[百万石祭]
 江戸時代の金沢は武家中心の町だった。学校の歴史の時間に江戸時代は町人文化の時代だと習ったが、金沢について言えば武家文化そのものだった。
 町人の層が薄いから、江戸の三社祭、京都の祇園祭、飛騨高山の高山祭といった大きな町人の祭りは発達しなかった。
百万石祭も現代のパレード形式になっている。それでも、年に一度の町全体のお祭りだから楽しみだった。私も子供の頃は裁判所の前の通りへよく見物に行った。
六月の梅雨時の蒸し暑い中で、道の両側はどこから湧いてきたのかと思うほど人で一杯になっていた。その人だかりを見るだけで心がうきうきした。
 武者行列が好きだった。さまざまな縅の色の鎧武者が練り歩くのを見るのが楽しみだった。馬が大きな糞をしたり、盛大に尿を飛ばすのを見てびっくりもした。
 大名行列の奴の毛槍さばきもや加賀獅子舞も面白かったし、加賀鳶の梯子乗りにも感心した。

 何年か前に、私は東京の劇場で織田作之助原作の「佐渡島他吉の生涯」を観に行ったことがある。明治から終戦の頃までの大阪の庶民の生活を描いた作品で、森繁久弥が主演していた。その中で、森繁久弥扮する老いた人力車夫の他吉が大阪の何かの祭の武者行列に雇われ、痩せた体に不釣り合いな大きな兜を被ってよろよろと長屋を歩く場面があった。兜が美々しい分だけそこに暮らす人々の切ない貧しさが際立つ情景だった。



「加賀獅子舞図屏風」  百々俊雅 作
左端の剣士(棒振りといいます)が薙刀をふるって
獅子と闘っている様子が金箔の屏風に描かれています。
写真は「石川新情報書府」の中の金沢箔のHPからお借りしました。
http://www.pref.ishikawa.jp/shofu/kougei1/haku/kougei/kagajisi.html







百万石祭での加賀獅子舞

写真は「第49回百万石まつり報告書」
のHPよりお借りしました。

http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/1542/hyakumangoku.htm




(左)兼六園下での加賀鳶の演技
向こうに見えるのが石川門

高岡町中学校のHPよりお借りしました。
http://www.nsknet.or.jp/~htakano/syoukai.htm


(右)武蔵ヶ辻での演技
「百万石まつり」のHPよりお借りしました。
この方は「金沢地蔵物語」「My Walking Course」の持ち主でもあるようです。
http://www.cute.to/~tokusabu/hyakuman.htm

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