急に売ろうとする店員はメガネそのものに対して注意を払っていない可能性がある。安い買い物ではないのだから、慎重に行くべき。

 そして一つ、大事なこと。
 買ったメガネは、受け取りの時に良く確認すること。
 見え方、フィッティングもそうだが、レンズの傷、フレームの傷などもである。これは単に店側が隠そうとしている可能性があるという事ではなくて、持ち帰ってから気づいた場合、それが最初から付いていたのか、後でついたのか判らないからだ。その場で確認すればそういうトラブルはスマートに解決する。
 よって、メガネを取りに来るのは出来れば本人が好ましい。(どんなに気をつけていても、この手のトラブルが年に1〜2度はある)

 以上メガネの基本編を抑えた上で、次回は高機能レンズについて。


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